妊娠初期の赤ちゃん(胎児)に必要な食事:葉酸、鉄分、ビタミン

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妊娠初期とは、最後の月経の初日を一日目とした四ヶ月目までのことを指します。妊娠が発覚するのは早くても次の月経の予定日付近なので、妊娠発覚後の約三ヶ月間と言い換えるとわかりやすいでしょう。

この頃のおなかの赤ちゃん(胎児)は、急ピッチで人間らしい姿に成長していきます。四ヶ月目頃には中枢神経が発達し、心臓などの内臓器官もほぼ完成します。

おなかの中の新しい命を健康に育むためには、月齢に合わせたバランスの良い食生活が大切です。ここでは、妊娠初期に気をつける食生活のポイントを一ヶ月ごとに述べていきます。

妊娠一ヶ月目

前述のとおり、一ヶ月目はまだ妊娠が発覚していません。ただ、妊娠を望むのであれば、妊娠前から意識して「葉酸」を摂取するべきです。

葉酸は、血液を作ったり、タンパク質やDNAを合成して胎児の発育を促したりします。「神経管閉鎖障害」という赤ちゃんの先天異常を防ぐために、妊娠前から初期に意識して葉酸を摂取することがとても重要です。

「神経管閉鎖障害」とは、脳や脊髄のもととなる「神経管」と呼ばれる部分がうまく形成されないことによって起こる神経の障害です。葉酸不足以外にも、遺伝などを含めた多くの要因が複合して発症します。そのため、葉酸を摂取するだけで障害が起こることを防ぐことはできません。ただ、予防策の一つとして、妊娠前から初期にかけての葉酸摂取はとても大切といえます。

葉酸は、緑黄色野菜の中の葉物野菜、果物、レバーなどに豊富に含まれています。水に溶けやすいため、茹でると栄養素が溶け出してしまいます。

そこで、スープなど「汁ごと食べられる調理」で摂取するのが好ましいです。また、葉酸は光に弱く、日の当たるところに置いておくと葉酸が分解されていきます。そのため、野菜を購入後は早めに食べましょう。

通常の食事で葉酸の摂り過ぎの心配はいりませんが、サプリメントなどで過剰に摂取すると亜鉛の吸収が妨げられます。これを避けるため、上限を守って摂取しましょう。

妊娠二ヶ月目

この頃はまだ胎盤が完成していません。おなかの赤ちゃんは、母体からではなく「卵黄のう」という赤ちゃんが持つ栄養袋から栄養をもらって成長します。そのため、母親の食事がダイレクトに赤ちゃんに影響することはありません(前述の葉酸を除く)。

しかし、過剰な摂取を控えるべき成分があります。それは、ビタミンAとイソフラボンです。

ビタミンAは皮膚や目、口、内蔵などの粘膜を健康にする栄養素ですが、摂り過ぎは嘔吐や頭痛などを引き起こします。また、妊娠初期の過剰摂取で胎児の奇形が増えることも確認されています。

ビタミンAは脂に溶けるビタミンで、身体に蓄積されやすいのが特徴です。そのため、日常的にサプリメントなどで摂取していると体内で過剰になっていることがあります。排出までに時間がかかるので、妊娠が発覚したらすぐにサプリメントなどでの摂取を控えるのが望ましいです。

豚、鶏レバーは多くビタミンAを含みますが、これらを毎日2食以上食べるなど、極端な食生活をしなければ問題ありません。

また、イソフラボンの過剰摂取はホルモンバランスを乱す恐れがあります。さらに、イソフラボンのもつ「DNAの構造を正常に保つ酵素」の働きを阻害する作用がおなかの赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。

ただ、通常の食事からイソフラボンを過剰摂取することはまずありません。イソフラボンを含有する「大豆」は栄養価の高い食品ですが、そこまで神経質になる必要はありません。食事を制限するのではなく、サプリメントなどでの追加摂取を控えるようにしましょう。

妊娠三ヶ月目

多くの母親がつわりを経験するときが妊娠三ヶ月目です。この頃もまだ胎盤は完成していません。おなかの赤ちゃんはまだ卵黄のうから栄養をもらっています。今まで述べた点に注意しながら、食べられるものを食べましょう。ただし、水分を摂れないようなら脱水症状が起きる危険がありますので、早めに病院に行きましょう。

妊娠四ヶ月目

多くの人のつわりが終わり、胎盤が完成する時期が妊娠四ヶ月目です。この頃から、母体から赤ちゃんに栄養などを含んだ血液が送られるようになります。そのため、大量の血液が必要となります。血液をつくるためには、「鉄分」「ビタミン12」「葉酸」などが必要です。

鉄分はレバー、貝類、小松菜やほうれん草などに多く含まれます。また、レバー、貝類はビタミンB12も豊富に含みます。

鉄分には、動物性の鉄分「ヘム鉄」と植物性の鉄分「非ヘム鉄」があり、「ヘム鉄」の方が吸収されやすい特徴があります。血液の材料となるタンパク質、ビタミンB12も同時に摂取できるため、「ヘム鉄」の摂取がお勧めです。ただし、食あたりなどでの下痢は流産を招く危険があるので、必ず加熱して食べるようにしましょう。

また、鉄分とともにビタミンCと一緒に摂取すると吸収が高まるので、生の緑黄色野菜や果物なども取り入れるのが好ましいです。

鉄分、ビタミンB12、葉酸はどれも水に溶けやすい性質をもちます。茹でるときは短時間にするよう心がけ、できれば水を使わない調理法で食べるようにしましょう。