うつ状態と腸内細菌の関係性:セロトニンと腸の関係

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うつ状態は、多くの日本人が悩まされているものです。また「うつ」という言葉は、さまざまな場面で使用されます。例えば、やる気が起きないようなときに「ちょっとうつ気味だな……」と感じる人はたくさんいます。

このように、「日常生活には支障がないけど、ちょっと気分が落ち込んでいる」というときに、うつという言葉を使う人もいます。その一方で、うつのために病院に通っており仕事にも行けないような状態の人もいます。そして、うつはひどくなると、その人が自殺することを招いてしまうこともあります。

こうしたうつ状態は、多くの場合には精神的なことが問題だと考えられます。しかし実際には、腸内環境の悪化が原因となって、うつ状態になることが明らかになっています。

そのため、もし腸内環境が問題となってうつ状態となっている場合には、腸内環境を整えることが欠かせないといえます。

そこで今回は、「うつ状態と腸内細菌の関係性」について解説します。

うつ状態の原因

うつ状態とは、脳の働きが低下してしまうことが原因で、精神的に落ち込んでしまったり、さまざまなことに対する興味(意欲)が無くなってしまったりしている状態のことをいいます。

またうつ状態は、こうした精神的な問題だけでなく、手足が痺れたり、力が入りにくくなったりと、身体的な症状を出現させることもあります。

こうしたうつ状態を引き起こす原因の1つに、脳内に存在する「セロトニン」と呼ばれるホルモンの減少が挙げられます。

セロトニンとは、「幸せホルモン」ともいわれ、脳の働きを活発にする物質です。そのため、何かしらがきっかけとなってセロトニンの分泌が減ってしまうと、結果的に脳の活動が悪くなり、うつ状態になってしまいます。

例えば、セロトニンは「トリプトファン」と呼ばれるアミノ酸の一種を元に作られます。そして、トリプトファンは肉や魚、乳製品などに多く含まれており、こうした食品を摂取しないと、体内で不足してしまう可能性があります。当然、原料となるトリプトファンが少なくなると、セロトニンの生成も減ってしまいます。

こうした食事による栄養(トリプトファン)不足は、セロトニンの合成を少なくしてうつ状態を引き起こす原因の1つだといえます。

以上のように、うつ状態は、食事などの影響によってセロトニンが不足することで引き起こされることを知っておいてください。以下に、セロトニンの分泌を不足させるその他の要因を記します。

・運動不足

・日光浴不足

・ストレス

・猫背の姿勢

うつ状態と腸内細菌の関係性

うつ状態の原因の1つには、脳内に存在する幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが減少することが挙げられます。そして、セロトニンの合成が悪くなるのは、食事や運動不足、ストレスなど、さまざまなことが関係しています。

また、こうしたセロトニンの合成には、腸が大きく影響していることが明らかになっています。

既に述べたように、セロトニンを作るためには、肉や魚などの食品からトリプトファンが必要になります。セロトニンの原料となるトリプトファンがあって初めてセロトニンが合成されます。

そのため、セロトニンの合成にはトリプトファンの摂取が欠かせないといえます。ただ、いくらトリプトファンを多く含む食品を食べても、体内に吸収されて脳へ送られなければ、セロトニンが作られることにはなりません。

そして、トリプトファンを食品から体内へ吸収して脳へ送る役割を担っているのが腸になります。

具体的には、腸に生息する腸内細菌が正常に機能して初めて、食品からトリプトファンが体内へ吸収されて脳へ送られることになります。つまり、腸内細菌の活動が悪くなっていると、いくらトリプトファンを豊富に含む食品を摂取してもセロトニンは作られません。

このように、腸内細菌はトリプトファンを吸収して脳内へ送る役割を果たしています。そのため、腸内細菌の働きが悪くなってトリプトファンの取り込みができなくなると、セロトニンの合成量が少なくなり、結果的にうつ状態を招いてしまう可能性があることを知っておいてください。

今回述べたように、うつ状態を引き起こす原因の1つとして、脳内のホルモンであるセロトニン不足が挙げられます。

そして、セロトニンの原料となるトリプトファンは、食事から摂取され腸から体内へ吸収されます。そのため、腸内環境が悪化すると、トリプトファンが体内へ取り込まれにくくなり、結果的にセロトニンの合成量が少なくなります。

このように、腸内細菌とうつ状態には、密接な関係があることを知っておいてください。

薬を飲んだりカウンセリングを受けたりしても一向に良くならないうつ状態は、もしかしたら腸内細菌が原因であるかもしれません。