米や小麦などの穀類は、重症のアトピーを悪化させる恐れがある

アトピー患者のなかには、皮膚の炎症が重度であるため、夜になると眠れないくらい体中がかゆくなってしまう方がいます。この状態は、アトピーの症状の重さのうち、「重症」レベルにあてはまります。

アトピー患者のうち症状が重い人の場合、米や小麦などの穀類によって、アトピーを悪化させてしまうことがあります。これには、穀類に含まれるタンパク質が関係しています。

穀類に含まれるタンパク質が、アトピーを悪化させる仕組み

米や小麦などの穀類の主成分は、「炭水化物」です。その一方で、穀類には少量の「タンパク質」が含まれています。

通常、食事などで摂ったタンパク質は、小腸の中で「アミノ酸」という物質になるまで消化されます。その後、アミノ酸は小腸で吸収されます。

ただ、現代人はかなり噛まずに食べてしまいます。米や小麦などの穀類を食べたとき、噛む回数が少ない場合、アミノ酸にまで分解できない恐れがあります。この場合、そのタンパク質は、アミノ酸の手前の「ポリペプチド」という物質のところまでしか分解されません。

さらに、重症のアトピー患者の場合、米や小麦などの穀類のポリペプチドによって、アレルギーが起こる恐れがあります。これにより、アトピーの症状が増悪してしまいます。

また、米によるアレルギーの場合、アトピーの症状悪化がひどいとされています。具体的には、強いかゆみが発生し、夜に眠れなくなるなどの症状が表れます。このようにアトピー患者によっては、日常的に食べている米や小麦がアレルギーの原因となって、アトピーを悪化させている可能性があるのです。

穀類の摂取を避け、アトピーの改善を目指す

重症のアトピー患者がアトピーを改善させたい場合、しばらくの間、米や小麦などの穀類を使った食品を避ける必要があります。具体的には、約1週間ほど、穀類を含む食品を完全に食べないようにします。そして1週間後に、穀物を食べていたときに比べて症状が落ち着いていれば、穀物によるアレルギーでアトピーが悪化していたと判断できます。

その後、皮膚にほとんど炎症や湿疹がない状態になったり、かゆみをたまにしか感じなくなったりするなど、アトピーの症状が軽くなった場合に、再び穀物を食べ始めるかどうかを検討します。

実際に穀類を食べ始める場合には、精白米などのように、穀類のなかでもタンパク質の含有量が少ないものを選びます。そして、決して穀物を食べ過ぎないように気を付けつるようにします。

穀類を使った主な食品には、ご飯・パン・麺などの主食類があげられます。そのため、普段からこれらの食品を食べている人にとっては、穀類を使った食品を絶つのはつらいと感じるかもしれません。

しかし、米や小麦などの穀物が、アトピーの症状を悪化させている可能性がある以上、アトピーを改善させるためには、穀物を一時的に絶つことが不可欠です。

また、アトピー治療のために穀物を摂らないようにした場合、穀物を食べない分だけおかずをしっかりと摂る必要があります。なぜなら、食事量の減少によって栄養失調を起こす恐れがあるからです。

そのため、穀物を含む食品を摂らないようにした場合には、その分だけ、野菜類や海藻類などの植物性食品をたくさん摂るようにしましょう。これらの植物性食品には、食物繊維が含まれているからです。

食物繊維を十分に摂ることで、腸内環境が改善されます。そして、「善玉菌(体にとって良い働きをする菌)」が増えます。すると、腸の中の老廃物や未消化物が排出されやすくなります。その結果、アトピーを改善させることができます。

また、野菜類のなかでもイモ類やカボチャなどの野菜は、エネルギーを多く含んでいます。そのため、これらの野菜を主食の代用品に食べるのもいいです。

以上のような努力を続けていくことで、アトピーは改善に向かっていきます。アトピーで重要なのは薬の使用ではなく、食事内容など生活習慣の改善です。この事実を理解したうえで、日常で生活習慣改善のために、どのような行動を行っているかを見直すようにしましょう。