黄色ブドウ球菌と水道水の次亜塩素酸は、アトピーを悪化させる

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皮膚のうち、最も表面の層を表皮といいます。この表皮のうち、一番外側にある層は角質層です。多くのアトピー患者の場合、この角質層がボロボロになっています。角質層のこうした状態は、かゆみに耐えられずに皮膚を掻いてしまうことなどで起こります。

角質層のうち、細胞と細胞との間にある脂質をセラミドといいます。症状がひどいアトピー患者の皮膚は、セラミドが角質層からはみ出ています。

健康な皮膚の場合、角質層の表面が、皮脂によっておおわれています。一方、アトピー患者の多くは、この皮脂が皮膚の表面からはがれてしまっています。なぜなら、アトピー患者の皮膚の機能は、正常な皮膚の機能に比べて弱まっているからです。

また、表皮の奥には、真皮という層があります。角質層からセラミドが露出していたり、皮脂がはがれたりしている皮膚では、皮膚表面の水分が、表皮の奥にある真皮に到達しやすいです。

そのため、皮膚に水がかかった場合、水が表皮を通り抜けて真皮に容易に侵入してしまいます。このとき、体を害する成分が水に含まれていた場合、体調を崩す恐れがあります。

表皮ブドウ球菌と黄色ブドウ球菌

正常な皮膚の場合、表皮ブドウ球菌という常在菌(常に存在する細菌)によって、表面がおおわれています。ブドウ球菌が皮膚の表面に存在することで、他の細菌や水などの侵入が防がれています。

表皮ブドウ球菌に対して、病原性を示す細菌として黄色ブドウ球菌があります。正常な皮膚の表面では、病原菌である黄色ブドウ球菌がほとんど存在していません。さらに、黄色ブドウ球菌によって、皮膚が傷つけられる心配もありません。これは、表皮ブドウ球菌によって皮膚が守られるためです。

一方、アトピー患者の皮膚の表面では、黄色ブドウ球菌が多く存在します。さらに、皮膚の状態が特にひどいアトピー患者の場合、皮膚表面に存在する黄色ブドウ球菌の数がさらに多いです。

黄色ブドウ球菌と体の免疫細胞が反応することで、かゆみが発生します。このときに皮膚を掻いた場合、さらに皮膚の状態が悪くなってしまいます。

次亜塩素酸の作用とアトピーへの影響

そして、こうした黄色ブドウ球菌の作用は、水に含まれる次亜塩素酸という物質によって悪化することがあります。

家庭用の水道水の場合、水の中の菌を死滅させるために、水に塩素(カルキ)が含まれています。水に塩素が含まれると、水と塩素とが反応を起こします。それにより、塩酸と次亜塩素酸が水の中で発生します。

この2つのうち、次亜塩素酸は、普通の水を温めて作る温泉(単純泉)の消毒などに用いられます。次亜塩素酸は、強い酸化作用をもっています。皮膚に次亜塩素酸が触れた場合、その場所にいる表皮ブドウ球菌が死滅します。さらに、次亜塩素酸によって皮膚が傷付いてしまいます。

アトピー患者の皮膚の角質層は崩れています。さらに、アトピー患者の皮膚は、正常な皮膚よりも壊れやすいです。そのため、次亜塩素酸が皮膚に触れることで、アトピーの改善が妨げられてしまいます。また、アトピーの症状が悪化することもあります。

以上のことから、アトピー患者は次亜塩素酸になるべく触れないようにするべきです。

次亜塩素酸を避ける方法

すでに述べた通り、水道水には塩素(カルキ)が注入されます。それによって、水道水の中で、塩酸と次亜塩素酸が生じます。これにより、病気の原因となる菌が、水道水に残ることが防がれます。その一方で、皮膚を傷付けてしまう次亜塩素酸が、水道水のなかに残っています。

したがって、水道から出た水がそのまま皮膚に触れた場合、皮膚が次亜塩素酸によってダメージを受けることになります。そのため、次亜塩素酸によってアトピーを悪化させないためには、水道から出た水に直接触れるのを避けてください。

水道から出た水が皮膚に触れても問題ない状態にするには、その水から次亜塩素酸を取り除く必要があります。水道水から次亜塩素酸を抜く方法の1つとして、「水道から出た水を沸騰させる」ことがあげられます。これにより、その水に含まれる塩素を抜くことができます。

また、水道水に含まれる塩素を除去する機能をもつ浄水器やシャワーノズルを使用した場合、水道水を沸騰させる手間をかけずに次亜塩素酸を除去することができます。

次亜塩素酸が抜けた水であれば、アトピー患者の皮膚に触れてもダメージはありません。しかし、次亜塩素酸が抜けた水の場合、菌が繁殖しやすいです。

もし、沸騰して長時間放置した水を飲んだ場合、その水の中で新たに増えた菌に感染してしまう恐れがあります。そのため、一度沸騰した水を飲む場合は、煮沸後なるべく早めに飲むようにしてください。

ここまで述べてきた通り、次亜塩素酸が皮膚に触れないようにすることで、皮膚のダメージを減らすことができます。それにより、アトピーの症状も良くなっていきます。

アトピーが改善することで、皮膚は健康な状態に変わります。健康な皮膚であれば、黄色ブドウ球菌によって傷付くことはありません。この状態にもっていけるように、皮膚にダメージを与えるものを1つずつ減らしていきましょう。