機能性食品(サプリメント・健康食品)が腸内環境へ与える影響

kenko

腸内環境について考える際に、「機能性食品」について学ぶことは大切です。機能性食品とは、健康食品やサプリメントの中でも、国が規定した基準を満たした食品です。つまり、国から「健康に効果がある」と認められたものです。

こうした機能性食品は、腸内環境に対しても大きな影響を与えます。そして、「機能性食品が腸にどのように作用するのか?」ということを理解するためには、機能性食品を作用メカニズム別に分類することが大切です。

具体的に機能性食品は、腸への作用機序(メカニズム)別に分類すると、「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「バイオジェニックス」の3つに分けられます。

この3つそれぞれの役割を知り、機能性食品の摂取法に応用することで、より効果的に機能性食品を活用することができるようになります。

そこで今回は、「機能性食品(サプリメント・健康食品)が腸内環境へ与える影響」について解説します。

健康食品・サプリメントの分類

健康食品やサプリメントの中には、国が定めた基準を満たしているものと、そうでないものがあります。そして、一定基準をクリアしており、国にその効果や作用が認められているものを「機能性食品」といいます。

一般的に機能性食品は、大きく分けて「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」の2つに分類されます。どちらも国の基準をクリアした食品であり、前者が「体に対して一定の効果を期待して使用されるもの」で、後者が「不足しがちな栄養素を補うもの」になります。

ほとんどの場合、前者は健康食品のことを指し、後者はサプリメントのことをいいます。

こうした「特定保健用食品と栄養機能食品」という分類は、その商品を摂取する目的によって分けられています。ただ、腸内環境に対する機能性食品の役割を知るためには、機能性食品を体への作用別に分類する必要があります。

そして、機能性食品が腸内へ及ぼす影響別に分ける場合には、前述のように大きく「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「バイオジェニックス」の3つに分類されます。

そこで、以下にそれぞれの意味や役割について記します。

プロバイオティクス

プロバイオティクスとは、「腸内環境を整えて、体の健康を高める作用のある生きた細菌や酵母」のことを指します。つまり、プロバイオティクスに分類される機能性食品は、腸内に直接善玉菌を多く送り込むことで、腸内環境のバランスを良好にする作用を持ちます。

例えば、「乳酸菌」と呼ばれる細菌は、「善玉菌」といわれ腸内環境を整える役割があります。そして、こうした乳酸菌を多く含むヨーグルトや、植物由来の乳酸菌を含む、ぬか漬け、キムチ、納豆などは、プロバイオティクスに分類される食品です。

その他にも、「ビフィズス菌」や「乳酸菌製剤」などといわれるものは、腸内環境を整える作用を持ちます。そのため、ビフィズス菌や乳酸菌製剤が豊富に含まれている食品はプロバイオティクスとなります。

プレバイオティクス

プレバイオティクスは、「腸内に生息する善玉菌を増やすための食品成分」のことをいいます。つまり、プレバイオティクスに分類される機能性食品は、善玉菌の餌となる成分を腸内に送り込むことで、すでに生息している善玉菌を増殖させる作用を持っています。

例えば、食物繊維や「オリゴ糖」などは、消化されることなく腸内へ届けられ、善玉菌の餌となります。そのため、食物繊維を多く含む野菜や、オリゴ糖が豊富入っているリンゴなどは、プレバイオティクスに分類されます。

そして、プレバイオティクスに分類される食品には、善玉菌を増殖させる効果だけではなく、悪玉菌を減らす作用もあります。

このように、先ほど述べたプロバイオティクスが「生きた細菌(善玉菌)」であるのに対して、プレバイオティクスは「食品成分(物質)」であるという違いがあります。つまり、直接善玉菌を増やすか、間接的に善玉菌が増えるように働くかということです。

「善玉菌を増やして腸内環境を整える」という点では同じ作用を持った食品ですが、こうした作用メカニズムに差があることを知っておいてください。

バイオジェニックス

一般的には、機能性食品を腸への作用メカニズムによって分類するときには、既に述べたプロバイオティクスとプレバイオティクスという2つに分けられます。

ただ、さらに新しい概念として「バイオジェニックス」というものがあります。

これは、腸内細菌研究の第一人者である、東京大学名誉教授の光岡知足氏が提唱しているものです。

具体的には、腸内環境だけでなく体全体に働きかけて、生活習慣病や老化など、さまざまな問題を防ぐ効果がある食品を指します。

例えば、バイオジェニックスに分類されるものには、油の一種である「DHA」や「EPA」、「生理活性ペプチド」と呼ばれる物質などがあります。これらは、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるだけでなく、コレステロール値や血圧、血糖値を安定させる作用があります。

そして実際には、すでに述べたプロバイオティクスやプレバイオティクスに分類される食品にも、こうしたバイオジェニックスのような働きをするものが多くあることがわかっています。

こうした、従来の分類法に当てはまらない(機能を持つ)食品が、たくさん存在しているということを知っておいてください。

最後に、それぞれの代表的な食品例を以下に記します。

プロバイオティクス:ヨーグルト(ビフィズス菌、乳酸菌)、乳酸菌製剤

プレバイオティクス:食物繊維、オリゴ糖

バイオジェニックス:乳酸菌酸性物質、生理活性ペプチド、植物フラボノイド、DHA、EPA、レシチン

今回述べたように、機能性食品は、腸に対する作用メカニズムによって大きく、「プロバイオティクス」「プレバイオティクス」「バイオジェニックス」の3つに分類されます。

プロバイオティクスは、生きた善玉菌を直接食べることで、腸内環境を整える効果がある食品です。それに対して、プレバイオティクスは、腸内に生息する善玉菌の餌となる成分のことであり、腸内に入ることで、間接的に善玉菌を増殖させる効果があります。

ただ、それだけでは効果の説明がつかない食品があり、それらはバイオジェニックスと呼ばれます。

一言で機能性食品といっても、腸への作用によってこのように分類されます。これらの知識を上手く日常生活に活用することで、より効率的に機能性食品を取り入れ、腸内環境を整えることができるようになります。