腸の役割を知ることで、便秘で引き起こされる弊害を理解する

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便秘は、日本人の多くが悩まされる症状です。しかし、そのほとんどは症状を放っておく、もしくは病院で処方される薬や市販されている薬で一時的に緩和させているだけというのが現状です。

これは、医療従事者も含め、便秘の根本的な原因を理解していないことで起こっている現象です。そのため、あなた自身が便秘について学ぶ必要があります。

便秘について理解するにあたって、腸の役割について知っておくことが必須です。便秘は、便が腸に溜まっている状態であるため、腸にさまざまな影響を与えます。つまり、腸の役割を知ることによって、便秘が引き起こす弊害について理解することができます。そのため今回は、腸が担うさまざまな機能について解説します。

腸の免疫機能

あまり知られていないことですが、腸には免疫機能があります。特に小腸には、特有の「リンパ組織」があり、重要な免疫機能を担っています。

リンパ組織とは、免疫機能を担う「リンパ球」が集まる組織のことを指します。リンパ球は白血球の一種であり、多くは骨髄で作られます。骨髄で造られた後は、「リンパ節」や「胸腺」と呼ばれる組織で成熟、増殖します。そして、成熟、増殖したリンパ球は、病原菌など体に入った異物を発見し、排除する働きをします。

この腸特有のリンパ組織は「腸管関連リンパ組織」と呼ばれ、腸の25パーセントを占めています。ここに集まったリンパ球などの免疫細胞が、外から侵入する異物や病原菌などを効率よく排除しているのです。

このような免疫を腸管免疫といいます。腸管免疫は主に小腸にありますが、一部は大腸にも存在します。

便秘の場合、腸内環境は悪くなっていることがほとんどです。腸内環境が悪化していると、腸管免疫の機能にも影響します。つまり、便秘は免疫力の低下にもつながるということです。

腸は脳とつながっている

また、脳に続いて神経細胞が多い場所が腸になります。これは、排便の精巧なメカニズムを考えると納得できることです。

実は生命の進化において、最初にできたのが腸をはじめとする消化管だけの生命とされています。進化とともに、腸の周りに神経細胞ができ、胃などの他の臓器ができました。そして、脳は腸の神経細胞が集合してできたものといわれています。

具体的に、腸にはどのくらいの神経細胞があるかというと、その数は1億個以上とされています。これは脳の150億個と比較すると少ないですが、脳以外の臓器では断トツ多いです。

排便の際は、小腸・大腸の運動や便意、酵素の分泌などさまざまな働きが行われています。実はこのような働きは、腸の神経細胞単独で行われているのです。通常、筋肉などは脳からの指令によって動きますが、腸の神経細胞はこれらの指令なしに、その他の臓器を動かすことができるということです。

このようなことから、腸は「セカンド・ブレイン(第二の脳)」とも呼ばれます。

脳のような働きをする腸ですが、実際に脳とも連動しています。これは、ストレスによって便秘などの消化器症状が起こりやすいことからも理解しやすいかと思います。

これには「自律神経」という神経が大きく関係しています。

自律神経には興奮時に働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」の2つがあります。そして、腸の運動は副交感神経の働きが優位なときに活発になります。同じように、腸の動きが良くなったとき、副交感神経が活性化されます。これは、自律神経の司令塔が脳にあるのです。腸と脳は相互に関係しているといえます。

以上のように、腸には一般的に知られる消化・吸収という役割以外にもさまざまな役割があります。便秘になると、これらの役割が障害されるため、多くの症状が現れる可能性があります。このような腸の役割を知ることによって、便秘によって起こされるさまざまな症状を理解できるようになります。