自己血糖測定(SMBG)の意義と役割

a80ba4ccec481e15507b7d67397425e5_s

糖尿病は血液中の糖濃度が異常に高くなってしまう病気のことを指します。つまり、正常な人に比べて血糖値が高い状態に陥っています。

高血糖状態を放置しておくと、血管に障害が表れるようになります。人は血管の老化によってさまざまな症状を生じるようになるのです。糖尿病であれば、腎臓の血管障害によって腎症に陥り、網膜の血管障害は失明に繋がります。

そこで、血糖値を下げることでこれらの合併症を防がなければいけません。ただ、普段の血糖値がどれだけ変動しているのかを把握しておく必要があります。そこで重要になるのが自己血糖測定(SMBG)です。

自己血糖測定(SMBG)の意義

糖尿病での自己血糖測定(SMBG)とは、その名の通り自分で血糖値を測定することを指します。SMBGとはSelf Monitoring of Blood Glucoseの頭文字をとった略称です。自己血糖測定の導入により、適切な血糖コントロールが可能になります。

血糖値は時間と共に変化します。例えば、食事をすれば血糖値は高くなり、時間経過と共に下がっていきます。また、運動をすれば血糖値は下がりやすくなるなど、日々の行動や時間によって血糖値が変動することを理解しなければいけません。特に、インスリン注射を用いることで血糖値を管理している人の場合、どのタイミングで血糖値が変動するのかを知らなければいけません。

インスリンの作用が強く表れてしまうと、低血糖状態に陥ることがあります。低血糖は手足のふるえや悪寒などがあり、症状がひどくなると昏睡状態になることもある重篤な副作用です。

血糖値が低いときにインスリン製剤を使用すると、低血糖のリスクが高まります。ただ、血糖値が高いにも関わらず適切な管理をしなければ、高血糖による障害が表れます。そこで、自己血糖測定をすることで血糖値の変動を予め把握しておくのです。

インスリン注射を行っている方の場合、自己血糖測定をすると次のようなメリットがあります。

薬の副作用による低血糖を疑ったとき

血糖値を確認することで、低血糖を予防できる
低血糖の早期発見、早期対応が可能となる

運動時

運動の効果を測定できる
低血糖の有無を判断できる

インスリン注射の前後

インスリンの効果を確認できる
インスリン投与量の調節における判断材料になる

さらにいえば、自己血糖測定はインスリン注射を行っていない方に対しても有効です。つまり、食事や運動、または内服薬による管理をしている方でも効果的だといえます。

この場合、次のような利点が考えられます。

食事の前後

食事が血糖値に与える影響が分かる
間食の影響を測定することができる

運動後

運動による効果が分かる
→モチベーションの維持に繋がる

薬を変更したとき

薬の効果を確かめることができる
薬の服用によって低血糖が起こるかどうかの確認・予防ができる

単に「間食を止めましょう」といわれても、実際には難しいです。ただ、間食をした後に血糖値が急上昇している事実を数値で確認すれば、その現実を認識して間食を止めやすくなります。

これは運動するときであっても同様です。運動を行うとき、血糖値の測定によって効果が数値として表れればどうでしょうか。その数値をさらに改善しようとするなど、モチベーションの維持に繋がります。

薬を変更するときであっても、自分で血糖値を測定すれば、どの程度の効果を得られるのかすぐに判断できます。薬が効きすぎることによる低血糖を回避することにも繋がるため、自己血糖測定は重要なのです。

このように、インスリン製剤を使用している人であってもそうでない人であっても、糖尿病である以上は自己血糖測定(SMBG)が効果的です。これらを有効に用いることができれば、高い意識をもって糖尿病の治療に臨むことができます。