甲殻類(エビ・カニ)やダニの死骸がアトピーを起こす理由

a00a43d88d17d57fb68a593cbd9bfdf4_s

アトピーがダニで悪化するというのは、一般的に知られている事実です。実際、子供のときに食べ物へ強い反応を起こしていた人のほとんどが、中学生から大人になるにつれて、食べ物よりもダニによってかゆみをひどくしやすくなります。

たしかに、ダニはアトピーを悪化させます。しかし、ダニそのものが原因となって、アトピーが引き起こされるのでしょうか。実はダニなどのハウスダストではなく、エビなどの甲殻類が深く関与しています。

例えば、鍋の熱した部分に触れてやけどをしてしまったとします。このとき、塩水で洗った場合、やけどによる痛みはさらにひどくなります。塩水だけでは痛みが起こらないものの、やけどに塩水であれば、痛みが増幅されるのです。

上記の例と同様に、ダニの死骸などによるアトピー悪化には、エビやカニなどの甲殻類が関係しているのです。

ダニの死骸とエビとの意外な関係

タンパク質からアミノ酸に分解されるとき、ペプチドを経由します。ペプチドは、いくつかのアミノ酸がつながってできています。つまり、「タンパク質(アミノ酸が何万とつながった状態) → ペプチド(アミノ酸が数個~数十個つながった状態) → アミノ酸(単体のアミノ酸)」という順番で分解されます。

何らかの食べ物を食べたとき、通常はアミノ酸という形で腸から吸収されます。ただ、場合によってはアミノ酸ではなく、ペプチドの状態で吸収することがあります。エビやカニなどの甲殻類を食べて湿疹が表れる人の場合、タンパク質を分解したとき、その分解がアミノ酸ではなく、ペプチドの状態で止まってしまいます。

アレルギーの患者の場合、小腸からペプチドが吸収されます。小腸に吸収されたペプチドは、血液中に送られます。この場合、ペプチドが免疫細胞の働きで壊されます。すると、この情報がメモリーT細胞という細胞に記録されます。そして、それと同じ物質が侵入した場合に、再び反応を起こすようになります。

タンパク質の1つに、トロポミオシンがあります。トロポミオシンは、エビやカニに含まるタンパク質です。そして、トロポミオシンは、アレルギーの原因になります。

ダニの死骸などのハウスダストには、トロポミオシンに似た物質が含まれています。そして、ダニの死骸などに含まれるペプチドが体内に入ると、エビのタンパク質(ペプチド)が入ったときと同じような反応が起こります。

つまり、エビを食べたときにアレルギー反応が出る人が、トロポミオシンにそっくりな「ダニなどに含まれる物質」を吸収した場合、同じように皮膚の状態が悪くなってしまうのです。

このことから、アトピーの原因はエビやカニに含まれるタンパク質によるアレルギーであり、ダニの死骸に含まれる物質は、アトピーを悪化させる要因といえます。

エビ・カニとダニの死骸への対処法

エビやカニによって皮膚が悪くなるのであれば、まずは甲殻類を食べないようにするのが大切です。このとき、エビ・カニそのものを避けるだけでなく、これらを含んだ食品や、甲殻類を扱う食品工場でつくられた食品も摂らないようにする必要があります。

これらの食品を避ける場合には、買おうとしている食品のアレルギーについての項目をチェックしましょう。実際に多くの食品には、アレルギーの原因となる食材について記載されています。

例えば、ある食品に卵が使われている場合には、「その食品に卵が含まれていること」が書かれています。また、その食品をつくる工場で卵が扱われる場合には、「工場で卵が扱われていること」が載っています。

これらの情報を細かくチェックし、エビやカニを徹底して避けるようにします。これと同じく、ダニの死骸などのハウスダストにも対処する必要があります。

布団などを定期的に掃除しないと、布団にダニの死骸などのハウスダストが溜まっていきます。これを放って置くと、ダニの死骸によってアトピーが悪化してしまいます。

これを避けるため、布団は定期的に掃除機をかけるなどして、ダニの死骸がなるべく残らないようにしましょう。

以上のような努力を続けていけば、アトピーの悪化を防ぐことができます。そして、アトピーが治まった状態が続くうちに、「エビ・カニやダニの死骸のタンパク質(ペプチド)を記憶したメモリー細胞」が死んだ場合、甲殻類やダニの死骸のアミンによってアレルギーを起こすことはなくなります。