速効型インスリン分泌促進薬の効果と副作用:グルファスト

2e9ac5d84db8caa8d3be100e9842f111_s

糖尿病に罹る人は多く、生活習慣病の中でもメジャーな疾患であるといえます。血糖値が高くなることで、糖尿病を発症します。血液中の糖濃度が高くなること自体はあまり問題ではありませんが、これに伴う合併症が大きな障害を引き起こします。

そこで、糖尿病患者では血糖値を下げようとします。このときに使用される薬として、速効型インスリン分泌促進薬と呼ばれる種類の医薬品があります。速効型インスリン分泌促進薬としては、以下のような医薬品が知られています。

・スターシス、ファスティック(一般名:ナテグリニド)

・グルファスト(一般名:ミチグリニド)

・シュアポスト(一般名:レパグリニド)

速効型インスリン分泌促進薬と糖尿病

糖尿病の治療を行うとき、インスリンの存在が重要になります。なぜなら、私たちの体内に備わっている機構のうち、インスリンが血糖値を下げる唯一のホルモンだからです。

糖尿病患者では、すい臓から分泌されるインスリンが出にくくなっています。または、血液中にインスリンが存在したとしても、インスリンが作用しにくくなっています。その結果、血糖値が上昇してしまいます。

そこで血糖値を下げるためには、インスリンの作用を強めればいいことが分かります。インスリンの効き目が悪くなっているため、薬によってその作用を補おうとするのです。具体的には、薬がすい臓に働きかけてインスリン分泌を促進させます。インスリンの分泌量が多くなれば、それだけ血糖値が下がります。

このように血糖値を下げようとするのは、糖による毒性を防ぐためです。これを糖毒性と呼び、糖毒性によって腎症や網膜症、神経障害などの合併症を発症します。特に、食事をした後は誰でも血糖値が高くなります。ただ、正常な人であるとインスリンの作用によってすぐに血糖値が下がります。

しかし、糖尿病患者ではインスリンの作用が不十分であるため、食後の血糖値が下がりにくくなっています。その結果、食後に異常な高血糖状態に陥ります。これを食後高血糖と呼び、血糖値が異常に高くなることで糖毒性が大きくなります。

そこで食後高血糖を抑えることができれば、糖毒性を抑制できます。そのために薬によってすい臓からインスリンを分泌させます。下の図は、薬を服用することで「インスリン分泌の量が増えた」ことを示しています。

diabetes-aa1

このように、インスリン分泌を促進させることで糖尿病による食後高血糖を改善させる薬が速効型インスリン分泌促進薬です。

速効型インスリン分泌促進薬の特徴と副作用

インスリンを分泌させるとき、その作用が強く表れすぎると低血糖を招きます。低血糖は重篤な副作用の一つであり、異変を感じた場合はすぐに糖を摂取しなければいけません。

こうした薬による低血糖は「常にインスリン分泌を促す薬」を用いると表れやすいです。食事をしていない状態では血糖値が下がっているため、血糖値が低下し過ぎると低血糖に陥ってしまうのです。

そこで、薬の作用時間をできるだけ短くし、食事後の高血糖状態のときだけに作用させることができれば、低血糖の副作用を回避しながら糖毒性を抑制できるようになります。このような考えで創出された医薬品が速効型インスリン分泌促進薬です。

スターシス、ファスティック(一般名:ナテグリニド)、グルファスト(一般名:ミチグリニド)、シュアポスト(一般名:レパグリニド)など、こうした速効型インスリン分泌促進薬を服用するとき、注意点としては「食直前(いただきますの段階)」で飲むことがあります。

速効型インスリン分泌促進薬は食後の高血糖状態を緩和する薬であり、服用後数分で作用が表れることから、食事の直前が最も薬の効果を得ることができるからです。

特殊なタイミングでの服用ですが、薬を飲むのを忘れてしまった場合は服用せず次回から適切に飲むようにします。下手なタイミングで用いると、低血糖に陥ってしまう恐れがあるからです。

ただ、低血糖の副作用を完全に回避できるわけではないため、速効型インスリン分泌促進薬の主な副作用として低血糖が知られています。他には体重増加や浮腫、便秘、腹部膨満が確認されています。

このような特徴によって糖尿病を治療しますが、本来、糖尿病は生活習慣の改善が最も効果が高いです。薬を活用するよりも食事や運動の内容を見直すことが大切です。