コーヒーによる血糖値への影響と糖尿病の予防効果

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病気を治療するために薬を使用しますが、医薬品は「病気の予防」という観点では使用されません。あくまでも既に病気を発症した人に対して効果を示します。そこで、病気の予防を行うときは食生活や運動習慣の是正を行います。

この中でも、食品の種類によっては病気の予防を行える可能性が示唆されています。例えば、コーヒーはその中の一つであり、糖尿病への予防効果が報告されています。

コーヒーによる糖尿病リスクの低減

糖尿病とコーヒーの関係は多くの研究が行われています。それらの研究を読み解くと、コーヒーを長期的に何度も飲むことで糖尿病リスクが低下するといわれています。

例えば、米医師会雑誌(JAMA:Journal of American Medical Association)に発表された論文では、1日に3~4杯のコーヒーを飲むことで、飲まない人に比べて男性27%、女性29%%も糖尿病に罹る率が低下したことが分かっています。1日10杯のコーヒーを飲む人では、さらに糖尿病のリスクが低下しています。

また、国立国際医療研究センターによると、週3~5回コーヒーを飲む人では「そうでない人」に比べて2型糖尿病の発症リスクが男性17%、女性38%低下すると発表しています。

このようなコーヒーによる糖尿病の予防効果に関する研究は世界中で発表されています。そのため、糖尿病に対する飲料としてコーヒーが着目されています。

コーヒーの血糖値への影響

なぜ、コーヒーが糖尿病の予防効果を示すのかについては、不明な点が多いです。ただ、その作用はコーヒーに含まれるクロロゲン酸やカフェインが関わっているのではと考えられています。クロロゲン酸とは、コーヒーに含まれるポリフェノールであり、抗酸化作用があります。

「活性酸素」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、私たちが生命活動を行うと酸化作用の強い活性酸素が生まれます。活性酸素は体内の細胞や遺伝子などに対して作用し、酸化させてしまいます。これによって細胞や遺伝子が傷つき、動脈硬化の原因になります。

そこでクロロゲン酸が存在すれば、活性酸素による攻撃からクロロゲン酸が守ってくれます。これによって炎症や酸化ストレスが軽減し、結果として血糖値の上昇を抑え、糖尿病の発症を抑制しているのではないかと考えられています。

また、カフェインは血圧上昇などに関わる交感神経を刺激します。そのため、コーヒーを飲んだ直後は血圧や血糖値が上昇します。しかし、長期的な観点でみれば2型糖尿病を抑制するといわれています。

糖尿病以外にも、コーヒーには脳卒中や心筋梗塞などを予防し、死亡リスクを低下させる作用が多く発表されています。これは、先に挙げたクロロゲン酸やカフェインによる働きが関与しています。

ブラックコーヒーによる血糖値抑制

コーヒーが糖尿病の抑制に効果的だとはいっても、大量の砂糖を入れて飲むのが良くないことは誰でも分かります。味をまろやかにするために、クリームや砂糖をコーヒーに入れることはよくあります。これを避けて、ブラックコーヒーで飲むようにしましょう。

糖尿病の予防効果は純粋にコーヒー豆に含まれている成分によるものです。コーヒーそのものの味を楽しみ、よけいなクリームや砂糖を加えないことが大切です。

また、1日1杯ではなく、1日3杯以上を飲むようにしましょう。コーヒーを飲む習慣のある人では、1日3~4杯程度を飲むのはあまり抵抗がないかもしれません。

糖尿病を発症した後のコーヒー

注意点としては、実際に糖尿病を発症してしまった後の人たちです。この場合、血糖値を一時的に上昇させるコーヒーの摂取は好ましくないとされています。

糖尿病を発症すると、食事後での血糖値のコントロールが重要になります。急激な血糖値の上昇は大きな毒性をもたらすからです。そのような場合、空腹時にコーヒーを飲む場合は問題ないとされています。