高齢者が服用を中止すべき薬

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薬のお世話になる人は、年齢が高くなるほど多くなります。ただ、薬には多くの副作用があるため、高齢者であるほどその危険性は高くなります。

薬は漫然と投与されがちですが、高齢者では体力が低下しており、体の代謝機能も落ちているので薬の副作用が表れやすくなります。これを踏まえて、薬による副作用の観点から、高齢者が「使用中止を考慮すべき薬」について、日本老年医学会がその種類を発表しています。

薬の有効性よりも副作用による害の方が大きい薬について、注意が促されているのです。その種類の内訳は鎮痛薬や吐き気止めの薬、抗うつ薬、糖尿病治療薬とさまざまです。

服用に注意すべき睡眠薬と抗不安薬

高齢者にとって特に注意したいのは、作用時間の長い睡眠薬や抗不安薬です。睡眠薬や抗不安薬は「脳の機能を抑えること」で効果を発揮するため、薬を飲むことで頭の働きが弱ります。これによって思考力の低下を招き、ボーっとして転倒したりふらつきが起こったりします。

また、記憶障害や認知機能の低下によって、認知症のような症状を生じることがあります。気力が失せ、食欲低下を招くこともあります。

活動的な毎日を健康的に送るのが正しい生き方であるにも関わらず、薬によって日々のやる気が阻害されるのであれば、薬を飲む意義は皆無です。

睡眠薬や抗不安薬の中には3日以上も効果が続くものがあるため、こうした薬を使うことで高齢者ではよけいな副作用に悩まされることになります。薬の効果が長いのは、大きなリスクでもあるのです。

認知症やうつ病のような症状が起こったとき、睡眠薬や抗不安薬を常用しているのであれば、それは薬による副作用が原因かもしれません。薬の副作用によって症状を生じていると感じた場合、実は薬を止めることが一番の解決策になることがあります

急に薬を止めるのは危険

薬の危険性について、ある程度は理解することができたと思います。急激な症状を生じたとき、一時的に薬を用いるのは問題ないものの、同じ薬をずっと使用し続けるのはリスクでしかありません。できるだけ飲む薬を減らすようにしましょう。5種類以上の薬を飲んでいる人は多すぎるといえます。

ただ、残念ながら急に薬の服用を止めてはいけません。「薬の危険性をうたっていながら、薬を止めるなとはどういうことだ!」と思うかもしれませんが、いきなり薬を飲まなくなるのはさらに危険なのです。

例えば、先に述べた通り睡眠薬は依存性があるため、急に服用を止めることで離脱症状が表れます。さらに眠れなくなり、急激な不安に陥ってしまいます。

抗うつ薬も同様であり、いきなり止めるとさらにうつ状態が悪化してしまいます。これらは中止後症状と呼ばれ、頭痛やめまい、不安などの症状が起こるのです。「薬の副作用が怖いから」「症状が安定してきたから」という理由により、自己判断の断薬はさらに悪い状態をもたらすのです。

これら睡眠薬や抗うつ薬を止めようと思うとき、徐々に減量していかなければいけません。睡眠薬や抗うつ薬は脳に作用する薬ですが、「薬の量が減っている」ことに脳が気付かないくらい少しずつ量を減らすのです。こうした努力を続けることで、ようやく断薬に成功します。

薬を服用するとき、最初はそこまで苦ではありません。薬によって一時的に症状が治まるため、むしろ手放せなくなることもあるほどです。ただ、一度でも手を出してしまうと、後で止めるのが非常に難しくなることがあります。

また、薬を長く服用することで副作用を生じるようになり、その恐ろしさに気が付いたときには薬を止められなくなっています。このようなリスクを知った上で薬を使用しなければいけません。特に高齢者であると、最初から飲まない方が望ましい薬が存在します。これらの薬の存在を知った上で、自分の健康を守ることが必要です。