腸がセカンドブレイン(第二の脳)と呼ばれる理由

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体の健康について考えるとき、「腸」の働きは欠かせないものです。

一般的に、腸というと「食べ物を消化・吸収する」「便を形成する」といった役割が知られています。このように、腸が食事や排泄などに関係することを考えるだけでも、人にとって腸の働きが大切なことは理解できます。

ただ、腸が体の健康に欠かせないといわれる理由は、それだけではありません。腸は、「セカンドブレイン(第二の脳)」とも呼ばれるように、脳と同じくらい大事な役割を持っているとされています。脳が人間にとって必要不可欠なことは誰でも知っています。そうした脳と等しいくらい重要といわれているのが腸です。

そして、腸がセカンドブレインと呼ばれる理由を知ることで、「人にとって腸がどれほど重要か」ということを理解できるようになります。そこで今回は、「腸がセカンドブレイン(第二の脳)と呼ばれる理由」について解説します。

腸には神経が無数にある

人間の体は、無数の神経が存在し、それらが協調して働くことで活動することができます。例えば、あなたが携帯電話を動かすときや、字を書くときの動作は、神経を介して筋肉に指令が伝わっているために起こることです。また、将来について考えたり、過去のことを思い出したりするのも、脳にある神経が活動することで可能になります。

つまり、もし人間の体に神経が無かったら、体を動かすことも物事を考えることもできなくなります。そうした神経は、主に脳や脊髄に集中して存在します。脊髄とは、背骨の中に存在する神経の集まりであり、脳から手足の筋肉まで神経が伸びる中継地点の役割を果たしています。

また脳や脊髄は、神経の中でも「中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)」と呼ばれます。それに対して、脊髄から手足まで伸びる神経は、「末梢神経系(まっしょうしんけいけい)」といわれます。

人の体は、中枢神経と末梢神経が適切に働くことで、手足を思い通りに動かしたり、物事について考えたりすることができます。

そして、中枢神経である脳と脊髄には、無数の神経細胞が集まっています。具体的には、脳には数千億個、脊髄には数億個の神経細胞が存在するとされています。中枢神経は、複雑な情報処理を行うため、それほど神経細胞が必要だということです。

そうした中で、脳と脊髄に匹敵するほど神経細胞が密に存在している場所があります。それが、腹部に位置する腸です。

腸には、約1億個の神経細胞があることがわかっています。つまり、腸には中枢神経である脊髄と同じくらいの神経細胞が存在しています。体の中で、これほど神経細胞が集まっているところは他にありません。

確かに、脳と比較すると1億個という数は少ないかもしれません。しかし、脳と同じように無数の神経細胞が存在していることに変わりはありません。

このように、神経細胞が無数にあることが、腸がセカンドブレインと呼ばれている理由になります。

腸と脳の関係性

腸には、脳や脊髄に負けないくらい多くの神経細胞が存在します。それゆえに、腸はセカンドブレインと呼ばれます。

そして実際に、脳と腸は密接に関係していることがわかっています。例えば、あなたが強いストレスを感じているとします。そうした際には、脳内にあるストレスを処理する場所が過剰に働くことで、ストレスに対処します。また、そのように強くストレスを感じた際には、便秘や下痢になりやすくなります。

これは、ストレスが脳だけでなく腸にも影響を与えているために起こることです。このように、脳と腸はお互いに作用し合っています。

その一方で、腸は脳の活動とは別に、独立して働く一面も持っています。

また腸は、食べ物を消化・吸収するためにの運動を行います。腸が動くことで食品が分解されたり、分解後に肛門まで送り出されたりします。

そして、こうした腸の運動は、基本的には脳からの指令を受けて行われています。腸の活動状況を脳が把握して、その状態に応じた指示を出すことで、そのときに必要な運動が誘発されます。

ただ実際には、脳から腸へつながっている神経(脳の指令を腸に伝える神経)を切断しても、腸の運動は同じように起こります。これは、確かに腸は脳からの指令を受けているけれども、「脳からの指示がなくても腸自身の力で動くことができる」ということを意味します。

このように、脳と腸はお互いに関係して働き合っています。また、腸は脳からの指令がなくても自分自身で動くことができるという特徴も持っていることを知っておいてください。

今回述べたように、腸には無数の神経が存在することから、セカンドブレイン(第二の脳)と呼ばれています。そして実際に、脳と腸は密接に関係しています。また、腸は脳からの指令がなくても動くことができます。

これらのことを知っておくことで、腸という臓器がいかに大切なものであるかが理解できるようになります。