睡眠時間が短いと痛みの悪化につながる

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現代社会において、睡眠不足の問題はさまざまな分野で取り上げられています。生活習慣病などの医学的分野だけの問題ではなく、仕事効率の低下や交通事故率の増加など社会的な問題となっています。しかし、「睡眠時間が短くなると痛みも悪化する」ことを知っている人は少ないのです。

「特に何もしていないが、腰やひざが痛くなった」という場合、前日の夜に寝る時間が遅くなっていたということはないでしょうか。また、「体を使いすぎてないのに、日によって痛みが悪化することがある」という方も同様です。

もしかしたら痛みを誘発、増悪させているのは睡眠不足かもしれません。今回、痛みと睡眠の関係について解説していきます。

睡眠不足の日本人

現在、日本人は特に睡眠不足だと言われています。経済開発協力機構の2009年の調査によると、最も平均睡眠時間が長いのは530分(約9時間)のフランスです。一方、日本は470分(約8時間)とされています。これは韓国に続いて、世界第2位の短さとなっています。

また、日本は医療費の高さも2014年の調査においてアメリカに続いて2位となっています。このことは睡眠時間の短さと大きく関係しているのではないかと考えられます。

睡眠不足と背骨の関係

睡眠時間が不足すると、自律神経系の影響により背骨(首の下~肩甲骨上半分辺り)が固くなります。自律神経系とは、「意識とは関係なく、人の身体の機能を調整する神経系」のことです。特に心臓の拍動や排尿、胃、腸の動きなどの内臓の働きに大きく関与します。

そして、自律神経系の司令塔は、背骨の中でも特に胸椎(首と腰の骨の間)にあるといわれています。各内臓で起こった情報は、自律神経系を通して司令塔である背骨に伝えられます。

その中で、上記のように睡眠不足や精神性ストレスは「胸椎の上の方」での動きを制限します。背骨は1本のS字の湾曲を作っており、どの場所の動きが制限されても、背骨の全ての部分に影響します。

そして、人の身体は背骨が固くなると、以下の2つのような不都合を生じます。

① 身体の中心である背骨の動きの制限により、より末端である肩やひざに過剰な負担がかかる

② 背骨のS字湾曲が少なくなることにより、身体に加わる衝撃を吸収する力が弱くなる。その結果、より末端である股関節やひざにかかる衝撃が強くなる

つまり、「睡眠不足 → 自律神経系の乱れ → 背骨の固さ → 四肢関節への過剰な負担 → ひざや肩などの痛み」という流れになります。

ちなみに、睡眠不足はホルモンの分泌に大きく影響しています。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、身体の組織の修復などに関与します。つまり、組織が損傷し、痛みを誘発している場合の痛みに深く関与します。また、成長ホルモンは肌の代謝にも関係しているため、美容にも影響してきます。

生活習慣の乱れは、身体にさまざまな影響を及ぼします。その中でも睡眠不足は、特に気をつけたい生活習慣の一つだと考えています。

現代社会では、仕事をしながら睡眠8時間を毎日確保するは難しいかと思います。しかし、テレビや携帯を触るなどの時間を少し削ることは可能かと思います。そのちょっとした我慢が、あなたを悩ましている痛みの軽減につながるかもしれません。