アトピーもちの乳児(赤ちゃん)の育児:母乳と粉ミルク

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アトピー患者のうち、すでに成人している人の場合であれば、自分の意思で食事内容を調整するなどして、アトピーの改善に努めることができます。

その一方で、乳児(赤ちゃん)がアトピーを発症してしまった場合、乳児は自分の意思でアトピーの改善の努力はできません。そのため、アトピーを発症した乳児にどのような食事を与えるかを、親が正しく調整する必要があります。

乳児を育てる際に、乳児に与える主な食物としては、「母乳」と「粉ミルク」の2つがあげられます。そして、どちらで育児を行うかによって、注意点が変わってきます。そこで、ここでは「母乳による育児の場合」と「粉ミルクによる育児の場合」に分けて、それぞれの注意点を確認していきます。

母乳による育児の注意点

母乳で育児を行っている人のなかには、乳児がアトピーを発症してしまったために、「母乳を与えない方が良いのかもしれない」と戸惑う方がいます。しかし、母乳での育児をやめることはおすすめしません。

なぜなら、母乳は粉ミルクよりも栄養面で優れているからです。さらに、母乳での育児は、赤ちゃんの心身の発達や親子関係に良い影響を与えます。

そのため、乳児がアトピーを発症したとしても、「乳児に母乳を与えない」という選択は避けるべきです。そして、母乳に含まれる栄養を考え、母親が普段摂る食事内容を調整していくことが大切です。

母親が摂った栄養は、食事をして約3~8時間後には母乳になります。そのため、母親が摂った食品にアトピーを招く成分が含まれていた場合、その成分が母乳に含まれることになります。

例えばサラダ油などの植物油には、「リノール酸」という成分が含まれています。また、牛肉などの肉類には、「アラキドン酸」という成分が含まれています。これらリノール酸やアラキドン酸を多く摂り過ぎると、アレルギー体質に体が変わっていき、アトピーの発症や悪化が引き起こされます。

もし、母親が植物油や肉類を過剰に摂った場合、それらに含まれるリノール酸やアラキドン酸が、母乳を構成する成分となります。それを乳児が飲んでいくうちに、乳児はアトピーを発症してしまいます。

これを避けるためには、母親自身の食生活を改善していく必要があります。つまり、母親の普段の食事から、リノール酸を多く含む植物油や、アラキドン酸を含む肉類を排除するようにします。それに加えて、アトピーの改善に役立つ成分を多く含む食品を、母親自身がしっかりと補うことが重要です。

アトピーに有効な食品

アトピー改善に有益な成分として、サンマやサバなどに含まれる「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」があげられます。これらの成分を摂るようにすることで、アレルギー体質から抜け出すことができます。

また、海藻類や葉野菜には、「α-リノレン酸」という成分が含まれています。食事などで摂ったα-リノレン酸は、EPAやDHAに変化します。

これらのことから、EPAやDHAを含むサンマなどの青魚や、α-リノレン酸を含む海藻類などを母親が積極的に食べるようにすることで、これらの成分が母乳に含まれます。その母乳を乳児に与えていくことで、乳児のアトピー改善を期待することができます。

また、上記の食事にすることで、母親自身の体調も良くなっていきます。

α-リノレン酸を含む海藻類や葉野菜には、「食物繊維」が含まれています。食物繊維をしっかりと摂ることで、腸内の善玉菌が増加します。それにより、便秘を起こしにくくなります。

つまり、母親が海藻類や葉野菜を十分に摂ることは、乳児だけでなく、母親自身の腸内環境にとっても有効なのです。

粉ミルクによる育児の注意点

何らかの事情によって、母乳による育児が行えない場合、粉ミルクを赤ちゃんに与えることになります。粉ミルクのうち、市販のものはおすすめできません。なぜなら、市販の粉ミルクは、アレルギーを起こす可能性のある「牛乳から作られたもの」だからです。

一方、粉ミルクのなかには、牛乳に含まれるタンパク質をアミノ酸にまで分解してから作った特殊なものがあります。このような粉ミルクであれば、牛乳によるアレルギーを回避することができます。

しかしながら、乳児の栄養面においても、心身の発達においても、粉ミルクは母乳には勝てません。そのため、基本的には粉ミルクで育てるよりも、母乳で育てることを優先させた方が良いです。

母親が正しい努力を続けることで、赤ちゃんのアトピーは改善していきます。そのため、たとえ大変であったとしても、この努力をあきらめずに続けることが重要です。