背骨の動きが悪いと、肩やひざなど四肢に痛みが起こる

5eda671bf5071f3e327b66f5140606f2_s

一般的な動物と人間を比べたとき、大きな違いは四本足か二本足かという点です。ただ、二本足歩行であると上半身の重みに耐えなければいけません。

そこで、人間は背骨を湾曲させることで衝撃吸収能力を得ました。この衝撃吸収は全ての動作において重要な機能です。

体の一部が固定されると、他の部分に負担がかかる

身体というのは物理の法則により、出した分と同じ力が身体に返ってきます。つまり、歩く時など、体重が足から床にかかった時はその床にかかった分と同じ力がそのまま足にはね返ってきます。

例えば、あなたが壁を手を使って10kgの力で押すとすると、あなたの手にも同様に10kgの負荷がかかります。そのため、足やひざ、股関節、骨盤、背骨で衝撃吸収を行う必要があります。

そして、その衝撃吸収をする割合が身体の中心であればあるほど、大きくなります。つまり背骨、骨盤の衝撃吸収能力は強くなければいけません。

もし背骨の衝撃吸収能力に問題が生じた場合、その他の足、ひざ、股関節など末端の関節にかかる衝撃が強くなってしまいます。衝撃をうまく吸収できず、力の分散が出来ていない状態が痛み(疼痛)発生の一つの要因となります。

そして背骨の衝撃吸収能力に問題が生じている状態とは、背骨の湾曲数が減っている状態ということになります。専門的な話をすると「衝撃吸収能=(湾曲数)2+1」となるため、湾曲数が多いほど衝撃を効率的に吸収できるのです。

また、ある動作を行う場合、腕や足を動かす時に「中心に近い関節」が動かないと、より末端にある関節が過剰に動く必要が出てしまいます。

例を挙げると、右手で左肩を触る動作を考えましょう。この動作には、肩関節の動きの必要性を想像できるのではないかと思います。さらに、肘関節の動きも伴ってくるのがわかるでしょうか。ただ、肩関節を固定した状態で同じように肩を触ろうとすると、先ほどよりも肘関節や手関節を動かさなければ肩を触れることができません。

背骨に問題が起こると、四肢に痛みを生じる理由

このように一つの関節の動きが制限されてしまうと、他の関節で代償しようとして、他の関節が過剰に動いてしまいます。この過剰な動きが疼痛発生の一つの要因となります。

つまり、痛みが出ている関節は他の関節の動きが悪いことが原因で過剰に動き過ぎてしまい、痛みが出てしまっています。つまり、必ずしも疼痛発生部位に原因があるのではありません。あくまでも、動きが悪くなった結果として痛みを生じているのです。

そして、身体の一番の中心は背骨です。どの関節よりもまず、背骨の動きに制限が出てくると、腕でも足でも過剰に動かされる関節が出てくるのです。つまり、四肢に痛みを生じる原因の一番の問題は背骨にあるといえます。

以上をまとめますと、次のようになります。

①身体は全身を使って衝撃吸収をする。その中でも背骨の役割が大きく、背骨の衝撃吸収能力が減少すると、肩やひざなどのその他の関節にかかる衝撃が強くなってしまう

②動作を遂行するときは身体の中心から末端の関節まで、全ての関節を稼働させる。その中で一つの関節の動きが制限されると他の関節が代償し、過剰に動く必要が出てくる。

③より体の中心部分が制限されると、末端の動きに反映される事が多い。そのため、背骨の動きに制限があると肩やひざなど末端の関節が過剰に動く必要が生じ、疼痛発生の一要因となる。

このように、背骨に問題が起こることによって、結果として他の部位に悪影響を与えて肩やひざなどに痛みが起こるようになるのです。