腸内細菌は嗜好にも影響する:酒、タバコと腸内環境

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腸内環境は、便秘や下痢だけでなく、肌荒れやアトピーなど、さまざまな病気の発症に関係しています。そのため、体の健康を維持するためには、腸内環境を整えておくことが大切です。

そして、こうした腸内環境は、腸内に生息する「腸内細菌」によって作られます。特に、腸内細菌である「善玉菌」や「悪玉菌」「日和見細菌(ひよりみさいきん)」の3つのバランスは、良好な腸内環境にとって欠かせないものです。

善玉菌が多い状態であれば、腸内環境は整い、さまざまな病気を発症しにくくなります。その一方で、悪玉菌が増えてしまうと、腸内環境は劣悪になり、多くの健康問題を引き起こします。

また腸内環境は、病気だけでなく、お酒やタバコなどの嗜好にも大きく影響します。つまり、あなたがお酒やタバコを止めることができないことには、腸内細菌が関係している可能性があります。

そこで今回は、「腸内細菌と嗜好の関係性」について解説します。

嗜好を作り出す物質

人間には、人それぞれ嗜好があります。例えば、アルコール(お酒)やタバコ、パチンコなどは、悪い意味で多くの人が依存してしまうものです。

アルコールやタバコは、ある程度であれば精神をリラックスさせるために役立ちます。ただあまりに依存しすぎると、体を悪くするだけでなく、依存状態を作り出し、さまざまな精神的な問題を引き起こすことにつながります。

そして、一見するとアルコールやタバコ、パチンコに依存することは、それぞれ全く関係性が無いもののように見えるかもしれません。

しかし実際には、こうした嗜好に依存するときには、脳内では同じ現象が起こっています。これには、「ドーパミン」と呼ばれるホルモンが関係しています。

ドーパミンとは、人間に幸せを感じさせて記憶するための物質として知られています。例えば、パチンコで上手くいったときには、脳内でドーパミンが作られて脳は幸せだと感じます。そして、このような状態が続くと、勝ち負けに関係なく「パチンコ」という刺激だけでドーパミンが分泌されるようになります。

そのため、その人は自然とドーパミンの分泌をさらに促したいという気持ちが生まれて、パチンコにはまるようになります。

アルコールやタバコも同じで、お酒やタバコの味が刺激となってドーパミンが出るようになります。その結果、ドーパミンによる幸せな感覚を求めてアルコール依存症になったり、タバコを止められなくなったりします。

またその他のものとして、浮気などをおこなったときにも、こうしたドーパミンが関係していることが明らかになっています。

このように、人が何かに依存するときには、脳内にあるドーパミンという幸せ物質が影響していることを知っておいてください。

ドーパミンと腸内細菌の関係性

ドーパミンは、人に幸福感を作り出し、酒やタバコといった嗜好品に依存する状態を招きます。そのため、ドーパミンが働きすぎると、さまざまなものに依存してしまうようになります。

そして、ドーパミンと並んで人の依存状態をコントロールしているのが「セロトニン」と呼ばれる物質です。セロトニンは、体を活発にしたり、やる気を高めたりする働きを持つ物質です。体内におけるセロトニンの量が減ってしまうと、うつ病などが起こりやすくなります。

こうしたセロトニンの90パーセントは、腸で作られていることが明らかになっています。腸内で生成されたセロトニンが脳へ運ばれることで、脳内でさまざまな働きをしています。

そのため、腸内の状態によってセロトニンの合成は大きく影響されます。当然ながら、腸内環境が良好であればセロトニンは多く作られます。その一方で、腸内環境が悪化してしまうとセロトニンは少なくなります。

そしてセロトニンは、脳内でドーパミンとバランスを保つことで、お互いに機能を発揮することができます。

つまり、セロトニンはドーパミンが少なければ十分に作用を発揮することはできませんし、逆にセロトニンが不足しているとドーパミンの働きが悪くなります。

このように、腸内環境が悪くなると、セロトニンの合成量が減り、結果的に脳内におけるドーパミンの作用が悪くなります。その結果、体はドーパミンの分泌を増やそうとして、アルコールやタバコなどの嗜好品を求めるようになります。

今回述べたように、腸内環境はアルコールやタバコといった嗜好品や、パチンコなどのギャンブルへの依存状態を作り出す物質であるドーパミンの働きに大きく影響します。そのため、腸内環境が悪化すると、嗜好品やギャンブルを止められなくなることにつながります。

そうならないためにも、日ごろから腸内環境が悪くならないように注意しなければいけません。