生理痛・子宮内膜症に対する薬の種類と効果

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医学的には生理を月経といいますが、女性にとって毎月の生理痛はつらいものです。生理(月経)のときに下腹部痛や頭痛を経験される方は多いです。ひどい方では吐き気やめまい、頭がぼうっとして思考能力が落ちてしまうことがあります。学校の授業や仕事、家事など普段の生活に支障をきたすこともあります。

このような月経痛には、病気が潜んでいる可能性があるので注意が必要です。何らかの病気があると不妊の原因にもなります。

生理痛(月経痛)と子宮内膜症

月経痛を引き起こす病気のひとつに子宮内膜症があります。生殖年齢女性の約1割にみられますから、子宮内膜症は見逃すことができません。

本来、子宮内膜は子宮内で増殖します。ただ、子宮内膜やそれに似た組織が子宮以外の場所で増殖してしまうことがあります。これを子宮内膜症と呼び、月経のたびにその場所で出血を繰り返します。進行すると卵巣、腹膜など周囲の組織に癒着して、ひどい痛みや不妊をきたす疾患です。

自覚症状として、9割の方が「月経痛(月経時の下腹部痛や腰痛)」、6割以上の方が「月経時以外の下腹部痛、腰痛、排便痛」、半数の方には「性交痛」があるといわれています。そして、不妊は4割にも上ります。その他にも疲労感、腹部膨満感、下痢などもみられます。

治療の方法

子宮内膜症の治療には手術、もしくは薬を使う方法があります。病気の症状や度合によってだけではなく、年齢や妊娠希望の有無なども考慮します。

ここでは薬による治療法(薬物療法)とその特徴、注意点について説明します。薬物療法には、対症療法とホルモン療法があります。

〈対症療法〉

痛みの緩和が目的です。様々なOTC薬が市販されているのでドラッグストアでの購入が可能です。

・鎮痛薬
アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェンなど
※胃腸障害が起こることがあります。

・漢方薬
当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、温清飲、温経湯など
※体質を改善して痛みを抑えますが、体質が合わないと効果が出ないことがあります。

〈ホルモン療法〉

女性ホルモンの分泌や働きを抑えることで排卵を休め、症状を改善します。薬を使用するためには、医師の処方せんが必要です。周期的な服用方法が多いので、量・期間を間違えないように服用します。

・黄体ホルモン
ディナゲスト (一般名:ジェノゲスト)
子宮内膜症治療薬として2007年に誕生した黄体ホルモン剤で、子宮内膜症細胞の増殖を抑えると同時に卵巣機能を抑える効果もあります。月経周期第2~5日より服用します。性器から出血する「不正出血」がみられることがあります(1%未満)

デュファストン(一般名:ジドロゲステロン)
妊娠の維持に必要なホルモンであるので、黄体機能不全による不妊症の治療にも使われます。基礎体温を上昇させる作用はないので、体温の上昇が起これば排卵したものと推定されます。

・LEP配合薬(低用量混合ホルモン剤)
一般的に低用量ピルと呼ばれている、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の混合薬で、長期服薬が可能です。月経困難症の治療薬としてヤーズ、ルナベルがよく知られています。

・GnRHアゴニスト
「卵巣を刺激するホルモン」の分泌を下げて、卵巣の働きを抑える薬です。点鼻薬と注射薬があります。月経を停止させるので更年期障害のような症状、または骨量低下が起こることがあります。

・ボンゾール(一般名:ダナゾール)
脳下垂体、卵巣または子宮内膜組織に直接作用し、子宮内膜細胞や乳腺細胞の増殖を抑えるため、乳腺症にも使われます。男性ホルモン作用によりニキビ、声変わりなどが起こることがあります。月経周期第2~5日より約4ヵ月間連続で服用します。まれに血栓症を起こすことがあります。

子宮内膜症では、上記以外の治療法がとられることもあります。避妊を目的とした薬ではないので、適切な避妊法が必要です。

また、薬を使用しても性感染症の予防効果はありませんので注意してください。小さなことでも気になることがあれば遠慮せずに医師・薬剤師に相談してください。