母乳育児は腸内細菌を育て、アレルギーを予防する

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アレルギーは、多くの子供が悩まされている問題です。そして、アレルギーを持つ子供の親は、どうにかして子供のアレルギーを治そうと努力します。

そのため、いくつもの病院を受診したり、さまざまな薬やサプリメントなどを試したりします。しかし、そうした対応の多くは、アレルギーを改善させることにつながりません。逆に、自己判断による対処法は、アレルギーを悪化させることがあります。

またアレルギーは、発症した後に治療するよりも、発症前に予防する方が簡単です。そして、子供のアレルギー発症を予防する効果的な方法の1つに「母乳育児」があります。

母乳には、多くの栄養素が含まれており、子供の健康を守る役割があります。特に、母乳に含まれる成分の多くは、腸の働きを活発にします。その結果、腸による免疫機能が高まり、アレルギーを発症しにくくなります。

そのため、子育ては基本的に母乳で行うことをお勧めします。たったそれだけの工夫で、子供のアレルギーを予防することができます。

そこで今回は、「母乳育児と腸内細菌、アレルギーの関係性」について解説します。

母乳と腸内細菌、免疫の関係性

赤ちゃんは生まれるまで、お腹の中という無菌状態の環境で生活しています。そして、出産によってこの世に生まれ出た瞬間、さまざまな細菌にさらされることになります。

赤ちゃんが最初に出会う細菌は、母親の産道や肛門周囲に存在している大腸菌などの細菌類です。赤ちゃんは、こうしたさまざまな細菌に触れながら、母親のお腹から出てきます。

お腹の中で無菌状態にいる赤ちゃんのお腹には、当然ながら細菌は存在しません。

出産時や出産後に、さまざまな細菌と触れ合うことで、赤ちゃんのお腹の中にも、自然と「腸内細菌」と呼ばれる細菌類が生息するようになります。腸内細菌とは、腸内に存在する細菌のことで、腸の働きに大きく影響を与えます。

具体的には、腸内細菌が元気な状態であれば、腸は栄養の吸収や免疫機能といった役割を十分に果たします。その一方で、腸内細菌の活動が悪くなると、食べた栄養は十分に吸収できず、免疫機能も低くなってしまいます。その結果、体は病気にかかりやすくなります。

このように、体の健康にとって欠かせない腸内細菌は、出産や出産後に細菌に触れたり、細菌を口に入れたりすることでお腹の中に生息するようになります。

そして、母乳には腸内細菌が育つための栄養が多く含まれています。そのため、母乳を飲むことで自然と腸内細菌の活動は活発になります。そこで、母乳に含まれており、腸内細菌に良い影響を与える成分の例を以下にまとめます。

・オリゴ糖:「ビフィズス菌(善玉菌と呼ばれる腸内環境を整える菌)」の餌となり、腸内環境を整える

・ラクトペルオキシダーゼ:腸の中で有害な菌を除去する

・ラクトフェリン:腸内の有害な細菌の増殖を防ぐ

・分泌型IgA:有害な細菌の感染を防ぐ

母乳には、このように赤ちゃんの腸内細菌を育てる成分が多く含まれており、腸内環境を良くする役割があります。母乳によって腸内環境が整うことで、腸の免疫機能が十分に発揮されるようになり、病気にかかりにくい子供に育てることができます。

母乳育児はアレルギーを予防する

母乳には、腸内細菌によって栄養となるものが豊富に含まれています。そのため、母乳で育てることで、子供の腸内環境は良好なものになり、免疫機能が高くなります。

そして実際に、母乳育児を行うことで、子供のアレルギー発症を予防できることが明らかになっています

アレルギーというと、遺伝的な要因が大きい病気として知られています。両親がアレルギーであれば、その子供は70パーセントの確率でアレルギーを発症します。また、片親がアレルギーであれば、30パーセントの確率で遺伝します。

ただ、遺伝的な要因が強いといわれるアレルギーでも、母乳育児を行うことで発症を予防できます。

昔と比較して子供にアレルギー疾患が多くなっているのには、母乳育児をする人が少なくなってきていることが大きく影響しています。共働きで早くから保育園に預けたり、母親の母乳が出にくいために粉ミルクで育てたりと、事情は人それぞれですが、母乳育児をする人は減ってきています。また、そのことに合わせて離乳食の低年齢化も進んでいます。

そして、そうした子育ての変化に伴って、アレルギー疾患を発症する子供も増えてきています。これは、母乳を飲まないことで腸内環境が悪くなり、子供の免疫機能が低下していることが影響していると考えられます。

こうしたことを防ぐ最も簡単で効果的な方法は、母乳育児を行うことです。そうすることで、子供の腸内環境は自然と整い、アレルギーなどの病気になりにくい体になります。

このように、母乳育児にはアレルギーを初めとした子供の病気を防ぐ役割があります。

今回述べたように、母乳には子供の腸内環境を整える成分が多く含まれています。そのため、母乳育児を行うことは、子供の腸内細菌を活発にして、アレルギー疾患などの病気の発症を防ぐことにつながります。

母乳と腸内細菌、アレルギーには、このような関係性があることを理解しておいてください。