がんと乳酸菌の関係性:胃がん、大腸がん

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がんは、日本人の死因として最も多い病気です。日本においては、2人に1人以上が、がんを発症していることが明らかになっています。

そうしたがんに対する治療法としては、主に抗がん剤、放射線治療、手術の3つが行われています。ただ、これらの治療法は、発症したがんを一時的に除去したり、小さくしたりすることはできるものの、完治にいたるケースは稀です。

そのため、がんによる死を防ぐためには、がんを予防することが重要になります。がんに限ったことではありませんが、発症してから治療するよりも事前に防ぐことの方が安易です。

そして、がんの中でも胃がんと大腸がんの発症を予防する効果があるものとして、「乳酸菌」が知られています。乳酸菌を積極的に摂取することで、胃がんと大腸がんの発症率が下がることが明らかになっています。

そこで今回は、「がんと乳酸菌の関係性」について解説します。

胃がんと乳酸菌の関係性

胃がんは、がんの中でも日本人の死因となりやすいものです。それは、日本人に胃がんの原因となる「ピロリ菌」に感染している人が多いことが理由として挙げられます。

日本では、約半数以上の人がピロリ菌に感染しているとされています。さらに、50歳以上になると、その感染率は70パーセントにも上るといわれています。

そうしたピロリ菌ですが、感染すると必ず胃がんが発症するわけではありません。実際に、ピロリ菌感染者における胃がんの発症率はかなり低いものです。そのため、かつては「ピロリ菌の除去は胃がんを予防しない」とされていました。

しかし、さまざまな研究の結果、ピロリ菌を除去することが胃がんの発症率を下げることが明らかとなりました。そして現在では、「胃がんを予防するためにはピロリ菌の除菌を行うべき」ということが通説になっています。

ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌によって胃の内側の壁が攻撃されて弱くなります。その結果、胃壁は強い酸性である胃酸の影響を受けやすくなるため、壊れやすくなり、どんどん壁が薄くなってしまいます。その結果、胃がんを発症しやすくなってしまいます。

実際にピロリ菌の感染者は、非感染者と比較すると、胃がんの発生率が5倍以上高くなることが明らかになっています。

こうしたことから、胃がんを予防するためには、いかにピロリ菌の除菌を適切に行うかが重要だといえます。

そして、乳酸菌には、ピロリ菌の除菌効果を高める作用があります。基本的には、ピロリ菌は病院で抗生剤を使って除菌しますが、乳酸菌にもピロリ菌を減らす働きがあります。

また、そうした乳酸菌の特徴を生かして、抗生剤と併用することで、さらに効果的にピロリ菌の除菌を行えるようになります。

このように、乳酸菌には、ピロリ菌の除菌を助ける働きがあります。そうした乳酸菌の機能を生かすことで、より効率的に胃がんの発症を防ぐことができるようになります。

大腸がんと乳酸菌の関係性

乳酸菌は、ピロリ菌の発生を抑えることで胃がんの発症を予防します。また、乳酸菌には、胃がんだけでなく大腸がんに対する予防効果があることがわかっています。

大腸がんは、日本人の死因として上位を占めるものです。日本人の死因として、がんは年々増え続けています。そしてその中でも、大腸がんによる死亡者数の増加率は非常に高いものです。

大腸がんは、腸内環境の悪化が原因で発症することがほとんどです。腸内環境とは、腸内に生息する腸内細菌のバランスのことをいいます。腸内細菌には、体にとって良い働きをする善玉菌と、逆に悪影響を与える悪玉菌があります。

そして、こうした善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れて悪玉菌が優位な状態になると、腸内環境は悪くなります。

悪玉菌は、腸内に入った肉を分解することで「ニトロソアミン」と呼ばれる発がん性物質を作ります。また、脂肪を分解するための「胆汁」と呼ばれる液体を酸化させて、「二次胆汁酸」に変化させます。この二次胆汁酸も、がんの発症を促進することで知られています。

このように、腸内で悪玉菌が多くなり腸内環境が悪くなると、発がん性物質が発生しやすい状態になります

乳酸菌は善玉菌の一種であり、腸内環境の悪化を防ぐ役割があります。そのため、乳酸菌が多く含まれているヨーグルトなどの発酵食品を積極的に摂取することで、自然と腸内に生息する悪玉菌は少なくなります。

その結果、腸内による発がん性物質の発生が抑えられるため、大腸がんを予防することができます。

このように、善玉菌である乳酸菌は、腸内環境を整えることで大腸がんの発症リスクを低くします。

今回述べたように、乳酸菌には、胃がんと大腸がんを予防する効果があります。がんは、発症した後に治療しても完治させることが難しいです。そのため、日ごろから乳酸菌を多く含む食品を摂取することで、発症を防ぐことが大切です。