母乳育児のメリット:産後に体重を減少させる方法

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妊娠・出産は女性にとって大きなイベントです。妊娠・出産すると身体的にも環境的にもさまざまな変化があります。体重の増加は、妊娠出産によって起こる変化の一つです。妊娠すると、妊娠前に比べて約10kg体重が増加します。

このうち、赤ちゃんの重さが約3kg、胎盤や羊水などの重さが約1~2kgです。妊娠による増加体重のうち、これらを除いたものが母体の重さです。

この母体の体重増加は、分娩や育児に備えるために必要なものです。そのため、一般的には分娩・育児によって産後6ヶ月程度で元の体型に戻るといわれています。ただ、育児の方法や環境によって元に戻らないこともあります。実際、出産を経験した女性の約半数が産後に体重が戻らないというデータがあります。

体重を妊娠前に戻すためには、母乳育児が有効です。母乳育児を行うと体重が減少しやすくなるのです。そこで、ここでは母乳育児と体重減少の関係性について解説していきます。

母乳育児による産後の体重管理:エネルギー消費量の増加

母乳育児を行っている場合、赤ちゃんは母乳のエネルギーによって活動や成長をしています。赤ちゃんが生きるためのエネルギーは、母体から供給されるのです。母乳に含まれるエネルギーは、食生活によって変動しますが100ml程度で約65kcalです。このエネルギーは母体によるものなので、母体は赤ちゃんが吸った分だけエネルギーを消費します。

例えば、生後一ヶ月の赤ちゃんが飲むミルクの推奨量は一日700mlとなっています。実際には母乳とミルクでは飲む量に差があり、自宅で分泌量を測ることは困難なため単純な比較はできません。

ただ、ミルクと同じ程度の量を飲むとすると、母体は一日約455kcalのエネルギーを赤ちゃんにあげることになります。これは、普通体型の人が約2時間半ウォーキングをしたエネルギー消費量に相当します。

このように、母乳育児は母体の消費エネルギー量を増やすため、産後の体重管理に有効なのです。

母乳育児による産後の体重管理:月経の休止

母乳育児を行うと、体内で「プロラクチン」というホルモンが分泌されます。プロラクチンは赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激があると分泌され、母乳を分泌するために働きます。

一方で、プロラクチンにはエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌を抑えて月経を休止させる働きがあります。

プロゲステロンは、妊娠をするために働くホルモンです。子宮内膜を厚くするほか、妊娠に備えて水分や栄養分を蓄えようとする働きがあります。これは、体重増加につながります。要は、プロゲステロンは「太りやすい時期」を生み出します。

プロゲステロンは月経初日の約2周間前に分泌が始まります。プロゲステロンの分泌は月経まで続くため、月経前には体内のプロゲステロン濃度が高くなります。そのため、月経前はむくみやすかったり太りやすかったりするのです。

プロラクチンの働きによってプロゲステロンの分泌が抑えられると、プロゲステロンによる「太りやすい時期」がなくなります。そのため、母乳育児を行っている間は体重管理しやすい時期が続きます。

母乳育児を体重に反映させるための注意点

前述のように、母乳育児は母体の消費エネルギーを増加させます。そのため、授乳中はそれを補うためにおなかが空きやすくなります。授乳中における摂取カロリーの目安量は、「妊娠前+350kcal」です。これを食事量でまかなおうとすると、摂取エネルギー量が増えやすくなります。

前述のように、授乳中はおなかが空きやすいです。そのため、一回の食事量を増やしても食事と食事の間におなかが空くことがあります。空腹を我慢すると食事の量が増えやすく、必要以上にエネルギーを摂取しやすくなります。そのため授乳中に増える必要エネルギー量は、食事ではなくおやつで補うのがおすすめです。

市販のお菓子などは、エネルギー量に対してビタミンやミネラルなどの栄養素が少ない傾向にあります。授乳中の食事は、赤ちゃんの発達のためにバランスのいいものを心がけることが大切です。そのため、おやつは菓子類を選択するのではなく、果物やナッツ、軽食などを選ぶようにしましょう。

なお、母乳育児を行っていても産後6ヶ月頃からプロラクチンの分泌が減少します。そのため、産後ダイエットは産後6ヶ月までに完了することが大切です。