ダイエットによる食事制限がもたらす不妊:ホルモンの原料不足

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昔に比べて、現代の女性は痩せている傾向があります。これは、「痩せていることが美しい」とされているためだといわれています。

テレビやインターネット上には、ダイエットに関する情報があふれています。それらの情報をもとにダイエットをする人は少なくありません。テレビやインターネットに存在するダイエット情報の多くが、食事に関するものです。中でも食事制限によるダイエットは、体重に反映されやすいため多くの人が行っています。

飽食の現代において、ある程度の節制は必要です。ただ、過度の食事制限は身体にさまざまな不調を起こします。特に若い女性は、月経周期が乱れたり妊娠しづらくなったりすることがあります。そこで、ここでは食事制限と不妊の関係について解説していきます。

月経周期とホルモンの関係性

健康的な女性であれば、排卵と月経が約1ヶ月周期に起こります。これらは、さまざまなホルモンの働きによって起こります。

まず、脳の視床下部から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が分泌されます。これが脳下垂体に作用して、性腺刺激ホルモンの一つである「卵胞刺激ホルモン」が放出されます。卵胞刺激ホルモンは、卵胞を刺激して成熟させます。成熟した卵胞は、卵胞ホルモンを分泌し始めます。

卵胞ホルモンには、妊娠に備えるために子宮内膜を厚くさせる働きがあります。それとともに、卵胞ホルモンは視床下部や脳下垂体にも作用します。体内の卵胞ホルモンが一定の量に達すると、視床下部が刺激されます。刺激を受けた視床下部は、脳下垂体を刺激して「黄体化ホルモン」を分泌させます。

黄体化ホルモンは、成熟した卵胞を刺激して排卵させる働きがあります。排卵によって卵子がなくなった卵胞は「黄体」という組織に変化します。黄体は「黄体ホルモン」というホルモンを分泌して子宮内膜を維持して着床に備えます。

黄体の寿命は約14日です。そのため、妊娠が成立しない場合は排卵から約14日後に黄体ホルモンの分泌が止まります。黄体ホルモンが分泌されないと、子宮内膜が維持されずに剥がれ落ちます。これが体外に排出される現象が「月経」です。

このように、月経周期はザックリと「さまざまなホルモンの働きが関係している」と考えてください。

不妊の原因:ホルモンの原料不足

月経周期を起こしているホルモンは、コレステロールをもとに作られます。体内で消費されるコレステロールの多くは体内で合成されています。そのため、食事によるコレステロールの摂取量がホルモンの生成に直ちに影響することはありません。

ただ、コレステロールは細胞膜などの原料でもあります。また、ストレスによって必要量が増えることがあります。そのため、慢性的に低コレステロールの食事を摂っていると、ホルモンがうまく生成されないことがあります。

また、コレステロールが体内で合成されるときの材料は、脂質や炭水化物、タンパク質です。このうち脂質と炭水化物は、ダイエットのときに制限されやすい栄養素です。これらの栄養素が食事制限によって不足すると、ホルモンの生成が妨げられることがあります。

前述のように、コレステロールはタンパク質からも作られます。ただ、脂質と炭水化物を制限した食事では、タンパク質がエネルギーとして消費されます。さらに、タンパク質は髪や肌、筋肉などの構成成分です。そのため、脂質と炭水化物を制限するとタンパク質の必要量が多くなります。

また、タンパク質の代謝には、動物性食品に多く含まれるビタミンB2とB6が必要です。動物性食品は脂質を含むことが多いため、ダイエット中には避けられがちです。そのため、脂質と炭水化物の代わりにタンパク質を摂っても、うまく利用されないことがあります。

つまり、ダイエットのために食事制限を行うと、ホルモンの材料が減少することによって月経周期が乱れやすくなります。こうした月経周期の乱れは、不妊の原因の一つです。

このように、ダイエットによる食事制限は不妊を招きます。妊娠を希望していなくても、ホルモンバランスの乱れは身体にさまざまな不調を起こします。そのため、間食をやめたり運動をしたりなど、食事制限以外でのダイエットが賢明です。

統計では、BMIが22のときに妊娠しやすくなるといわれています。そのため、BMIを22に近づけるように摂取エネルギーを調整して、バランスの良い食事を摂ることを意識しましょう。