ダイエットにきつい運動は必要なく、軽い負荷とタイミングが重要

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ダイエットに対して、食事制限やハードな運動などつらいイメージをもっている方がほとんどではないでしょうか。食べたいものを我慢し、疲れていても無理に運動をしなければならないと考えている人は多いものです。しかし、本当にそれで痩せるのでしょうか。

理学療法の観点からいうと、必ずしもそうではありません。体の仕組みを考えたときに、現在のカロリー制限やきつい運動というのは効率的ではないのです。今回はこのことについて説明していきます。

食事制限は必要なのか

まず食事制限です。食事制限に関しては、摂取カロリーと消費カロリーの引き算で考えることが今の主流となっています。また、それぞれの栄養素がもつエネルギー量から、脂肪の摂取は太りやすいと考えられています。

つまり、減量においては、カロリー量の高い脂肪を減らし、総摂取カロリーを減らすことが大事とされています。

そこで考えなくてはいけないことは、「人間の体はそんなに単純なものなのか」「摂取した脂肪はそのまま中性脂肪に変わるのか」「そもそも、人間の体とって脂肪の摂取量を減らすことはどのような影響を及ぼすのか」ということです。ここでは、以上のことを中心に説明していきたいと思います。

エネルギーが生まれる過程を理解する

人間のエネルギー供給過程には主に2つのエネルギー産生回路が関与しています。それは糖質回路と脂質回路です。この2つは字のごとく、糖質を原料にエネルギーを産生する過程と、脂質を原料にエネルギーを産生する過程になります。

この2つのうち、人間にとって効率の良い方はどちらだと思いますか。おそらく多くの人が糖質を原料にする方が、効率が良いと考えているのではないでしょうか。

しかし、実は人間にとって効率の良いのは脂質を原料にエネルギーを産生する方なのです。そして、ダイエットに関しても同様で、生活において脂質代謝をより多く使った方が効率的なのです。

そのため、ダイエットに必要な運動とは「脂質代謝をより多く使うような運動」だといえます。脂質回路の特徴としては、以下のようなものがあります。

・血糖値が高い間はエネルギー産生に糖質回路が優先されるので、脂質回路は使用されない
・強度の高くない(きつくない)運動、有酸素運動で脂質が優先的に使われる
・30分程度の運動で働きやすくなる

また、糖質回路の特徴を以下に述べます。

・血糖値の上昇はインスリンの分泌を促す
・インスリンは脂肪をため込む作用がある
・一般的な食事による血糖値の上昇は4時間程続く
・食直後の運動は血糖値の上昇を抑える

以上のことから、脂質代謝をより多く使うような運動とは、次のようにまとめることができます。

・血糖値を上昇させないために、糖質を制限する
※糖質制限できなかった場合は食直後に軽い運動を行う
・負荷の軽い運動を30分程度行う

ちなみに、タンパク質の摂取はダイエットの味方といわれています。その理由は、以下のようなものがあります。

・筋肉を作るためにタンパク質が必要で、基礎代謝の向上につながる
・脂肪分解を促進するホルモン(グルカゴン)の分泌が促される
・タンパク質の分解、吸収によるエネルギー消費量が高い(特異的動的作用)

結局のところ、ダイエットのために必要な運動というのは、「糖質を制限し、タンパク質量を増やす食事」と繋がっているのです。その前提のもとで、食直後の軽い運動と負荷の軽い30分程度の運動ということが脂肪燃焼のためのポイントとなります。

つまり、ダイエットに必要なものはハードな運動ではなく、適切なタイミングと軽い負荷ということになります。