睡眠時間が短く寝不足だと、肥満になって痩せにくい

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現代社会、特に日本人は仕事熱心なこともあり、睡眠時間が足りていない人が多いと言われています。実は「睡眠時間が肥満と関係している」ということを知っている人がどれだけいるでしょうか。

「食事を制限し、運動も行なっているのに痩せない」という人は多いです。今回は、あまり知られていない睡眠と肥満の関係について述べたいと思います。

睡眠の質を考える

まず、一般的に人間に必要と言われている睡眠時間はどれくらいだと思うでしょうか。睡眠というものは性別、文化、年齢など多様性があります。しかし、一般的には7時間半程度の睡眠が必要といわれています。

では実際に日本人の平均睡眠時間はどれくらいでしょうか。2008年の調査ですが、平均6時間半とされています。さらに大学生になると6時間10分程度とされています。これは世界でもトップクラスの短さです。

この睡眠時間の短さがどのように肥満と繋がっているのでしょうか。まず、睡眠と肥満に関係してくる3つのホルモンを紹介します。

1つ目はレプチンというホルモンです。レプチンは脂肪細胞で作られ、食欲を抑制し、エネルギーの消費を促します。つまり痩せる作用があるホルモンです。

2つ目にレプチンと相反する作用をもつ、グレリンというホルモンです。このグレリンは胃で作られます。グレリンは空腹時に多く作られ、食欲を促進します。また、グレリンを投与すると体重が増加すると言われています。つまり、太らせる作用があるホルモンです。

3つ目にオレキシンというホルモンです。オレキシンは食欲の促進、運動量の増加など人の覚醒・興奮に関与するといわれています。

これら3つのホルモンは相互に影響し、バランスを保っています。そして、寝不足はこれらのホルモンに大きな影響を与えます。

寝不足とホルモンの関係

睡眠時間が短くなることで寝不足に陥るとレプチン(痩せホルモン)の分泌が低下し、グレリン(太らせホルモン)の分泌が促進されます。また、このときはグレリンの分泌増加により、オレキシンの分泌も増加することがわかっています。

つまり、寝不足によりレプチンの作用(食欲抑制、エネルギー消費)が弱くなり、グレリンの作用(食欲亢進)が強くなってしまいます。その結果として太りやすい体になってしまうのです。

さらにオレキシン(興奮ホルモン)の分泌も促進されるため、眠気もなくなります。きっかけは睡眠不足だったのに、オレキシンの分泌が起こることによってさらに眠気がなくなり、食欲が増してくるという負の連鎖状態になってしまうのです。

もちろん、食欲が増して、食事を行うことにより血糖値が上昇すればオレキシンの分泌は抑制されます。このときに眠気が生じ、その眠気に従って眠れば先ほどの負の連鎖は解消されます。しかし、ここで眠気に逆らうと、肥満につながる負の連鎖に入ってしまうのです。

ここまでをまとめると、以下のようになります。

通常では、「① 睡眠不足 → ② レプチン(痩せホルモン)の低下、グレリン(太らせホルモン)の増加 → ③オレキシン(興奮ホルモン)の増加 → ④ 覚醒、食欲増進」となります。ただ、その後は「⑤ オレキシンの低下 → ⑥ 眠気 → ⑦ 睡眠」となり、負の連鎖には入りません。

このときに「⑥の眠気」を我慢するとします。すると、「睡眠不足 → レプチンの低下、グレリンの増加 → オレキシンの増加 → 覚醒、食欲増進 → オレキシンの低下→ 眠らない → 睡眠不足 → レプチンの分泌……」と負の連鎖に入ってしまいます。

このような理由から、睡眠不足が肥満と密接に関わっているのです。食事や運動に気をつけているにも関わらず、なかなか痩せない場合は睡眠時間が足りているかどうかを考えてみてください。

ちなみに、時間医学では夜遅くの食事は脂肪の合成や血糖値の上昇を起こしやすいと言われています。このような点からも、睡眠不足は肥満に繋がっていると考えられます。