内臓の病気(内科的疾患)から起こる痛み

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整形クリニックを受診される理由の多くは「痛み」です。「腰が痛い」「ひざが痛い」「肩が痛い」など、さまざまな場所の痛みを訴えます。その中のほとんどの人が「整形外科的疾患」から生じる痛みです。しかし、中には「内科的疾患」から生じる痛みで整形外科を受診してしまう場合もあります。

このような場合、整形外科の医者が病気の存在を見抜いて、内科を紹介してくれるのが一般的です。しかし、医者が見逃してしまい、そのまま整形外科で治療を行ってしまうケースもあるのです。

そのようなケースでは、「痛みが全然治らない」「逆に症状が悪化している」といったことが起こります。今回は以上のような内科的疾患から生じる痛みについて解説します。

整形外科的疾患と内科的疾患の違い

この2つ(整形外科的疾患と内科的疾患)にはそれぞれ症状の特徴があります。その特徴を知ることにより、ある程度自分で判断できるようになります。

●整形外科的疾患の特徴

・痛みがある部位を動かすと、痛みが強くなる
・安静にしていると痛みが軽減する
・痛み止めが効く

●内科的疾患の特徴

・無理をしてないのに「何もしてなくても痛い」「夜痛みで目が覚める」といった症状が続く
・その臓器に負担がかかるようなことを行うと、痛みが強くなる(食事、排便排尿などにより症状が変化する)
・痛み止めが効かない

簡単ですが、以上のような特徴があります。

整形外科的疾患は、関節や筋肉に痛みの原因があることが多いです。そのため、痛めた部位を動かし、負荷をかけると痛みが強くなることが多いです。一方、内科的疾患は内臓に原因があるため、関節や筋肉などに負担をかけても痛みが強くなることは少ないです。

狭心症で例を挙げます。狭心症は心臓への血液不足から痛みが生じます。そして、心臓は左首や肩周囲の感覚を伝える神経とつながっています。つまり、心臓の痛みは左首、肩周囲にも感じられるということです。

このような場合「左肩を大きく動かす」「重い物を持つ」などの行為を行っても、痛みは悪化しません。なぜなら原因は心臓にあるからです。自転車に乗り、心臓に負担をかけた場合などに左肩周囲に痛みを感じます。

逆に、整形外科的疾患による痛みの場合は「肩を大きく動かす」「重い物を持つ」などの行為で痛みが出現します。そして、自転車に乗るなど、心臓に負担がかかるようなことをしても痛みはでません。

以上のように、整形外科的疾患と内科的疾患による痛みには違いがあります。狭心症の例のようにわかりやすい違いもありますが、見極めが難しいケースもあります。いずれにしても、上記のように内科的疾患が原因で、整形外科的疾患のような痛みが出ることがあることを知っているのは大事です。

「通院しているのに痛みがひかない」「痛いところを動かしても痛みに変化がない」「夜に痛みで目が覚める状態が続いている」といった症状がある人は、一度、内科的疾患を疑ってもよいかもしれません。以下に部位別に生じる痛みの例を挙げます。

・腰痛

腎臓疾患
肝臓・胆のう疾患
腸疾患
婦人科系疾患
腹部大動脈瘤

・背部痛

胃・十二指腸疾患
肺疾患
心臓疾患

・右肩痛

肝臓・胆のう疾患
肺疾患

・左肩痛

胃疾患
脾臓疾患
心臓疾患
肺疾患

・股関節痛

腎臓疾患
婦人科系疾患

ちなみに、ひざ関節はこのような内科的疾患から痛みが生じることは少ないです。つまり、ひざ関節が痛い場合は基本的に整形外科的疾患だといえます。

また、多くの内科的疾患は「発熱」「倦怠感」「急な脱力感」などの他の症状も伴います。体に痛みが出たときは、他に不調がでていないかを確認することも、内科的疾患による痛みに気づくために重要です。