下剤は一時的に症状緩和させるだけ:便秘薬が体に与える悪影響

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便秘は、多くの日本人が悩まされる症状です。しかし、便秘になっている大半の人は、症状を放置しておくか、薬で一時的に緩和させるという対処的な方法しか行いません。

これは、医療従事者も含め、便秘の原因を理解していないために起こっていることです。また、「薬は病気を治すもの」と考えている人が多いため、便秘になるとすぐに市販薬を買うか、病院に行って薬をもらいます。

しかし、大半の薬は病気を治すものではなく、症状を緩和させるものです。便秘の薬もこれに当たります。また、便秘に対する薬は、症状を緩和させるどころか、悪化させてしまう場合もあります。そこで今回は、薬が便秘の症状に対して与える悪影響について解説します。

便秘薬は症状を悪化させる可能性がある

痛みが強いときに痛み止めの薬を飲み続けても、それが原因で痛みが悪化することはほとんどありません。もちろん、薬の副作用はありますので、痛みが治りにくくなる場合はあります。一方、下剤は飲み続けると、多くの場合でその症状が悪化していきます。

大半の人はその事実を知りません。そのため、毎日大量の下剤を飲み続けている人が多くいます。

痛み止めの場合であれば、薬自体が痛みの原因を治癒するわけではありません。一時的に痛みを緩和することによって、睡眠がとれるようになったり、適度な運動を行えるようになることで血流が改善したりして、その結果として痛みが治ります。

下剤も同様に、とにかく便秘で苦しい状態を一時的に緩和するもので、便秘そのものを治すものではありません。

しかし、便秘の人は「とにかく毎日便を出すこと」にこだわり、薬を使ってでも便さえ出れば、その症状は治るものと考えています。このように、便を出すことにこだわり過ぎて過剰に薬に頼ってしまうと、便秘を悪化させてしまうのです。

排便にはリズムがある

食べたものが消化・吸収され、その余ったものから便が作られます。そして、食べ物は口から腸、そして肛門へとつながる消化管を通る過程で便となり、排便されます。

便は、腸の「蠕動(ぜんどう)運動」という自発的な動きで直腸まで送られます。

直腸に達した便は、直腸を広げます。その刺激が脳に伝わることで、「便意」が生まれます。これを専門用語で「直腸反射」と呼びます。このように、便を出すまでには過程がありリズムがあります。

下剤を使用すると、このリズムが崩れます。通常であれば便が直腸に達することによって、それが刺激になり便意が起こります。

しかし、下剤を使って起こる便意は、直腸の刺激によって生じるものではなく、無理やり大腸の別の部位である「結腸」を刺激することによって生み出されたものです。そのため、排便の準備が整っていない状態の便であり、スッキリ感がありません。

また、通常では便を出す際に働く筋肉も、薬を使うと働く必要がなくなるため、筋力がどんどん弱くなり、さらに便秘を悪化させます。

下剤は依存する

そして、下剤を使用している人の大半は、それに依存した生活を送っています。このような人たちは「薬で便を出さないと不安になる」という気持ちから、毎日薬を飲んでいます。ただ、薬に依存した生活を送っていると、さまざまな悪影響が出ます。

先ほど述べたような、排便に関係する筋肉の委縮だけではありません。薬の影響で、胃や食道まで働きが障害されてしまう可能性があります。このようになると「食事がおいしくない」「お腹の張り感がある」などの訴えがでます。

さらに、下剤の過剰な服用は下痢を起こします。下痢は体内の水分はもちろんのこと、水と一緒に体に必要なミネラル分までも排出します。

細胞は、水分とミネラル分のバランスが保たれることによってその機能を発揮します。もしこのバランスが崩れてしまうと、「浮腫み(むくみ)」や「筋力低下」、さらに重症になると「意識障害」なども起こる可能性があります。

以上のように、下剤は「どうしても便が出なくて苦しいとき」に使用するものであって、日常的に活用すべきではありません。