乳酸菌と内科疾患の関係性:高血糖、高血圧

nyusankin

乳酸菌は、腸内環境を整える菌(善玉菌)として広く知られています。ヨーグルトやキムチ、漬け物といった発酵食品に多く含まれており、これらの食品から積極的に乳酸菌を摂取することで、腸内細菌のバランスが整います。

そして腸内環境は、さまざまな病気に関係していることがわかっています。そのため、腸内細菌のバランスを整えて腸内環境を良好に保つことは、健康を維持していく上で欠かせません。

そうした中で、乳酸菌には内科的な問題となりやすい、血糖値と血圧の上昇を予防する効果があることが明らかになっています。

高血糖と高血圧は、共に「サイレントキラー」と呼ばれ、病態が進行するまで無症状である病気です。そのため、「体の不調が出現して病気に気付いたときには、かなり深刻な状態になっている」ということが多々あります。

そうしたことを避けるためにも、乳酸菌が血糖値、血圧に与える影響を理解して実践することで、高血糖と高血圧を予防することが大切です。

そこで今回は、「乳酸菌と高血糖、高血圧の関係性」について解説します。

乳酸菌と高血糖の関係性

高血糖とは、血液中に糖分が多く存在する状態を指します。通常、糖質が含まれる食品を食べると、その糖は腸から血液中に吸収されます。その結果、血液中の糖分量が多くなって血糖値が上昇します。

こうした高血糖の状態は、血糖値が上がったからといって、すぐに何かしらの不調が出現するわけではありません。ただ、血糖値が高い状態を維持したり繰り返し招いたりすると、体に対してさまざまな悪影響を及ぼすことになります。

例えば、高血糖は血管を傷つけて動脈硬化(血管が硬くなった状態)を進行させます。また、血糖値が大きく変動すると、それに伴って気分も上下することにつながり、精神的な不安定状態を引き起こします。

このように、高血糖の状態は、体にとって多くの悪影響を与えることになります。

そして、こうした血糖値の上昇は、糖質の吸収されるスピードに大きく左右されます。例えば、砂糖は体内へ取り込まれるスピードが速いため、血糖値を急激に上げることになります。

それに対して、同じように砂糖を使ったお菓子でも、全粒粉の小麦粉を使った商品であれば吸収するスピードは遅くなります。これは、全粒粉に食物繊維が豊富に含まれていることが関係しています。

消化することができない食物繊維は、糖質と一緒に腸内に入ると、糖質の吸収を阻害する働きをします。そのため、同じように糖質を含む食品であっても、食物繊維を同時に摂取することで、糖質の体内への取り込みスピードを遅くすることができます。

乳酸菌は、こうした食物繊維と同じような働きをします。

乳酸菌には、「多糖類(たとうるい)」と呼ばれる、成分を作り出す役割があります。ヨーグルトなどがネバネバしているのは、こうした多糖類が含まれているためです。

そして、乳酸菌によって作られた多糖類は、人間の腸内では吸収することができません。そのため多糖類には、食物繊維と同じように糖質の吸収を妨げる作用があります。その結果、血糖値の急激な上昇を防ぎます。

このように、乳酸菌には、血糖値の上昇を抑える効果があることを知っておいてください。

乳酸菌と高血圧の関係性

乳酸菌は、人間の腸内で消化できない多糖類を作り出すことで、急激な血糖値の上昇を抑える効果があります。そして、そのことは結果的に高血糖状態による動脈硬化を防ぐことになるため、高血圧を予防することにもつながります。

また、乳酸菌が作り出す「ラクトトリペプチド」という物質が、高血圧の予防に関係していることが明らかになっています。

ラクトトリペプチドとは、「カゼイン」と呼ばれる、牛乳に含まれるたんぱく質を分解して作られるものです。乳酸菌は、このようにカゼインに作用して、ラクトトリペプチドを作り出します。

そして、ラクトトリペプチドには、血管を収縮させて血圧を上げる作用を持つ「ACE」と呼ばれる酵素の働きを阻害する役割があります。そのため、ラクトトリペプチドを摂取することで、血管を柔らかく弾力性がある状態にすることができます。

このように、乳酸菌には、血管を柔らかくすることで血圧の上昇を防ぐ役割があります。

今回述べたように、乳酸菌には高血糖や高血圧などの内科的な問題を防ぐ作用があります。そのため、ヨーグルトやキムチなどの乳酸菌を多く含む食品を積極的に摂取することで、糖尿病や高血圧を予防することができます。