呼吸運動は自律神経系を整え、筋力や痛みを改善する

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最近では、呼吸運動の重要性は一般人にも知られていることです。実際、呼吸機能は人間の生命活動に大きく影響し、この機能が障害されると命に関わります。そのくらい重要な機能だと考えて良いです。

また、この呼吸機能は自律神経系と深く関わっており、「筋力」「痛み」などの運動機能とも関係しています。今回はそのことについて説明します。

呼吸運動と自律神経系

自律神経系は体の臓器を無意識に調整してくれる神経系です。例えば、運動を行うときに「心臓を強く働かせる」「気管支を広げ呼吸を深く、早くする」などがあります。自律神経系に支配される臓器は基本的に無意識に調整されており、意識的に動かすことはできません。

しかし、自律神経系に関わる機能の中で、呼吸運動だけは意識的に調整することができます。つまり、意識的に自律神経系に働きかけることができる唯一の方法が呼吸運動ということになります。

深く、ゆっくりした呼吸が自律神経系を整える

自律神経系には交感神経系と副交感神経系の2つがあります。簡単に説明すると、交感神経系は興奮したときに活発に働く神経系です。それに対して副交感神経系は、リラックスしたときに働く神経系です。

具体的には寝不足、ストレス、過剰な運動は交感神経系を優位にし、活動量の低い生活は副交感神経系を優位にします。

現代社会において、ほとんどの人は交感神経系が優位です。つまり、交感神経系を抑制するような生活や運動を行うことが、健康に生活するために大切になります。

その上で、呼吸運動には浅く早い「胸式呼吸」と深くゆっくりした「腹式呼吸」の2つがあります。

胸式呼吸は交感神経系を、腹式呼吸は副交感神経系を活発にします。そのため、多くの人には腹式呼吸による副交感神経系の活性化が重要になります。また、息を吸うときに交感神経系、息を吐くときに副交感神経系の働きが強くなります。

つまり、息を吐く動作をゆっくり行うように意識すると、より副交感神経系が活発に働くようになります。

自律神経系が整うと背骨が柔らかくなる

背骨には自律神経系の司令塔があります。このため、自律神経系が乱れると、背骨は固くなります。背骨の固さは、身体にさまざまな影響を及ぼします。その例として「筋力低下」が挙げられます。

具体的な説明は避けますが、自律神経系の乱れにより背骨が固くなると、筋力まで落ちてしまうのです。もっといえば、現代人は寝不足やストレスによって筋力低下を引き起こしているといえます。

そこで「深く、ゆっくりした腹式呼吸」を行うと自律神経系が整い、背骨が柔らかくなります。すると、元通りの筋力を発揮できるようになります。これが、痛みをもつ患者さんが、呼吸運動を行うと症状が軽減する理由です。ぜひ一度、痛みがある人は呼気を意識したゆっくりとした腹式呼吸を行ってみてはいかがでしょうか。