生活習慣の乱れは筋力低下を招き、転倒に繋がる

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転倒は寝たきりの大きな要因であり、自分自身だけでなくその家族の負担も増えます。また、転倒後の治療には医療費がかかります。転倒により寝たきりになった場合、リハビリや看護を受ける必要が出てくるため、介護保険を使います。つまり、日本の財政を圧迫します。

以上のことから、転倒し寝たきりになる人が増えるということは、日本経済へ影響をおよぼします。

そして、あなたは転倒の大きな要因が生活習慣にあることを知っているでしょうか。運動不足や親族の介護によるストレス、食生活の乱れが転倒を起こしやすくしています。今回は生活習慣と転倒の関係について述べたいきます。

転倒の原因は筋肉量の低下だけではない

転倒に筋力低下が大きく関与していることは、周知の通りです。また、年を重ねるごとに筋力が低下してくるというのも事実です。しかし、年をとると全員が筋力低下を起こし、転倒するのでしょうか。

調査により多少の幅はあるかもしれませんが、在宅高齢者の約10~20%が転倒経験者とされています。しかし、50~80歳になって起こる骨格筋量の低下は、平均的に30~50%だといわれています。

つまり、加齢による筋肉量の低下はほとんどの人に起こるにも関わらず、転倒経験者は10~20%なのです。よって、筋肉量の低下だけが転倒につながっているとは考えにくいです。

筋肉量と筋力の関係

身体に問題がない人は、一般的に筋肉量と発揮される筋力は比例しているといわれています。しかし、身体に何かしらの問題がある人は、筋肉量と筋力との関係が崩れてしまうのです。

その問題とはどのようなものかというと、背骨の固さです。背骨に固さが出てくると、身体は持っている力を発揮できなくなります。

例えば、100の筋肉量があるとします。背骨に固さがない人は100の筋力が発揮することができます。それに対して、背骨が固い人は70の筋力しか発揮できないという状態が起こってしまうのです。

背骨に固さがある人は筋肉量があっても、本来の筋力を出せないようになっている可能性があります。

背骨の固さは生活習慣の崩れから生じる

では、背骨の固さはなぜ生じるのでしょうか。その多くは自律神経系の崩れからくるとされています。自律神経とは、心臓の拍動や膀胱の収縮、発汗など「内臓の動き」に関わる神経を指します。そして自律神経系の乱れは生活習慣の乱れから生じます。

つまり、寝不足や精神的ストレス、運動不足などの生活習慣の乱れは、最終的に背骨を固くします。そして背骨が固くなると、前述の通り転倒につながります。

あなたは「高齢者の生活習慣は乱れているのか?」と思われるかもしれません。ただ、高齢者と普段から接している医療者の視点からみると、高齢者の多くは生活習慣が乱れていることが多いです。

それは、加齢や内科的疾患、薬の影響などはもちろんですが、その他にもパソコンのやり過ぎやテレビの見すぎによる運動量の低下、睡眠不足、親族の介護によるストレス、睡眠不足などさまざまです。

あなたの親族には、上記のように生活習慣が乱れている方はいないでしょうか。今後の転倒を予防するために、生活習慣が転倒に関係していることを周知させることが大切です。そのことにより、身の周りだけでなく、日本全体の経済に良い影響を及ぼすことができるのです。