腸内細菌とビタミン、ホルモン、酵素の関係性

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腸の働きというと、食べた物から栄養素を吸収したり、体内の老廃物を便として排泄したりすることが一般的に知られています。こうしたことから、腸が適切に機能しなくなると、栄養不足になったり、体内に有害物質が蓄積したりすることになります。

体に必要な栄養を吸収できなくなると、当然ながら体を動かすことができなくなります。また、便を排泄できずに老廃物が溜まると、腸内環境が悪くなります。そして、腸内環境の悪化は、便秘や肌荒れ、アトピーなど、さまざまな病気を引き起こす原因になります。

このように、腸の主な働きは栄養素の吸収と老廃物の排泄にあります。腸の活動が悪くなると、こうした役割が果たされなくなるため、体は不調を引き起こすことになります。

ただ実際には、腸の働きはこれだけではありません。実は、腸には体にとって必要不可欠であるビタミンやホルモン、酵素を作り出す役割があります。

そこで今回は、「腸内細菌とビタミン、ホルモン、酵素の関係性」について解説します。

ビタミンとホルモン、酵素の重要性

ビタミンやホルモン、酵素という言葉は、誰もが一度は聞いたことあるものだと思います。ただ、これらの役割を明確に理解している人は少ないです。

しかし、ビタミンやホルモン、酵素は、体の健康を維持するために非常に重要な機能を果たしています。そのため、健康を保つためには、ビタミンやホルモン、酵素が体に与える影響について知っておくことが大切です。

そこで、以下にそれぞれの役割について解説します。

ビタミン

一言でビタミンといっても、さまざまなものがあります。例えば、代表的なビタミンとしては「ビタミンC」が挙げられます。そして、ビタミンCに加えてビタミンA、Eは、「抗酸化ビタミン」と呼ばれ、老化を引き起こす原因である酸化を抑える働きがあります。

またビタミンB系は、糖質や脂質、たんぱく質といった、体に必要な栄養素の消化や吸収をスムーズにする役割があります。

このように、一言でビタミンといっても、その種類によって働きはさまざまです。

ホルモン

ホルモンは、脳内や各臓器などで、それぞれの細胞に作用して、特定の働きをします。

例えば、一般的に知られているホルモンの1つに「インスリン」と呼ばれるものがあります。これは、筋肉などに作用して、血液中の糖分量(血糖値)を下げる働きがあります。

また他にも、女性ホルモンの1つに「エストロゲン」というものがあります。そしてエストロゲンには、脳や神経に働きかけて、気持ちを落ち着かせる作用があります。

このようにホルモンは、それぞれの種類によって働きは異なりますが、基本的には体のバランスを取るために欠かせない役割を担っています。

酵素

酵素とは、たんぱく質で作られた物質であり、細胞内で起こる反応をスムーズにします。

例えば、食事で炭水化物を摂ると、胃腸で消化されて体内へ吸収されます。こうした胃腸で起こる消化反応を円滑に行うためには、酵素の働きが欠かせません。

また、栄養素を腸から吸収した後には、全身の細胞に送られて、細胞が活動するエネルギーが作られます。こうしたエネルギーを生み出すときにも、酵素が作用することで、その反応がスムーズに起こります。

このように、酵素は体で起こるあらゆる反応を円滑にする役割があります。

腸内細菌とビタミン、ホルモン酵素の関係性

ビタミンやホルモン、酵素は、体の健康を維持するために欠かせない役割を担っています。一般的にビタミンというと、「食事から摂取する」と考えている人が多いと思います。

例えば、レモンなどの柑橘(かんきつ)類に、ビタミンCが豊富に含まれていることは、多くの人が知っています。

ただ、体内に存在するビタミンは、そうした食事から摂取されるだけでなく、腸内で合成されることが明らかになっています。ある研究によって、腸内に生息する腸内細菌がビタミンを作り出していることがわかっています。

具体的には、腸内細菌はビタミンB群とビタミンCなどを合成します。

またその他にも、人間に幸せの感覚を生じさせる「セロトニン」や「ドーパミン」と呼ばれるホルモンや酵素も、腸内細菌によって作られていることがわかっています。実際に腸内では、3000種類を超える酵素が合成されているといわれています。

このように、腸内に生息する腸内細菌は、体の健康を維持するために欠かせないビタミンやホルモン、酵素を合成する働きを持っています。

今回述べたように、腸の働きの1つに、ビタミンやホルモン、酵素の合成というものがあります。そしてこうしたビタミンやホルモン、酵素は、体が正常に機能するために欠かせないものです。

こうした腸の働きを知ることで、より腸内環境を整えることの重要性を認識できるのではないでしょうか。