卵子の老化を防ぐ生活習慣:老化と活性酸素の関係性

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高齢出産では、妊娠率の低下や流産、先天性異常などが起こりやすくなることがわかっています。その原因の一つが「卵子の老化」です。

老化は誰にでも起こることであり、完全に防ぐことは不可能です。ただ、人の健康状態に個人差があるように、老化の早さにも個人差があります。

老化を進める一つの要因に「活性酸素」があげられます。実は、「老化を進める生活習慣」といわれるものの多くが「活性酸素を発生させる生活習慣」です。そこで、ここでは活性酸素で卵子が老化するメカニズムと、老化対策について述べていきます。

卵子は身体とともに年をとる

健康的で妊娠可能な女性は、約1ヶ月ごとに排卵が起こります。ただ、卵子は排卵のたびに作られているわけではありません。卵子のもとである卵母細胞は、胎児のときに作られたあとは増えることがありません。

胎児期には、卵母細胞が500万個ほどあるといわれています。これが、成長とともに減少し続けて思春期には数万個になります。このとき、現存する卵母細胞は身体とともに年をとります。

卵母細胞が老化すると、さまざまなエラーが起こりやすくなります。そのため、卵子が老化すると妊娠しにくくなったり、流産や先天性異常が起こりやすくなったりします。

このように、卵子は身体とともに年を取っています。そのため、若々しい身体を保つ生活習慣が良い卵子を保つことにつながるといえます。

活性酸素と老化の関係

活性酸素とは、そのままの状態で維持されにくい不安定な酸素のことをいいます。活性酸素は、他の物質の一部を奪ってでも安定しようとします。そのため体内においては、細胞などの一部を傷つけて安定しようとします。

活性酸素によって物質の一部が奪われて構造が変わることを「酸化」といいます。例えば、リンゴが空気に触れたときに茶色くなる現象は酸化によるものです。体内の細胞を酸化させる物質は、複数あることがわかっています。

活性酸素が体内の細胞を酸化させると、酸化した細胞は壊れます。健康的な細胞が減るため、身体に老化などの症状が現れます。このように、「さまざまな病気や老化の原因が、活性酸素の酸化作用によるものである」ことがわかっています。

ただ、人体では日常的に活性酸素が作られています。これは、活性酸素の酸化力を免疫に利用するためです。体内に細菌やウイルスなどの異物が混入したとき、活性酸素の酸化力でこれらを無力化します。

そのため、人間の体には活性酸素で自身の身体が傷つけられないように、活性酸素を消す機能が備わっています。この機能を超える活性酸素が体内に存在すると、細胞が壊れて病気や老化現象が起こります。

老化を早める生活習慣

現代日本人の生活習慣には、体内で活性酸素を生成させるものが多くあります。喫煙はその代表的なものの一つです。

喫煙では、定期的に肺に異物をいれることになります。体内の免疫機構は、肺に入った異物を無力化しようと活性酸素を生成します。ただ、喫煙による異物はウイルスや細菌ではないため、活性酸素では消せません。そのため、免疫機構はさらに活性酸素を生成します。

また、タバコの主成分の一つである「タール」を体内で代謝するとき、副産物として活性酸素が作られます。このように、喫煙は体内の活性酸素を増やします。そのため、喫煙はさまざまな病気の引き金になりやすく、老化のスピードも早くなるといわれています。

また、飲酒も活性酸素を多く発生させます。摂取したアルコールは肝臓で分解されて、無毒化されます。このとき、アルコール代謝の副産物として活性酸素が作られます。

ほかにも、ストレスや紫外線など、活性酸素を生成させる要因は多くあります。そのため、卵子の老化を防ぐには以上のことをなるべく避けることが大切です。

老化を防ぐ食事

前述のように、人間の体には活性酸素を消す仕組みが備わっています。それと共に、人間は活性酸素を消す「抗酸化物質」の摂取によっても活性酸素を消去しています。そのため、抗酸化物質を含む食材を積極的に摂取することによって、体内の活性酸素を減らすことができます。

抗酸化物質の一つであるビタミンCは、抗酸化力が強いことで有名です。ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。熱に弱く水に溶けやすいため、なるべく生で食べることが好ましいです。

また、ビタミンEにも高い抗酸化作用があります。特に細胞膜の酸化を抑える働きがあるため、卵子の老化防止には積極的に摂りたい成分といえます。ビタミンEは、植物油やナッツ類に多く含まれます。油は酸化しやすいため、新鮮で質の良いものを摂取することが大切です。

ビタミンCとビタミンEは、共同して抗酸化作用を示します。そのため、これらを含む食品を一緒に摂ることでさらなる効果を期待できます。

ビタミン類の他にも、ポリフェノール類やカロテノイド類などの抗酸化物質があります。これらは自然界に存在する色素成分であり、多くは植物に含まれています。

抗酸化物質における抗酸化作用は成分ごとに違います。前述のように、酸化を起こす物質は1つではありません。1つの抗酸化物質の作用をみたとき、ある1種の酸化物質を消すのが得意でも、他の酸化物質を消すのが不得意ということがあります。そのため、「抗酸化物質」と一括りにして同じ食品ばかり食べても、十分な効果は期待できません。

以上のことから、卵子の老化を防ぐためにはバランスの良い食事を心がけると共に、さまざまな野菜をたくさん食べることが大切です。厚生労働省では野菜の摂取量目標を一日350gと定めています。これを上回るように、日々意識して食事を摂るようにしましょう。