女性に多い冷え症:冷えと不妊の関係性

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子供が欲しくても授からない「不妊」は、年々増えています。これには、年齢や生活習慣などのさまざまな要因が関係しています。

また、慢性的に身体が冷えている女性も年々増えています。女性の半分は冷え性の自覚を持っているというデータがあり、身体が冷えているという自覚のない「かくれ冷え性」も増加傾向にあるといわれています。

ただ、このような身体の冷えは、不妊の原因になります。そこで、ここでは冷え症と不妊の関係性について述べていきます。

妊娠が成立するまでの流れ

妊娠とは、精子と卵子が融合して新しい命が女性の体に宿ることをいいます。ただ、これに至るまでには、さまざまなプロセスを必要とします。卵巣内に眠っている「卵胞」は、脳の下垂体から分泌される「卵胞刺激ホルモン(FSH)」によって成長します。成長を始めた卵胞は「卵胞ホルモン(エストロゲン)」を分泌して、これによって子宮内膜が厚くなります。

体内のエストロゲン量が多くなると、それを感知した視床下部が「黄体化ホルモン(LH)」の分泌指示を下垂体に行います。これによって、成熟した卵胞から卵子が飛び出します。これが排卵です。

排卵後の卵胞は「黄体」という組織に変化し、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」というホルモンを分泌して着床に備えた子宮作りを行います。

卵巣近くの卵管内で卵子が精子と出会うと、これらが融合して受精卵となります。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら、卵管内部表面に存在する「絨毛(じゅうもう)」という毛の流れによって子宮まで運ばれます。

そして、子宮にたどり着いた受精卵は、柔らかく厚くなった子宮に根を張ります。これが着床です。そして、着床した受精卵がさらに細胞分裂を行って心拍が確認できるようになると、妊娠が成立となります。

このように、妊娠が成立するためには、さまざまな過程が滞りなく行われる必要があります。そのため、これらのどれか一つがうまくいかなくなると、妊娠が成立しにくくなるのです。

冷え症と不妊の関係性

身体が冷えていると、血管が収縮するために血行が悪くなり、生命維持に直接関わりのない臓器への血液供給が後回しにされます。子宮などの生殖器は、身体が冷えると血液供給が行われにくくなるのです。

前述のように、妊娠するためにはさまざまなホルモンが正常に分泌されて、きちんと作用する必要があります。ホルモンが正常に分泌されるためには、材料となる栄養素が血液によって運ばれる必要があります。また、脳で分泌されたホルモンが卵巣に作用するためには、血液によって運ばれる必要があります。

血行が悪くなると、このような血液による運搬が滞ります。すると、ホルモンが分泌されにくくなり、ホルモンの連携がうまく行われなくなります。

これらが正常に行われないと、排卵が起こらなかったり子宮が着床に備えた状態になりにくかったりします。これらは、どれも直接的な不妊の原因となります。

また、血行が悪くなると、老廃物が溜まりやすくなったりうっ血が起こりやすくなったりします。これらが卵巣に起こると、卵巣の表面が固くなって排卵がうまく行われにくくなります。さらに、卵管の血行が悪くなると、卵管表面の細胞が栄養不足になり絨毛の働きが悪くなるため、受精卵が子宮へ運ばれにくくなります。

このように、冷えからくる血行不良は、妊娠するためのさまざまな過程を成立しづらくして、不妊を起こしやすくするのです。

冷え症改善による不妊対策

前述のように、冷え症は不妊の原因となります。ただ、現代人は身体を冷やす生活習慣が一般的になっているため、自覚を持たないうちに身体が冷えていることがあります。そのため、不妊対策には、身体の冷えを認識して身体を冷やす生活習慣を避けることが大切です。

暖かい季節でも、室内は冷房によって冷えていることがほとんどです。ただ、このような季節は薄着になることが多いため、室内の温度に適さない格好であることが多いです。そのため、外出時は上着を持ち歩き、夏でも足首などは極力出さないことが賢明です。

また、冷たい飲み物を飲むことが習慣化している人は多いです。ただ、冷たい食品は、身体の内側をダイレクトに冷やします。そのため、飲み物はなるべく温かいものか常温のものを選ぶことが大切です。

さらに、冷え対策には、体を冷やす性質のある食品を摂り過ぎないように心がける必要があります。健康や美容のために、生野菜や果物を多く食べる女性は多いです。ただ、生野菜や南国のフルーツには身体を冷やす作用があるため、摂り過ぎると血行不良を招くことがあります。

夏にこのような食品を活用すると、身体を自然に冷やして冷房による冷えを防ぐことができます。ただ、過剰な摂取や寒い季節の摂取は血行不良の原因となるため、控えるのが賢明です。

また、ストレスや運動不足も身体を冷やす原因になります。そのため、適度な運動を心がけると、血行が良くなるとともにストレスも解消しやすくなります。仕事などで時間がないと、入浴をシャワーで済ませることが多くなりがちです。ただ、シャワーによる入浴は、冷えだけではなく乾燥肌の原因にもなります。そのため、シャワーによる入浴は、女性にはデメリットが多いといえます。

また、ぬるめの湯船に浸かると身体の緊張もほぐされて眠りにつきやすくなるため、疲れが取れやすくなります。過度な疲労は血行不良やホルモンバランスの乱れを招くため、不妊の原因となります。

生殖器は、女性にとって大切な働きをする臓器です。そのため、これらをしっかり温めて機能を保つことで、不妊だけではなく肌荒れなどの美容トラブルやPMSなども起こりにくくなります。

身体の冷えを自覚して、これまでに述べたような対策を行うことによって、女性らしい元気な毎日を送ることができるはずです。