かくれ冷え症:冷えと便秘の関係性

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現在、女性の多くが「冷え症」であるといわれています。冷え性とは、外気温に関わらず寒さや冷えを感じることをいいます。ただ最近では、このような自覚のない「かくれ冷え症」が増えてきています。

かくれ冷え症の人は腹部が慢性的に冷えていることが多く、便秘の原因となっていることがあります。便秘は、女性のほとんどが経験したことがあるといわれるほど日常的に起こる症状です。

ただ、このような冷えによる便秘は慢性化しやすく、さまざまな不調や美容トラブルの原因となります。そこで、ここでは冷え症と便秘の関係性について述べていきます。

冷え症と便秘の関係性

身体が冷えると、血管が収縮して身体を巡る血液の量が少なくなります。また、骨格筋などに優先して血液を送るため、消化器官の血流は少なめになります。

血液は、酸素や栄養素を運ぶ働きがあります。そのため身体が冷えると、胃などの細胞に酸素や栄養素が届けられなくなるため、消化器官の働きが低下します。

消化器官の一つである腸の働きが悪くなると、「蠕動運動(ぜんどううんどう)」が少なくなります。蠕動運動とは、便を外に排出するために必要な腸の動きのことです。蠕動運動が少なくなると、便が外に排出されにくくなるため便秘が起こります。

また、腸内にはさまざまな細菌が住み着いており、健康状態に影響を与えています。このような細菌のうち、人体に比較的有益なものは「善玉菌」、悪い影響があるものは「悪玉菌」と呼ばれています。

これらの細菌の活動は、温度によって変化します。善玉菌は比較的高めの温度でよく働くのに対して、悪玉菌は低めの温度で働きやすいことがわかっています。つまり、腸が冷えていると悪玉菌が優勢になるのです。

悪玉菌が優勢になると、腸内で便が腐敗して肌荒れや体臭が起こりやすくなります。また、蠕動運動を妨げる有害物質が発生するため、便秘が悪化するという悪循環が生まれます。

このようにして慢性便秘が起こると、免疫力が低下したり大腸がんのリスクが高まったりします。また、肥満や肌荒れなどの美容的トラブルも起こりやすくなります。これらを防ぐためには、冷え症対策が有効です。

便秘を防ぐための冷え症対策

これまでに述べたように、冷えによる便秘は腹部が冷えることによって起こります。そのため、便秘を防ぐためには、日頃から腹部を冷やさないことが大切です。特に、月経前~初期は大きくなった子宮が腸を圧迫して血行が悪化するため、注意が必要です。

短めのスカートやボトムスなどの着用は、腹部がダイレクトに冷えるため便秘が起こりやすくなります。そのため、これらの服を着用するときは、インナーを厚めにしたりカイロなどで温めたりするなどの工夫が大切です。

また、現代の女性は腹筋が弱いことが多いです。腹筋が弱いと、腹部の冷えや便秘が起こりやすくなるため、意識して鍛えることが大切です。

猫背は、腹筋低下を起こしやすくする要因の1つです。現代人は、1日平均3時間ほど携帯電話を見ているというデータがあります。携帯電話を見るとき、多くの人が下を見て猫背になります。特に女性は男性に比べて携帯電話を見る時間が長い傾向にあるため、より長い時間猫背になっているといえます。

慢性的に猫背になると、腹筋が低下することによって「ぽっこりおなか」になり、立ち姿が老けて見えるようになります。そのため、便秘だけではなく見た目の老化を防ぐためにも、意識して背筋を伸ばすことが大切です。

また、過激なダイエットも、冷えによる便秘の原因となります。

ダイエットのために生野菜を大量に摂る女性は多いです。ただ、過度な生野菜の摂取は、冷えや便秘を加速させます。これは、生野菜には身体を冷やす作用がある上、大量の食物繊維は腸に詰まって便秘の原因になることがあるためです。

さらに、ダイエット時には糖質や脂質が制限されることが多いです。ただ、適量の糖質や脂質は、身体を温めて便通を改善します。そのため、ダイエットによってこれらの摂取が必要以上に少なくなると、冷えや便秘が起こりやすくなります。

「冷えは万病の元」というように、身体の冷えはさまざまな不調の原因となります。また、「腸は健康のバロメーター」といわれるように、腸の健康は身体の健康につながります。そのため、これまでに述べたような対策を行って冷えや便秘を防ぐことで、さまざまな不調を改善できるはずです。