便秘に使われる下剤の種類:刺激性下剤と機械性下剤

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便秘は多くの日本人が悩まされている症状です。そして、便秘の人の大半は放っているか、市販されている下剤もしくは病院で処方される薬に頼っているのが現状です。

ところで、「便秘薬は作用機序によっていくつかの種類がある」ことをあなたは知っているでしょうか。

人それぞれ便秘の原因も異なるため、種類によってその薬が合う人と合わない人がいます。当然、合わない薬を飲んでいる場合は、便秘の原因に対して薬が働かないため、症状は緩和しません。そこで今回は、便秘薬の種類に対する基礎知識について解説します。

刺激性下剤

下剤は大きく分けて「刺激性下剤」と「機械性下剤」の2つに分類されます。刺激性下剤は、その名の通り、腸を刺激することで排便を促す薬です。

このタイプの下剤はその作用部位によって、さらに2つに分けられます。

小腸刺激性下剤

腸は大きく「小腸」と「大腸」の2つに分けられます。通常、便は後者の大腸に溜まるため、便秘の場合は大腸の問題がよく取り上げられます。しかし、このどちらの働きが悪くても便秘を生じる可能性があります。そこで、小腸を刺激して便秘を改善させるのがこのタイプの下剤になります。

小腸刺激性下剤には、ひまし油やオリーブオイルなども含まれ、次の結腸刺激性下剤に比べると副作用が少ないのが特徴です。

結腸刺激性下剤

大腸は大きく「結腸」と「直腸」の2つに分けられます。最終的に便意を起こし、排便を促すのは直腸ですが、便秘の人は結腸に便が溜まることで、便が直腸まで到達しません。

そこで、結腸を刺激して腸の動きを促すことで、便を直腸に送り出して便秘を改善させるのがこのタイプの下剤になります。ちなみに、結腸刺激性下剤によって促される結腸の運動は、専門用語で「蠕動(ぜんどう)運動」と呼ばれます。

市販されている下剤の大半はこのタイプの下剤です。この中でも、「ビコスルファートナトリウム製剤」などの化学合成製剤は比較的安全とされています。

また、刺激性下剤のタイプの両方に言えることですが、これらを長期間使用すると、腸の自発的な運動を抑制し、さらに便秘を悪化させます。そのため、症状の一時的な緩和のために使用するには問題ありませんが、常用するのはお勧めしません。

機械性下剤

一方、機械性下剤は便に作用してその量を増やしたり、柔らかくしたりすることで排便を促す薬です。このタイプの下剤は、作用機序によって4つに分けられます。

塩類下剤

便はある程度の柔らかさがないと、スムーズに排泄できません。そこで、便の浸透圧を上げることで、便から水分が吸収されるのを抑え、便を柔らかくして排便を促す薬がこのタイプの下剤になります。

浸透圧とは、簡単に言うと「水分の吸収しやすさ」です。つまり、浸透圧が高くなると、より水分を吸収しやすくなるということです。このタイプの下剤は、副作用が少ないことが特徴ですが、腎臓に障害がある人は注意が必要です。

糖類下剤

腸内の水分を増やし、便を柔らかくすることで便秘を改善するのがこのタイプの下剤です。

胃や小腸で吸収されにくい「難消化性オリゴ糖」などが主成分であり、副作用が少なく、子供の便秘などに対してよく処方されます。また、その他にも「肝性脳症」と呼ばれる病気に対しても処方されます。

膨張性下剤

寒天など、難消化性で水分を吸収しやすい成分が主で、腸内の便量を増やすことで便秘を改善させる薬です。これは、偏食や小食などで腸内の便量が少ないことが原因で便秘になっている人に処方されます。

浸潤性下剤

これも、便を柔らかくすることで便通を良くする薬ですが、日本では普及していません。

以上のように、便秘に対する薬といっても、その作用機序によってさまざまな種類があります。当然、便秘の原因に合った薬を飲まないと症状は緩和されません。

もし、薬を飲んでいるのに症状が軽減しないという方は、もしかしたら薬が合っていないのかもしれません。担当の医師があなたに合うと思った薬を出していても、それが合っていない場合もあるため、あなた自身がこのような知識を持っておくことが大切です。