痛みは「体の危険信号」であり、炎症や関節変形は意味がある

f337a11b8cdf204b6865601a5f3f7728_s

多くの人は「痛み」を悪いものと考えています。確かに、痛みは日常生活を制限し、生活に不自由をもたらします。

しかし、体に起こる現象には意味があります。もちろん、痛みが起こるのにも意味があります。今回は、痛みの意味について解説します。

痛みが出る意味

痛みが出るということは、その場所に何かしらの問題があることを示しています。例えば、炎症があれば、痛みがでることは想像できるかと思います。そして、痛みがでるということは何かしらの刺激が加わっているということです。その刺激には2つあります。

1つは痛みを誘発する物質によるものです。代表的な例として、先程述べた炎症が挙げられます。炎症が起こると、その部位に痛みを誘発するような物質が放出されます。この物質の作用により痛みを感じます。

このときの痛みの意味を考えます。炎症とは、損傷した組織が治るために必要な過程です。その初めの方に痛みがでます。この痛みは「組織が治るために、これ以上の刺激を加えないで」という信号になります。

他にも、骨折した後はギブスをつけて固定します。これも組織が治るために必要な、骨折部位への刺激を避ける方法の一つです。もし、骨折部位を固定せずに動かし続けたら、治るどころか悪化させてしまいます。このような事態を避けるために、痛みという不快な感覚を使っているのです。

そして2つ目の痛みは、物理的な刺激が加わることによるものです。簡単な例を挙げると、何かに体をぶつけたときに感じる痛みです。伸ばす、押すなどの刺激により痛みを感じます。

また、関節の噛み合わせが悪い状態でも同様の痛みを感じます。関節は、噛み合わせ(適合性)が適切な状態で役割を発揮します。つまり、適合性が悪くなることを嫌がります。

そのため、噛み合わせが悪くなりそうなときは、筋肉を固くし、動きを制限します。それにより、関節の適合性を維持しようとします。関節の適合性が悪くなると、噛み合わせがそれ以上悪化しないように痛みを発します。痛みによって動きを制限し、適合性を維持します。

このときの痛みの意味も同じように考えることができます。1つ目との違いは、組織が破壊される前に「これ以上動かすと組織が壊れる」と、事前に警告してくれているということです。

つまり、この警告を無視して、無理に関節を動かすと組織が壊れます。そして、組織が破壊されると炎症を生じるという流れになります。以上のように、痛みには意味があります。

変形にも意味がある

実は、変形性関節症に代表される、関節の変形も同じように考えることができます。先程述べたように、関節は噛み合わせが悪くなることを嫌がります。関節の噛み合わせが悪くなると、関節の噛み合わせを合わせるように変形してくるのです。つまり、変形も関節の適合性を合わせるための必要な反応と考えることができます。

実際、変形の進行途中は適合性が維持できていないため、激しい痛みを発します。しかし、変形が完成してしまうと、関節の適合性が維持されます。この状態になると、変形により動きは制限されますが、痛みはありません。

変形で手術をするほど悪化した人は、「急に関節が変形した」という経験をしたのではありません。多くの人が痛みを経験し、その警告信号を無視した結果、変形が強くなってしまうのです。

以上のように、痛みに代表される症状には意味があります。この意味を考えずに行動すると、結果として変形性関節症のような状態になる可能性があります。