食物繊維は便秘だけでなくコレステロール値、血糖値も改善する

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食物繊維という言葉はよく耳にすると思います。その中でも、体への効能を目的に、意識して食事に取り入れる人は多いのではないでしょうか。

しかし、野菜などに多く含まれているなどのイメージは持っているものの、その実態をわかっている人はすくないです。そこで今回は、食物繊維について解説します。

食物繊維とは

食物繊維とは、第5食品成分表の定義によると「ヒトの消化酵素で消化できない食品中の難消化性成分の総体」とされています。単純に考えれば、「胃や腸で消化できない植物性の物質」だと理解してください。

炭水化物の中で、糖質を抜いたものが食物繊維になります。それら糖質の中でも乳糖、ラティノーズ、糖アルコール、ムコ多糖、糖タンパク、デンプンなどは食物繊維に含まれます。

また、食物繊維はその性質から水溶性食物繊維(ガム、粘質物、藻類、多糖類の一部、ペクチンの一部、ヘミセルロースの一部)と不溶性食物繊維(海藻多糖類の一部、ペクチンの一部、ヘミセルロースの一部、キチン、セルロース、リグニン)に区分されます。

これは字のごとく、水に溶ける性質があるものと、溶けない性質があるものです。

水溶性食物繊維の生理作用は、おもに血清コレステロール値、血糖値の改善、腸内細菌叢の改善です。一方、不溶性食物繊維は糞便量を増加させ、便秘を改善する作用があります。

ここで注意が必要なことが、便秘には原因があるということです。その原因によっては、この不溶性食物繊維を取り過ぎると、便秘が悪化する場合があります。

例えば、腸の動きが悪くて便秘になったとします。腸が動かない状態でどんどん糞便の量が増えると、さらに便秘の症状が悪化することは、想像に難しくないかと思います。そのため、単純に便秘だから食物繊維をとるという考え方は危険です。

食品に含まれる食物繊維

食品によって、含まれる食物繊維の種類は異なります。上記したように、水溶性と不溶性では生理的作用が違うので、このことを知っておくことは重要です。

ご飯やパンなどの穀物類は、不溶性食物繊維が90%以上を占めます。いも類、キノコ類、豆類も同様に、不溶性食物繊維を多く含みます。一方、ごぼうやにんじんなどの野菜類、果実類には可溶性のペクチン(水溶性食物繊維)などの食物繊維が多く含まれます。

このように、一言に食物繊維といっても、何を食べるかによって作用が異なります。

食物繊維の効用

食物繊維の主な効用は3つです。一つ目は、血中コレステロール値の低下作用です。これは、腸内細菌の働きで、豆類などのペクチンがコレステロールを合成する酵素の役割を阻害するために起こります。つまり、血中コレステロール値の低下には、野菜や果物などペクチンを多く含む食品が良いということです。

二つ目は、制がん作用です。これは、まだ統一した見解は出ていませんが、水溶性、不溶性のどちらも関係している可能性があるとされています。大腸癌には不溶性食物繊維が、直腸癌には水溶性食物繊維が関係しているとされています。しかし、そのメカニズムははっきりしていません。

そして三つ目が、排便促進作用です。これは単純に、消化できない物質が腸内に増えるため、糞便量が増加するということです。糞便量が増えると、腸への刺激が強くなるので、腸の動きは改善する可能性があります。

よって、排便促進作用には、穀物類、豆類などの不溶性の食物繊維を多く含む食品が効果的ということです。

以上のように、食物繊維は種類によってさまざまな効果があります。あなたの必要としている食物繊維は何かということを考え、摂取する食品を考慮する必要があります。