太るのは生活習慣だけでなく、遺伝や体質(筋肉量)も関係する

01aa5848f4735c32483a9132ae252822_s

ダイエットは多くの人が興味をもっている分野です。最近は色々なダイエット理論があり、どの方法が効果的なのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

ダイエット理論の多くは、運動と食事の制限を提唱します。しかし、どんなに食事を制限し、運動を行っても痩せない人はいるのではないでしょうか。そのような人は、もしかしたら原因は他にあるのかもしれません。今回はダイエットに関して、運動や食事以外の影響について解説します。

肥満遺伝子

肥満の原因の一つに、肥満遺伝子というものがあります。肥満遺伝子とは、変異が起こることで「肥満を起こす性質」をもつようになる遺伝子をいいます。現在では、5種類の肥満遺伝子が発見されています。

これらの遺伝子に異常があると、インスリンとレプチンというホルモンの産生が障害されます。これらのホルモンは、過剰になると脳で食欲を抑制し、欠乏すると食欲を増進します。つまり、遺伝子異常によってこれらのホルモンの欠乏が生じ、食欲増進が起こった結果、肥満につながるということです。

やせの大食い

世の中には、平気で食事やデザートなどをしっかり食べても太らない人たちがいます。このような人たちの存在を不思議に思ってしまいますが、体では単純なことが起こっています。

それは、食べた食物をすぐに排泄してしまうため、効率的にエネルギーを作りだすことができない状態です。また、エネルギー消費が通常の人よりも活発になっています。そのため、このような人はいくら食べても痩せています。

これらは、遺伝によるものと考えられます。それでは、エネルギー消費に関わる細胞としては、どのようなものがあるのでしょうか。実は、エネルギー産生や脂肪燃焼には脂肪細胞が関わっています。

褐色脂肪組織

脂肪細胞には白色脂肪組織と褐色脂肪組織があります。前者は皮下や内臓周辺にあり、後者は首から肩甲骨周囲にあります。

褐色脂肪組織は体温維持のための熱産生を行います。褐色脂肪組織は脂肪にもかかわらず、脂肪を燃焼してくれるのです。これは、褐色脂肪組織の中にある、UCPとよばれるタンパク質による働きが大きいとされています。特に交感神経系の働きが活発になると、このUCPは活性化されます。

つまり、遺伝によって褐色脂肪組織の活動が活発な人(褐色脂肪組織の数が多い人)は痩せやすい体質ということです。そして、先程も述べたように、褐色脂肪組織は交感神経系の刺激で活性化されるので、運動や寒冷刺激などで交感神経系を刺激することによって、より痩せやすい体になるということです。

筋肉量

筋肉の中には、褐色脂肪組織と同じようにUCPがあるといわれています。これも同じように脂肪燃焼に役立ちます。

人は成人になると、褐色脂肪組織の数は大きく減ります。ただ、骨格筋は人の体重の約40%を占めています。そのため、どちらかというと「生まれつき褐色脂肪組織の多い少ない」というよりも、単純に筋肉量の多い人が痩せやすいのではないかといわれています。

以上のように、脂肪の燃焼には、食事や運動の他に遺伝や筋肉量も大きく関係します。つまり、どんなに食事や運動を頑張っても、遺伝的に肥満遺伝子を持っていたり、筋肉の絶対量が少なかったりすると、痩せにくいということになります。

筋肉の絶対量に関しては、食事の影響もあるため、食事の制限もこの筋肉量との関係を考えながら実践していく必要があります。