ひざが痛いとき、ウォーキングやスクワットは行ってはいけない

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ひざが痛いとき、多くの場合「もう少し痩せるとよい」「スクワットをしてひざの筋力をつけるとよい」といわれるのではないでしょうか。実際、病院でも多くの医者はそのようなことをいいます。

しかし、ほとんどの場合、痛みがある状態で運動をすることは、逆に症状を悪化させます。今回はその理由について解説します。

体重のせいでひざが痛くなることは少ない

体重が重いからひざが痛くなると考えている人は多いのではないでしょうか。しかし、考えてみると、太っている人はみんなひざが痛いわけではありません。また、体重が重くてひざが痛い人でも、片方のひざだけが痛い人が多いです。もし、体重だけが原因なら両ひざが痛くなります。

以上のような事実から、体重だけが原因でひざが痛くなることは、ほとんどないと考えてください。

過度の負担:ひざが痛くなる原因

ひざが痛くなる原因は、大きく分けて2つあります。1つ目は「過度な負担によるもの」です。

自分が持っている筋力以上の生活や運動を行うと、ひざは痛くなります。例えば、10キロのダンベルを、10回までなら繰り返して持ち上げることができる人がいるとします。ただ、その人が30キロのダンベルを、10回繰り返して持ち上げようとすると腕を痛めます。極端の例ですが、これと同じことです。

具体的に、どのような人が当てはまるかを挙げます。それは今まで運動習慣が全くない状態の人で、ダイエットや健康のために急に運動を始めた人などが多いです。

このような場合は、自分が持っている力以上の運動を行ったため、ひざに過剰な負担がかかり、炎症を生じます。その炎症の過程で痛みが出ます。

炎症は組織が治っていく過程であり、治癒のためには絶対必要なものです。このときの痛みは「組織を治すためにこれ以上負担をかけないように」という体からの信号です。そのため、まずは安静にして痛みが治まるのを待つことが大切です。

そして、痛みが治まった後は、無理のない範囲で運動を始めます。はじめは、疲れを感じない程度の運動からはじめると良いか思います。慣れてきたら、痛みが出ない範囲で徐々に負荷を上げていくと安全で効果的な運動ができます。

関節のかみ合わせ:ひざが痛くなる原因

ひざが痛くなる原因の2つめは「関節のかみ合わせ(適合性)の問題」です。関節は適合性が合うことにより、その機能を発揮します。そのため、かみ合わせが悪くなることを一番嫌がります。適合性が悪化すると、痛みを発することにより動きを制限します。このことにより、これ以上かみ合わせが悪くなることを防ぎます。

ひざのかみ合わせが悪くなる原因は、ももの裏にある「ハムストリングス」という筋肉の緊張によるものが多いです。ハムストリングスは、主にひざを曲げるときに働く筋肉で、他の作用として、ひざの捻れの制動(動きにブレーキをかけること)を行います。

捻れの制動を行うということは、逆に筋肉が緊張しすぎると、ひざ関節の捻れを作ってしまうということです。

そして、このハムストリングスの過緊張は背骨の固さから生じます。背骨は、進化の過程により、人間がバランスを保つための重要な要素になりました。背骨はS字湾曲していますが、この湾曲と柔軟性が保たれていることにより、体のバランスを保ちます。

もし、背骨の湾曲や柔軟性がなくなってしまうと、その代償として、ハムストリングスなど、四肢の筋肉を過剰に緊張させてしまいます。

このように、「背骨の柔軟性が低下 → ハムストリングスの過緊張 → ひざの捻れ → 関節の適合性低下 → 痛み」という流れになります。このような場合は、背骨の「S字湾曲と柔軟性」を改善することが大切です。

以上のように、ひざが痛くなる原因は、「自分の能力以上の過度な負担がかかること」「関節の適合性が悪くなること」にあります。そして、前者の場合はトレーニングが必要です。しかし、痛みがあるときは運動を避け、痛みがなくなってから適切な運動を行う必要があります。

ひざの痛みが長引いているとき、もし痛みを我慢して運動をしている人がいるなら、中止してみてください。それが、痛みが治まるための一番の近道かもしれません。

また、後者のように関節のかみ合わせが悪くなっている場合、背骨の柔軟性を改善させる必要があります。筋肉の緊張を取り除くことは重要ですが、この根本原因である背骨を柔らかくすることはさらに大切です。