女性ホルモンとシミの関係:月経前・妊娠中のシミ対策

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綺麗な肌でいたいとは多くの女性が考えます。「色の白いは七難隠す」といわれ、これは肌の色が白ければ多少の欠点が隠されて美しく見えることを意味します。そういう意味では、女性にとってシミ・そばかすは美容の大敵とされています。

ただ、女性には「シミが出来やすい時期」があります。そこで、ここではシミができやすくなる時期とメカニズムについて解説し、シミ対策について述べていきます。

シミができるメカニズム

皮膚は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層構造になっています。表皮はさらに「角質層」「顆粒層」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層」の4つにわかれています。このうち、基底層の一番奥に「メラノサイト」という細胞があります。

表皮に紫外線があたると、メラノサイトが「メラニン」という黒色及び黄赤色の色素を生成します。メラニンは紫外線から肌を守る働きがあるため、メラニン生成によって紫外線をカットしようとするのです。

通常、生成されたメラニンは皮膚の代謝によって垢(あか)とともに体外へ排出されます。ただ、皮膚の代謝が遅かったり、生成されるメラニンが多かったりすると、うまく排出されずに表皮内にとどまることがあります。メラニンは黒色や黄赤色をしているので、メラニンが多い部分は茶~茶褐色になります。これがシミです。

女性ホルモンとシミの関係

女性は、およそ一ヶ月周期でホルモンのバランスが変化します。「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という女性ホルモンは、このホルモンバランスに深く関わっています。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンは妊娠したり、妊娠を維持したりするために分泌されます。一方で、黄体ホルモンにはメラノサイトを刺激する働きもあることがわかっています。つまり、黄体ホルモンの量が多いと、メラニン生成によるシミができやすくなります。

黄体ホルモンは、卵巣内の「黄体(おうたい)」から分泌されます。黄体とは、卵胞(卵子が入っている球体の袋のようなもの)が変化した組織です。そのため、黄体ホルモンの分泌は排卵後から増加します。

黄体の寿命は約14日です。そのため妊娠が成立しない場合、排卵した約14日後に黄体ホルモンの分泌が減少します。

妊娠が成立すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されます。hCGには、黄体を刺激して消滅させないようにする働きがあります。そのため、妊娠すると黄体による黄体ホルモンの分泌が続きます。

妊娠月が進んで胎盤が完成すると、胎盤が黄体ホルモンを分泌するようになります。そのため、分娩によって胎盤が排出されるまで体内に黄体ホルモンの多い状況が続きます。

このように、黄体ホルモンは月経前と妊娠中に多く分泌されます。そのため、月経前と妊娠中はシミができやすい時期なのです。

妊娠中のシミ対策

前述のように、生成されたメラニンは皮膚の代謝によって体外に排出されます。そのため、産後に黄体ホルモンの分泌が減ると、妊娠前の状態に戻ることがほとんどです。ただ、妊娠中に大量のメラニンが生成されていると、メラニンの排出までに時間がかかって、シミが残ることがあります。

黄体ホルモンによるメラノサイトの活性化は生理的なものなので、これを抑えることはできません。そのためシミを作らないためには、黄体ホルモンの刺激以外の要因を取り除くことが大切です。

紫外線対策として代表的なのが日焼け止めです。多くの女性が日焼け止めを日常的に使用していると思います。ただ、妊娠中は肌がデリケートになっているため、妊娠前に使用していた日焼け止めが肌に合わなくなることもあります。

日焼け止めの成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の二種類があります。紫外線吸収剤が含まれているものは日焼け止め効果も高いですが、皮膚への負担も大きいです。そのため、妊娠中は紫外線散乱剤の日焼け止めを使うほうが賢明です。一般的に、「子供向け」や「敏感肌向け」と記載のある日焼け止めは、紫外線吸収剤が含まれていません。

また、帽子などで紫外線を防ぐことも大切です。目に紫外線が入るとメラノサイトが活性化するため、日差しが強い日はサングラスを使用しましょう。

メラノサイトは摩擦によっても刺激されます。妊娠中は衣服のサイズが急激に変わるため、気が付かずにサイズの小さい衣服を着用し続ける人は少なくありません。ただ、小さい衣服の着用は摩擦が起こりやすくなるため、シミや黒ずみができやすくなります。妊娠中は分娩までサイズが大きくなり続けるので、ゆとりのある衣服選びが大切です。

また、皮膚に炎症が起こるとメラノサイトが活性化してシミになることがあります。炎症が長引くとメラノサイトの働きが長く続くため、シミになりやすい状況が続きます。そのため、皮膚の炎症を速やかに治療することが大切です。

皮膚の炎症は患部を冷やすことで抑えることができます。ただ、症状が重かったり範囲が広かったりする場合、塗り薬による治療が必要です。妊娠中に使用できない薬もあるので、必ず医師などの専門家に相談しましょう。

また、冷えは肌の代謝を遅くします。毎日入浴したり、冷たい飲み物を控えたりするなど、身体を温める工夫をしましょう。

さらに言えば、肌の代謝には多くのビタミンが関与しています。そのため、野菜を多く取り入れたバランスの良い食事がシミ対策に有効です。