薬の飲み合わせ問題と子供への解熱鎮痛剤の服用

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子供は頻繁に病気に罹ります。特に、風邪症状によって熱が上昇してしまい、慌てて医療機関を受診する親御さんは多いのではないでしょうか。この場合、高熱であったり痛みがあったりすると、解熱鎮痛剤が処方されます。

ただ、子供に薬を飲ませるのをためらう人もいます。薬には副作用があるからです。そこで、どのような点に注意して薬を服用すればいいのかについて確認していきます。そこから、子供(小児)への薬の投与についてまで学んでいきます。

薬の飲み合わせによる副作用

痛み止めの薬が作用するメカニズムは単純です。それは、「痛み物質の生成を阻害する」ことです。私たちの体内には、「痛み物質」が存在します。そこで、「痛み物質」が作られないように薬が作用すれば、当然ながら痛みは鎮まります。これが痛み止めの働きです。

ただ、このときの「痛み物質」というのは、実は脳に働きかけることで「体温を上昇させる」という作用があります。そのため、「痛み物質」の働きを抑える薬は、風邪による体温上昇を抑えることができます。

痛み止めの薬(鎮痛剤)は解熱鎮痛剤とも呼ばれますが、「解熱」という言葉から分かる通り、これは熱を抑える作用があるという意味です。

※「痛み物質」は専門用語でプロスタグランジンと呼ばれます。

つまり、「痛み物質(=体温上昇物質)の働きを抑える」という作用から、一つの薬で痛みを抑えたり熱を下げたりすることができるのです。まったく同じ成分が含まれる薬であっても、ある時は痛み止めの薬として使用され、またある時は熱を下げる目的で使用されるということです。

そのため、「熱を下げる薬」と「痛み止めの薬」を併用すると副作用が表れやすくなります。両方の薬とも同じ物質(=プロスタグランジン)の働きを抑えるということは、単純に考えれば薬の作用が倍になるということです。

例えば、解熱鎮痛剤のよく知られた副作用に胃腸障害(胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)があります。つまり、胃痛や腹痛が起こる危険性が高まるということです。これが、薬による「飲み合わせの問題」です。

このように「熱を下げる薬」一つとってみても、薬の飲み合わせの問題を考えることができますが、飲み合わせの問題以外にも、熱を下げる類の薬は「小児への投与」の時に注意しなければいけないことがあります。それは、インフルエンザや水痘(みずぼうそう)にかかったときに熱を下げるときのケースです。

子供(小児)への薬の投与

成人ではあまり問題になりませんが、子供ではインフルエンザなどに対して「熱を下げる薬」を使用すると、けいれんや意識障害などの脳症を引き起こす可能性が高まります。

これは、専門用語では「ライ症候群」と呼ばれ、症状が重ければ脳障害として後遺症が残ります。最悪の場合、死に至ります。そのため、インフルエンザによる15歳未満の小児の発熱に対して「熱を抑える薬」を使用することはありません。

ただ、中には例外もあり、「熱を抑える薬」の中でもアセトアミノフェンと呼ばれる成分に関しては小児の発熱に対しても安全に使用することができます。アセトアミノフェンは他の「熱を抑える薬」とは異なる作用によって小児の熱を下げます。このことから、小児に対してはより安全性の高いアセトアミノフェンが多用されます。

ここで忘れてはならない注意すべき点は、これら「熱を抑える薬」は風邪薬としてドラッグストアで誰でも購入できることです。

そのため、ここで触れた「熱を抑える薬とライ症候群」の知識なしに自分の子供に風邪薬を服用させると、前述したような大変な事態を招く危険性があります。

ここまで述べてきたように、単なる風邪薬とはいっても、副作用という点からみると多くの落とし穴があることに気づきます。自己判断で薬を使用すると大変な目にあうのは、きちんとした理由があるのです。