便秘が女性に多い理由:筋力、女性ホルモン、手術

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便秘は、多くの日本人が悩まされている症状です。その中でも、とくに若年の女性はその傾向が強いです。便秘の原因はさまざまですが、女性特有の要因も多くあります。

もちろん、そのような理由で女性が全員便秘になるというわけではありません。しかし、男性と比較すると、男性より女性の方が便秘に悩まされている人が多いのも事実です。そこで今回は、女性特有の便秘になりやすい要因について解説します。

筋力の問題

便秘の一つの原因として、筋力の低下が挙げられます。便は腹筋と「肛門括約筋」と呼ばれる肛門周囲にある筋肉の働きによって、排便されます。そのため、これらの筋肉が衰えていると、その排便力が低下してしまいます。

女性はもともと男性より筋肉が少ないものです。さらに妊娠・出産などは、腹筋、肛門括約筋を弱くする要因になります。このように、筋力が弱いことは女性が便秘になりやすい原因の一つです。

なお、筋力の低下は高齢者が便秘になりやすい原因でもあります。加齢により筋力低下が生じるのは理解できるかと思います。さらに、70歳を過ぎると、腸の筋肉の弾力性は若いときと比較して約25パーセントも低下することがわかっています。

つまり、高齢になると、腹筋などで体外から圧迫する力が弱くなる上に、体内の腸自体の便を押し出す力も低下してしまうということです。

実は、腸の筋肉の弾力性の低下は、10代をピークに始まるとされています。そのため20代などの年齢でも、腸の運動が弱くなっている可能性が十分にあり得るということです。

ホルモンの影響

女性は月経の周期に伴って、女性特有のホルモンが分泌されます。その中でも、排卵から月経までに活発に分泌される「黄体ホルモン」が排便に影響を及ぼします。

このホルモンには、腸の刺激に対する反応を低下させ、さらに大腸内にある便から水分を奪い取る作用があります。そのため、この黄体ホルモンの分泌が多くなると、腸に便が入っても反応しない上に、水分も奪われるため便が硬くなってしまいます。

便は適度な柔らかさがあり、その状態で腸が動くことによって排便されます。硬い上に、腸の動きも悪いとなると便が出にくくなるのは当然です。

このように、黄体ホルモンの分泌が盛んな排卵から月経までの時期は、女性であれば誰でも便秘になりやすい期間なのです。

手術の問題

便秘は、腸の動きが悪くなることで起こります。そして、腸はお互いが癒着するとその動きが制限されます。これは、医学的には「腸管癒着症」と呼ばれます。腸管癒着症は、腹部の開腹手術後などによって起こりやすいとされています。

具体的には、虫垂炎や子宮筋腫、子宮がんなどの手術が挙げられます。また、帝王切開などでも同様に起こりやすいとされています。このように、開腹手術自体が女性に多いものでもあります。

開腹手術を行うと、臓器が空気にさらされ、隣り合った臓器と臓器、あるいは腸管と臓器がくっついてしまいます。そのため腸管の癒着は、手術を行う以上はある程度避けられないものでもあります。

また、癒着による便秘は手術後10年以上経って起こることもあるため、医者でも気づかないことがほとんどです。

以上のように、女性はもともと便秘になりやすい要因が数多くあります。これ以外にも、育児の問題やストレスの受けやすさなどの影響もあります。そのため、女性は男性以上に便秘にならないように、日々気を付けなければなりません。