1型糖尿病・2型糖尿病の病態と原因

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糖尿病といえば、太っているなど生活習慣の悪い人が罹る病気のように思われます。実際、そのような人が糖尿病患者では多いです。また、通常は成人以降に罹るなど、ある程度の年齢になって発症する場合がほとんどです。

ただ、中には痩せている子供や若い人であっても糖尿病を発症することがあります。糖尿病にはいくつか種類があり、必ずしも生活習慣の乱れによって発症するとは限らないのです。

多くの人で問題となる2型糖尿病

糖尿病は大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病の2種類があります。大半の人で問題となるのは2型糖尿病です。肥満や運動不足、ストレスなどが原因となって発症します。

2型糖尿病では、インスリン(血糖値を下げるホルモン)が出にくかったり、インスリンが作用しにくくなっていたりします。こうして、血液中の糖濃度が高くなってしまうのです。最初はあまり自覚症状がないため、いつ糖尿病を発症したのか分からないケースがほとんどです。

2型糖尿病患者では、食事内容の改善や運動の実施などが効果を示します。飲み薬を活用する人は多いものの、2型糖尿病の場合は日々の生活を見直した方が高い効果を得ることができるのです。そういう意味では、本来は薬なしで病気を改善することが可能です。

ただ、日々の不摂生によって病気を発症した人であるため、生活習慣の改善を行えない人がほとんどです。症状はゆっくり進み、自覚症状もないのでその状態のまま放置することは多いです。

こうした現状であるため、多くは飲み薬を服用することで血糖値を下げようとします。「病気の症状を抑える」ことが薬の作用であるため、この場合は一生薬を飲み続けなければいけません。

1型糖尿病とは何か

2型糖尿病の患者さんの数は多く、約9割が2型糖尿病です。一方、1型糖尿病の患者さんも存在します。1型糖尿病は少数派であり、2型糖尿病とは病態が大きく異なります。世間一般的な糖尿病とは違い、前述の通り小児や若い人でも罹り、さらには痩せている場合がほとんどです。

糖尿病では、インスリンと呼ばれるホルモンの働きが重要になります。インスリンはすい臓から分泌されますが、1型糖尿病の患者さんではすい臓のインスリン分泌機能が破壊されています。これは、免疫の暴走によって起こります。

免疫は病原菌などから身を守るために重要な機構です。ただ、中には免疫が過剰反応することで自分自身を攻撃し始めることがあります。これを自己免疫疾患といいます。

例えば、花粉症は「本来は無害であるはずの花粉を免疫が攻撃する」ことで生じる疾患です。花粉ではなく、自己免疫疾患では自分の臓器を攻撃してしまいます。

1型糖尿病は自己免疫疾患の一つであり、免疫がすい臓に対して攻撃を仕掛けます。その結果、すい臓からのインスリン分泌機能が破壊されてしまいます。こうして、インスリン分泌不全に陥ります。

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若いころに自己免疫疾患を発症することがあるため、たとえ小児でも糖尿病に罹ることがあるのです。このときの糖尿病が1型糖尿病です。

体に備わっている機能のうち、インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。そのため、インスリンが出ないことで常に高血糖状態に陥ってしまいます。こうして、急激に糖尿病の症状が進行していきます。

2型糖尿病では原因がはっきりしておらず、肥満やストレスなど多くの要因が考えられます。一方、1型糖尿病では「インスリンが足りなくなっている」という明らかな原因があります。そのため1型糖尿病では飲み薬などを使用せず、必ずインスリン注射を行います。

「インスリン不足によって糖尿病を発症しているため、注射によってインスリンを外から補えば良い」という考え方に従って病気を治療します。皮下注射などにより、自分でインスリン注射を行うのです。

インスリンが発見される前では、1型糖尿病を発症するとやせ細っていき、確実に死んでしまう病気でした。しかし現在では、たとえ1型糖尿病を発症しても問題なく生活できるようになっています。現在では、1型糖尿病であっても外食したりケーキを食べたりしても大丈夫です。