生活習慣の乱れが腰、肩、ひざの痛み(疼痛)を起こす

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特に使い過ぎていないのに、ひざや腰の痛みが出てくるということは多いのではないでしょうか。では、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。これには、背骨が関係しています。背骨の動きが悪くなると、肩やひざなど四肢をいつもより過剰に動かさないと適切な動きが出来なくなってしまいます。

例えば、腰をかがめると下に落ちている物を容易に拾えますが、腰をまっすぐにしたままだと不自然な動きをします。

このように、一か所が固定されると、他の部分を頑張って動かさなければいけません。頑張って動かした結果、痛みを生じるようになります。このとき、最も重要な部位が背骨であり、背骨が悪くなると四肢に痛み(疼痛)が起こります。

これに加えて、背骨は自律神経系の影響を直接受けます。ここでは、「生活習慣の崩れにより自律神経系が乱れてしまう」ということだけ頭に入れておいてください。

自律神経系の役割

最初に、自律神経系について簡単に説明したいと思います。自律神経系は交感神経系と副交感神経系に分けられます。

交感神経系とは興奮時に働く神経で、心拍数を増加させ、気管支を拡張し呼吸を早くします。激しい運動をしているときなど、活発に活動しているときに働く神経だと理解してください。

一方、副交感神経系はリラックス時に働く神経で、消化器の働きを促したり、排尿を促したりするように内臓に働きます。

この2つの神経系の働きは正反対の関係にありますが、どちらが強すぎても弱すぎても問題です。例えば、職場などでの精神的ストレスが強く、毎日興奮状態にあり、常に交感神経が働いている場合はどのようになるでしょうか。

この場合、交感神経が過剰に興奮していると、何もしていないのに汗をかくようになったり、動悸が起こったりします。

また、交感神経系が働いてくれている間はまだ何とか体が動きますが、興奮し続けるとしだいに交感神経系が疲弊して働けなくなります。その結果、副交感神経系が強く働きすぎて何もやる気が起こらず、うつ状態になることがあります。

このように副交感神経系が過剰に働いた場合も問題ですが、現代社会では7割の人々において交感神経系が強く働いてしまっていると思われます。

精神性ストレス、睡眠不足、食生活の乱れによる内臓性ストレスは交感神経系を過剰に働かせます。また、運動不足などの活動性低下は副交感神経系を過剰に働かせてしまったために生じると考えられます。このように考えると、自律神経系は生物が環境に適応しながら生きていくために絶対必要なそして重要な神経系であるといえます。

生活習慣が崩れると、神経系が乱れる

生活習慣の中でも特に睡眠不足、精神性ストレス、食生活の乱れによる内臓性ストレス、運動不足に伴う体力低下は自律神経系に影響を与えます。このときの自律神経系の乱れが身体のどこに影響するかというと、それは背骨になります。

細かい機序は省きますが、睡眠不足や精神性ストレスは「胸椎(胸の骨)の上の方」「肩甲骨(けんこうこつ)の真ん中から上端辺りの背骨」に影響を与えます。また、内臓性ストレスは「肩甲骨の真ん中から腰の上辺りの背骨」、体力低下は「腰の骨」に影響を及ぼします。

そして、この自律神経系のストレスは「背骨の湾曲を減らす筋肉」を過剰に収縮させます。その結果、背骨の湾曲が減ると同時に、背骨の関節の動きを制限してしまいます。

関節の可動域が減るため、背骨や四肢の関節に大きな負荷を与えてしまいます。これにより、腰や肩、ひざなどに痛みを生じるようになります。

以上のことより、「生活習慣の乱れ → 自律神経の乱れ → 背骨の湾曲数減少&可動性の制限 → 背骨、四肢関節への過剰な負担 → 腰、肩、ひざなどの疼痛発生」という流れができるのです。

つまり、さまざまな疼痛発生の基の原因をたどっていくと、生活習慣の乱れに行きつくことになるのです。