血糖値の指標となる空腹時血糖、HbA1cとは何か

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糖尿病では血糖値の動きに注意しなければいけません。血糖値とは、血液中に含まれる糖濃度のことを指します。血糖値が高いと「糖による毒性」を発揮するようになり、これを糖毒性といいます。

糖毒性を抑えるために食事や運動の内容を見直したり、薬を服用したりします。このとき用いられる血糖値としては、空腹時血糖HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)などが用いられます。

空腹時血糖とは

食事をすれば、誰もが血糖値の上昇を招きます。食事の中にはデンプンなどが含まれているため、これらが分解されて糖になったあと、腸から吸収されます。糖は腸から血液中に入るため、必然的に血糖値は上がっていきます。

正常な人であるとインスリン(血糖値を下げるホルモン)が分泌されるため、食後すぐに血糖値は下がっていきます。ただ、中には血糖値がなかなか下がらない人がおり、常に血液中に高い糖分が含まれている状態になっています。これが糖尿病です。

糖尿病であるかどうかを測るとき、単純に考えれば「血液中に存在する糖濃度」を測定すれば良いことが分かります。そこで、空腹時血糖値を測ります。

空腹時血糖とは、空腹時の血糖値を指します。健康診断などでは、8時間以上絶食することで何も食べない状態にしておきます。このときに測定する血糖値が空腹時血糖です。健康診断では、空腹時血糖値が126mg/dl 以上であれば糖尿病と判断されます。

早朝などであれば何時間も食事を抜いた絶食状態になっています。健康診断のときのように厳密ではないものの、朝食前に血糖値を測定すれば日常生活の中でも空腹時血糖を測ることができます。

ただ、早朝を過ぎて食事をとれば絶食状態ではなくなります。この場合、食後2時間後血糖などを測ります。正常な人であると、2時間後に血糖値は140㎎/dl 未満に低下します。糖尿病患者であるとこの値よりも高くなります。これを食後高血糖と呼び、糖尿病による合併症が起こりやすくなります。

また、75gのブドウ糖を投与した後に血糖値がどれくらい上がるのかを調べる試験も存在します。このときのブドウ糖を投与した2時間後の値が200㎎/dl 以上の場合は糖尿病と判断されます。

食事の時間に関係なく図った血糖値も存在し、これを随時血糖値といいます。随時血糖値が200㎎/dl 以上でも糖尿病と判定されます。

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HbA1cとは何か

上記のような血糖値は簡単に測定できるため、古くから活用されています。ただ、例えばチョコレートを食べるだけで血糖値がすぐに上がってしまうため、正確な値を調べることができません。

さらにいえば、健康診断の前に意図的に甘いものを食べれば糖尿病と診断されます。また、絶食や運動を頑張れば、見かけ上の血糖値は下がっているように見えます。

こうした誤った診断を避けるため、過去数ヶ月の血糖値の動きをみれる指標で判断しなければいけません。そこで、HbA1cを用います。HbA1cは過去1~2ヶ月の血糖値を確認することができます。

赤血球の成分として、ヘモグロビン(Hb)が知られています。血液中に余分な糖が存在すると、ヘモグロビンと糖が結合するようになります。このときに生成される物質をグリコヘモグロビン(糖化ヘモグロビン)と呼びます。

赤血球の寿命は約120日(約4ヶ月)です。ただ、生成されたばかりの赤血球は糖と強固に結びつきにくいです。糖と強く結合するまでには約2ヶ月を必要とするため、赤血球の残り寿命2ヶ月あたりでグリコヘモグロビンが作られます。そのため、HbA1cは1~2ヶ月の血糖推移をみることができるのです。

糖尿病の判定では、HbA1cが6.5%以上であると糖尿病と判定されます。HbA1cは直前にいくら頑張っても数値が変動しないため、健康診断で誤魔化すことができません。日々の生活を改めて頑張った結果として、ようやくHbA1cの値を減らすことができるのです。