口臭に悩む人の現状:過剰な意識が口臭を作り出す

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口臭は、多くの日本人が悩むものです。特に、日本は世界初の口臭外来が始まった国でもあります。このような話をすると、「日本人は口臭が強いのか」と思う人も少なくないと思います。しかし、実際はそのようなことはなく、口臭外来を受診する人の約8割は、通常の生活で、周囲の人がニオイを感じない程度の口臭です。

では、なぜこんなにも口臭を気にする人が多いのでしょうか。そのことを理解しておくと、口臭に対して過剰に悩むことがなくなります。そこで今回は、口臭に悩む人の現状について述べます。

患者さんの口臭は強くない

口臭外来に通院しているというと、「よほど口臭が強いのだろう」と考える人が多いと思います。しかし、実際に通院されている患者さんは、一般的な日本人よりもニオイが弱いことが実験で明らかになっています。

口臭における強さの測定は、「ハリメーター」と呼ばれる、世界的に使用されている機器を使います。これは、口臭に含まれる「揮発性硫化硫黄」の濃度を測定するものです。

通常の会話で、口臭が臭わないような日本人の平均値は100~200ppbという濃度になります。そして、200ppbを超えると、通常の会話距離(約40cm)で、相手の口臭がわかるようになります。

そして、実際に口臭外来に通院されている患者さんの口臭を図ると、90パーセント以上の人が100ppb未満であり、一般的な日本人よりニオイが弱いことがわかりました。

では、口臭外来に通われている人たちは、なぜニオイが強くないのに口臭に悩んでいるのでしょうか。

ほとんどの場合、口臭で悩む人は、人から指摘されるわけでもなく、自分自身で自覚することがきっかけになります。つまり、周りの人は全く気にしていない状態でも、本人が口臭を意識している状態です。このように、本人が自覚していても、周囲の人には伝わらない口臭のほとんどは、「生理的口臭」です。

一方、本人は気づかずに、周囲の人が感じるような場合もあります。そのような口臭は、糖尿病など、口臭を引き起こす何かしらの原因となる病気によって起こる「病的口臭」であることが多いです。

ただ、多くの人が気にする「起床直後」や「食後」「仕事中」「空腹時」に起こるような口臭は生理的口臭であり、周囲の人にはほとんど影響を与えません。

このように、口臭に悩んでいる多くの人は、過剰に意識しすぎているだけだと言えます。

口の不快感が不安を作る

また、口臭に悩んでいる人は、たとえ口臭を自覚していなくても、「口臭がするのではないか」と不安になると、口臭を気にするようになります。そして、そのような不安を強くする要因が、口腔内の状態にあります。

例えば、口の中が「ネバネバ」した感じがしたり、「カラカラ」と乾燥感がしたりすることで、口臭が起こっているのではないかという不安が強くなります。また、「酸っぱい感じ」や「苦い」といったような味覚の変化も不安を強くします。

こうした口腔内の変化は、起床時などに起こる生理的口臭と同じように、誰にでも起こるものです。口臭を気にする人は、このようなちょっとしたことを過剰に意識するため、どんどん悪循環に陥ってしまいます。そのため、口臭に悩む人は、まずはハリメーターなどの機械で、本当に口臭が強いのかどうかを測定することが大切です。

そして、生理的口臭や、以上のような口腔内の変化は、誰にでも起こりえるという事実を認識する必要があります。そうすることで、口臭に対する不安が小さくなり、悪循環に陥ることもなくなります。

今回述べたように、口臭に悩む人の多くは、過剰に意識しすぎていることが原因です。そして実際には、周囲にはわからないようなニオイであることがほとんどです。

まずは、このような事実を知り、認識を変えることから始めてください。それだけでも、口臭に対する悩みが小さくなるはずです。