月経前症候群(PMS):月経前に起こる口臭

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女性の体では、女性ホルモンのバランス変化によって約1ヶ月周期で月経が起こります。このような女性ホルモンは、女性器だけではなく全身に作用します。そのため、女性は月経周期によって体調が変動します。

月経前には、このような体調変化が特に起こりやすいです。月経前に起こる心身の不調は「月経前症候群(PMS)」と呼ばれ、女性のほとんどが経験したことがあるといわれています。

このようなPMSの一つに、「口臭」があります。口臭は自覚しにくいということもあり、PMSによる口臭はあまり知られていません。ただ、口臭は美容的損失に相当するため、多くの女性が避けたいことです。

そこで、ここでは月経前に口臭が起こるメカニズムと、月経前の口臭対策について述べていきます。

月経前の口臭:エストロゲンの低下

前述のとおり、女性の体では約1ヶ月周期で女性ホルモンのバランスが変動します。女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は、月経の約14日前から分泌量が低下し始め、月経時には激減します。

エストロゲンには、間接的に身体をリラックスしやすくさせる働きがあります。月経前にはエストロゲンによるリラックス作用がなくなるため、イライラしやすくなったりストレスを溜めやすくなったりします。

イライラしたりストレスが溜まったりすると、「交感神経」が働きやすくなります。交感神経が優位になると、心拍数が上がったり骨格筋の血流が良くなったりなど、身体にさまざまな変化が起こります。

このような身体変化の1つに、「分泌される唾液の変化」があります。唾液を分泌する唾液腺には、耳の下にある「耳下腺」、顎の下にある「顎下腺」、舌の下にある「舌下腺」の3種類があります。交感神経が優位になると、これらのうち舌下腺からの分泌量が多くなります。

舌下腺から分泌される唾液は、水分量が少なくネバネバしています。ネバネバとした唾液は口内の洗浄能力が弱いため、細菌や食べかすが口の中に残りやすくなります。これらは口臭の原因となります。

つまり、月経前は交感神経が優位になることよって唾液の質が変化します。これによって、口内の洗浄能力が低下して口臭が起こりやすいのです。

月経前の口臭:プロゲステロンの増加

女性ホルモンの1つであるプロゲステロンは、月経の約14日前に分泌量が増加し始め、この約4日後にピークを迎えます。その後に分泌量は低下していき、月経開始には分泌量が激減します。

プロゲステロンには、水分を体内に蓄える作用があります。これによって、体内の水分が組織に溜まって唾液の分泌量が低下します。唾液が減ると、口内の洗浄作用が弱まるため口臭が起こりやすくなります。

さらに、プロゲステロンには食欲を増加させる働きがあります。そのため、プロゲステロンの分泌量が増える月経前はお腹が空きやすく、ダラダラと飲食を続けやすくなります。

口の中に常に何か食べ物を入れていると、口の中が空になるタイミングがないため唾液の洗浄作用が弱まり、細菌や食べかすが口内に溜まりやすくなります。また、虫歯菌のエサが増えることによって虫歯が発生しやすくなります。虫歯も口臭の原因です。

このように月経前は、女性ホルモンのバランス変化によって口臭が発生しやすいです。そのため、月経前には口腔ケアに注意して口臭を防ぐ必要があります。

月経前の口臭対策:交感神経のオフ

交感神経は、緊張したりストレスを感じたりすることで優位になります。一方で、眠っているときやリラックスしているときには働きにくくなります。そのため、交感神経優位による口臭を防ぐためには、意識してリラックスする時間を設けることが大切です。

また、パソコンや携帯電話の光は交感神経を刺激します。特に、就寝前のこれらの使用は良質な睡眠を妨げます。そのため、少なくとも就寝の2時間前にはこれらの使用を控え、好きな音楽を聞いたり本を読んだりしながらリラックスすることが大切です。

月経前の口臭対策:唾液量を増やす生活習慣

体内の水分が少なくなると、唾液量が低下して口臭が発生しやすくなります。そのため、唾液量の低下を防ぐためには、水分補給の手段に気を配る必要があります。

多くの人が水分補給のために飲用しているコーヒーやお茶には、利尿作用があります。つまり、これらを飲むと身体から水分が排出されるのです。そのため、コーヒーやお茶などで水分補給をすると、体内の水分量が不足しがちになります。

また、砂糖などが添加された甘い飲み物は体内の必要水分量を増加させるため、これらで水分補給を行うと体内の水分が足りなくなりやすいです。

このように、味や香りのある飲み物は水分補給に向かないことが多いです。そのため、水分補給は「水」で行うべきだといえます。このとき、硬度の高い水で水分補給をすると、含まれるミネラルによって下痢を起こす可能性があるため注意が必要です。

 

月経前の口臭対策:ダラダラ食べをやめる

ダラダラと長時間にわたって口の中に食べ物を含むと、口臭や虫歯だけではなく肥満の原因となるため控えるのが賢明です。ただ、仕事が手に付かないほどの空腹はストレスになります。そのため、このようなときは食品を選んで間食することが大切です。

チョコレートなどの糖分を多く含むおやつは、食べてもすぐにおなかが空きやすいため間食には向きません。また、チョコレートはよく噛まずに食べられるため、咀嚼(そしゃく)による唾液の分泌が起こらず口内環境が悪化しやすくなります。そのため、おやつには糖分が少なく噛みごたえのあるものがおすすめです。

例えば、するめなどの珍味は、食べるときによく噛む必要があるため、唾液が多く出て満足感も多いです。また、カリカリ梅などは噛みごたえだけではなく酸味があるため、唾液が多く出て口臭が起こりにくいです。

ただ、これらをおやつにしても口内には食べかすが残ります。そのため、食後はなるべく歯磨きを行い、不可能であれば口をゆすぐなどの工夫が必要です。

外見を美しく着飾っても、口臭があるとイメージは悪くなります。そのため、月経前には口臭が起こりやすいことを認識して、これまでに述べたような対策を行うことが大切です。そうすることで、口臭によるイメージダウンを避けることができるはずです。