腸内細菌の個性を作る要素:腸内環境は人それぞれ異なる

kosei

腸内環境がさまざまな病気の発症に関係していることは、多くの人が知っています。そして、体の健康を維持するために腸の状態を整えておくことが大切であることも、一般的に認識されています。

体の健康に関わる腸内環境を作っているのは、腸内に生息する「腸内細菌」です。腸内細菌のバランスや活動性などによって、腸内環境は決まります。

そして、人の性格がそれぞれ異なるように、腸内細菌のバランスにも個性があります。つまり、同じ性別で同年代の人であっても、腸内環境は1人ひとり違っています。そうした腸内細菌の相違は、いくつかの要因によって作られます。

そのため、個人個人における腸内細菌の違いを作り出す要因を知っておくことは、腸内環境を整えるヒントになります。

そこで今回は、「腸内細菌の個性を作る要素」について解説します。

腸内環境を作る因子

腸内環境は、食べ物の消化吸収はもちろんのこと、体の免疫機能などにも影響を与えます。

例えば、腸内環境が悪化している状態であると、体を動かすエネルギーを効率的に作り出すことができません。また、体内に蓄積された老廃物を排泄するのは腸の役割であるため、腸内環境が良くないと、体内には不必要な物質が溜まることになります。

そうしたことが便秘や肌荒れなどの不調を引き起こすことにつながります。

このように、さまざまな体の状態に影響する腸内環境は、腸内に生息している「腸内細菌」によって作られています。腸内細菌のバランスが整っており、なおかつ活動が活発であると腸内環境は良好になります。

そして、こうした腸内細菌のバランスや活動性に影響する因子としては、主に「出産方法」と「生活環境」「食生活」の3つに分類されます。これらの要因が重なることで、人それぞれ異なった腸内環境が作られることになります。

そこで、以下に腸内環境に影響するそれぞれの因子について解説します。

出産方法

人間は、母親のお腹から生まれるまでは、胎内という無菌状態の中で生活しています。そのため、当然ながら胎児の腸には腸内細菌が生息していません。

腸内細菌は、出産後に体がさまざまな菌と触れて、初めて赤ちゃんの腸内に入り込みます。

産道には、さまざまな細菌が存在しています。そのため、出産方法が通常分娩か帝王切開であるかによって、最初に棲みつく腸内細菌は異なります。

実際にある研究では、「産院ごとに赤ちゃんの腸内細菌が異なっている」ということが明らかになっています。これは、出産方法はもちろんのこと、その産院で使われている道具や助産師が持つ細菌なども、赤ちゃんの腸内環境に影響している可能性があるといえます。

このように出産方法は、その人が持つ腸内細菌に大きく影響します。

生活環境

胎内から生まれた後に生活する環境からも、腸内細菌は大きく影響を受けます。

例えば、あまりに清潔を意識しすぎて、除菌剤や抗菌剤などを過剰に使いすぎているような家庭では、腸内細菌もその影響を受けてしまいます。こうした潔癖な生活をしていると、腸内細菌自体が少なくなります。

また、すでに腸内に生息している腸内細菌も弱くなるため、腸内環境は悪くなります。

このように、あまりに不潔な環境は問題ですが、逆に過剰な清潔も腸内環境を弱めることにつながります。

食生活

当然ながら、腸内には食事で摂ったものが入ります。そのため、食べ物が腸内細菌に大きく影響することは想像できると思います。

例えば、食物繊維や乳酸菌など、腸内細菌が好むような食事は、腸内細菌を増やすことにつながり、腸内環境を整えます。その一方で、高脂質で高糖質のような食生活は、腸内細菌を弱らせてしまうため、腸内環境を悪化させます。

また、加工食品などを食べすぎることも、腸内環境を悪くします。

このように、あなたが普段食べている食事は、腸内環境を大きく左右する因子になります。

今回述べたように、腸内細菌は人それぞれ異なっており、性格のように個性があります。そして、そうした腸内細菌の違いを主に作っているのは、「出産方法」と「生活環境」「食生活」の3つです。

そのため、これらについて腸内環境を整える方法を学び実践することで、腸内環境を良好にすることができます。