がんと腸内細菌の関係性:腸内環境を整えてがんを予防する

腸が体の健康に大きく影響していることは、多くの人が知っていることです。腸内環境が良好であれば、さまざまな病気にかかりにくくなります。

腸内環境というと、便秘や下痢などの病気に影響していることは誰もが想像できることです。ただ、腸内環境が原因で起こる問題は、そうした腸に関係する疾患だけではありません。

腸内環境の悪化が引き起こす病気の中でも、がんは大きな問題となるものです。日本人の死因で最も多いとされるがんにも、腸内環境が影響しています。

つまり、腸内環境を整えることは、最終的にがんを予防することにつながるといえます。

そこで今回は、「がんと腸内環境(腸内細菌)の関係性」について解説します。

がんと腸内細菌の関係性

がんというと、何か特別に悪い病気のように考えている人が多いと思います。しかし実際には、どんなに健康な人であっても、体内では毎日3000~5000個ものガン細胞が作られています。

体の細胞は全部で約60兆個存在しますが、そのうち約2パーセントの細胞が新陳代謝によって新しく生まれ変わっています。

そうした新陳代謝の中で、全てが正常な細胞として生まれ変われるわけではありません。そして、その中で設計ミスが起こり異常な細胞として作られた細胞がガンの元となります。

ただ基本的には、そうした正常から逸脱した細胞は、体内に存在する「免疫細胞」によって監視されています。免疫細胞が、ミスコピーでできたガンの元となる異常な細胞を見つけて除去しています。

こうしたガンの元となる異常な細胞を監視し、排除する役割を担っている免疫細胞は、そのほとんどが腸内に存在します。

そして、腸の働きを決めているのは腸内に生息する「腸内細菌」です。そのため、腸内細菌の活動が悪くなると、結果的に免疫細胞による免疫機能が低下してガン細胞が増えることになります。

実際に、日本ではガンを発症する人が年々増えています。この原因として、「日本における食の欧米化が関係している」ことが明らかになっています。

かつての日本で主となっていた和食ではなく、いまでは肉や油の多い欧米食が流行しています。そして、そうした食事の変化に伴って日本人の腸内環境は悪化しています。そのことが、最終的に日本人のガン患者を増やしていると考えられます。

このように腸内細菌は、免疫細胞の活動を左右して、結果的にガンの発症に影響していることを知っておいてください。

腸内細菌を整えてがんを予防する方法

腸内環境の悪化は、免疫細胞の活動を抑制するため、体内でガン細胞の増殖を引き起こすことにつながります。そのため、ガンを予防するために、腸内環境を整えることは重要です。

そして、腸内環境を整えるためには、特に難しい知識などは必要ありません。一般的に健康だといわれていることを行うだけで、自然と腸内環境は良好となり、ガン細胞が増殖しにくい腸内環境を作ることができます。

具体的には、「規則正しい生活」と「楽観的で前向きな気持ちを持つこと」の2つを意識すれば、腸内環境は崩れにくくなります。

規則正しい生活

規則正しい生活とは、特に起床と就寝のリズムを指します。ガン細胞を攻撃してくれる免疫細胞の中でも、「NK(ナチュラルキラー)細胞」と呼ばれる細胞は、中心的な役割を担っています。

そうしたNK細胞の働きを強くするためには、早寝早起きの実践が欠かせないことがわかっています

NK細胞は、朝の9時と夕方の5時に活動が高まります。そして、夜の9時を過ぎると、どんどん働きが弱くなることが明らかになっています。

こうしたNK細胞の活動に合わせることで、NK細胞の働きは強くなります。こうした理由から、「朝早く起きて夜も早く寝る」という規則正しい生活が、ガンを予防することにつながります。

楽観的で前向きな気持ちを持つ

ガン細胞を攻撃するNK細胞ですが、精神面の影響を大きく受けることがわかっています。

「ガンを治すためにはお笑いをみると良い」というのを聞いたことがあるのではないでしょうか。これは、笑うことによってNK細胞の活動が活性化するためです。

逆に、落ち込んだりストレスを感じたりしていると、NK細胞の活動は弱くなります。

つまり、楽観的で前向きな気持ちを持って生活していると、自然とNK細胞の働きが活性化されてガンを予防することにつながります

また精神的なストレスは、腸の運動を支配している「自律神経」に悪影響を与えます。そのため、ストレスが加わったり、ネガティブなことを考えたりしていると、自律神経の活動が悪くなり、腸の動きが少なくなります。

その結果、腸内に便が溜まってしまい、腸内環境が悪化します。

このように、ポジティブな思考を持つことは、2重の意味でガンを予防することを知っておいてください。

今回述べたように、腸内環境はガンの発症に大きく影響しています。そして、規則正しい生活をして、楽観的な気持ちを持つことは、腸内環境を良好にして、最終的にガンを予防することにつながります。

こうした腸内環境とガンの関係性を知ることで、ガンを予防するために生活で意識すべきことが明らかになり、それを実践できるようになります。