腸内環境と運動の関係:腸内細菌を整える運動とは

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腸内環境を整えることが、体の健康に大切なことは一般的に知られています。そして、腸内環境に食生活が影響を及ぼすことは、多くの人が認識しています。

確かに、食事は直接的に腸内へ影響を与えることになります。ただ、腸内環境を整える要因は、食生活だけではありません。特に運動は、腸内環境を変化させる大きな因子です。

しかし、運動を行うにしても、過剰な運動は禁物です。ハードな運動は、腸内環境を整えるどころか腸内環境を悪化させます。その一方で、適度な運動は腸の運動を促し、それによって腸内環境を良好にします。

このように、腸内環境を整えるためには、腸が喜ぶような適度な運動をすることが大切だといえます。

そこで今回は、「腸内環境と運動の関係」について解説します。

腸内環境を整える運動

腸内環境を良好にするためには、食生活を整えることが欠かせません。腸内に生息する善玉菌が増えるような食品を多く摂ると腸内環境は良くなり、逆に悪玉菌が好むような栄養素をたくさん摂ると腸内環境は悪化します。

ただ、いくら食事に気をつけて善玉菌が好むような栄養素を摂り入れても、それだけでは腸内環境を整えることはできません。

そして、そうした食事以外で腸内環境に大きな影響を与えるものとして、「運動」が挙げられます。適度な運動を行うことは、腸内環境を整えることに欠かせない要因になります。

腸内環境が悪くなる大きな原因の1つに、腸の運動不足があります。腸内に溜まった便は、腸が「蠕動運動(ぜんどううんどう)」と呼ばれる小刻みな動きを行うことで、肛門に向かって移動して排便されます。そのため、こうした蠕動運動が無くなると、便は排泄されず便秘になります。

便秘の状態では、腸内に長時間滞在した便が悪玉菌を大量に作り出し、腸内環境を悪化させます。

腸の運動は、神経の中でも、意識することなく運動をコントロールする「自律神経」によって調整されています。つまり、自律神経の活動が正常であると、腸はしっかりと動くため便秘になることはありません。

そして、自律神経のバランスを整えるためには、有酸素運動を行うことが有効になります。ウォーキングやジョギングといった、長時間続けることができるような有酸素運動は、自律神経の働きを良好にする効果があります。

そのため、こうした有酸素運動を行うことは、結果的に腸内環境を整えることにつながります。

具体的には、20~30分程度の運動を週に2~3回行うようにしてください。有酸素運動のポイントは、「疲れない」「苦ではない」運動強度や頻度であることが大切です。

むしろ、運動することで「気持ちが良い」と感じるようなレベルの運動を行うことが大切です。

また腸の運動は、体(特に腸がある腹部)を捻ったり、腹筋に力を入れたりするといった、外部からの刺激でも促されます。つまり、体を捻るようなストレッチや、しっかり手を振るウォーキングなどは、外から腸に刺激を与えることで、腸の運動を促進することになります。

このように、有酸素運動や腸に刺激を加えるような運動は腸の運動を促し、最終的に腸内環境を整える運動になります。

腸内環境を悪化させる運動

ウォーキングやジョギング、体を捻るようなストレッチは、自律神経を整えたり腸に刺激を加えたりすることで、腸の運動を促します。そして、腸の動きが良くなることで、結果的に腸内環境は良好になります。

その一方で、こうした適度な運動ではなく、過度に疲れるような運動は腸内環境を悪化させます。

既に述べたように、腸の運動は自律神経によってコントロールされています。そして息を止めて行うような運動や、過度な時間行う運動をすると、自律神経は活動が乱れてしまいます。

例えば、5回程度しか持ち上げられないような重い負荷をかけた運動や、42.195キロのマラソンなどは自律神経の活動を乱すことになります。

その他にも、仕事が終わった後にジムへ通って運動することは、腸内環境を悪化させます。正常に自律神経を活動させるため、夜は体が落ち着いている状態でなければいけません。そうでなければ、夜に眠ることができず自律神経の働きが乱れてしまいます。

また日本では、小さな頃から激しいスポーツを行わせることが多いですが、そうした教育は自律神経の正常な発達を妨げ、子どもの腸内環境を悪くします。そうした腸内環境の悪化が、10代や20代という若い年代での、さまざまな不調につながります。

このように、一言で運動といっても、ハードな運動は自律神経の活動を乱し、腸内環境を悪化させるということを知っておいてください。

今回述べたように、腸内環境を整えるためには、食事だけでなく運動を行うことが大切です。ただ、有酸素運動などの適度な運動は腸内環境を良好にしますが、ハードな運動は腸内環境を悪くすることになります。

そのため、腸内環境を整えるためには、週に2~3回程度の有酸素運動を行うことが大切です。特に、子どもの頃のハードな運動は、その後の健康に大きな影響を及ぼすため注意が必要です。