貧血と冷え症の関係性

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一般的に、貧血は女性に多い症状です。成人女性の約17%が、体内の鉄が不足して起こる「鉄欠乏性貧血」であるというデータがあります。41.8%の女性で体内の鉄量が基準より少ない「貧血予備軍」であるといわれています。

また、冷え症も女性に多いです。冷え症とは、気温にかかわらず身体が冷えていたり寒さを感じたりすることをいいます。

これらは、一見関係のない症状に見えます。ただ実際には、貧血があると身体が冷えやすくなり、身体が冷えていると貧血が起こりやすいのです。そこで、ここでは貧血と冷え症の関係性について述べていきます。

女性が鉄欠乏性貧血になる原因

健康的な女性であれば、約28日周期で月経が起こります。月経とは、妊娠に備えるために厚くなった子宮内膜が外に排出される現象のことをいいます。

子宮内膜には血液が含まれています。また、子宮内膜が子宮から剥がれる際、毛細血管に傷がついて出血します。これによって、一度の月経で約30mgの鉄が失われます。

さらに、人体では毎日1mg程度の鉄が排泄されています。これに対して、一般的な食事内容で得られる鉄は約1mgです。つまり、無意識に生活していれば女性の体内の鉄は減る一方なのです。

このように、女性は鉄が不足しやすいです。ただ、ほとんどの人がそれを補うほどの鉄を摂取していません。そのため、鉄欠乏性貧血である女性が多いのです。

女性に冷え症が起こる原因

現代の女性は、昔に比べて筋力が落ちているといわれています。いまの時代、女性の仕事の多くがオフィスワークであり、移動は交通機関や車を利用することが一般的です。

また、室内で行う趣味が充実してきたことによって、休日は外に出ないという人も増えています。このような生活習慣は筋力が衰える原因となります。

さらに、ダイエットも筋力を低下させます。脂肪に比べて筋肉は比重が重いため、筋肉がつくと見た目は細くなりますが体重は増えます。女性の多くは、体重を減らすためにダイエットをしています。そのため、ダイエットを行うと筋力が低下することが多いのです。

筋肉は体内の熱産生の約60%を担っています。そのため、筋肉が少なくなると作られる熱の量が少なくなり、身体が冷えやすくなります。

また、足や腕の筋肉は血液を循環させる働きがあります。そのため、これらの筋肉が衰えると、血行が悪くなって全身の細胞に酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。すると、筋肉などの組織が栄養・酸素不足によって働きが低下し、熱産生量が低下して身体が冷えやすくなります。

貧血と冷え症の関係性

血液内の鉄は、酸素を全身に運ぶ役割があります。そのため、これが少なくなると、酸素の運搬能力が下がって全身の細胞に酸素が行き渡りにくくなります。

前述のように、筋肉などの細胞に酸素が不足すると熱産生量が低下します。つまり、体内の鉄が少なくなると身体が冷えやすくなるのです。

また、胃や腸などの消化器官が冷えていると、消化吸収能力が低下して鉄などの栄養素が吸収しづらくなります。すると、体内の鉄が不足して鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。

このように、貧血と冷え症は関係しています。このことから、これらの症状は同時に起こることが多いです。そのため、冷えや貧血の症状がある人は、両方の対策を行うことが大切です。

貧血防止のための冷え症対策

前述のとおり、冷え症の主な原因は筋力不足です。そのため、日々の生活の中に筋力トレーニングを取り入れることが大切です。特に、下半身の筋肉を鍛えると、熱産生能力が上がって血行が良くなるため冷えが改善されやすいです。

下半身の筋肉を鍛えるためには、歩行やランニングがおすすめです。ただ、これらが苦手な人は、習慣化しようとしても続かないことがほとんどです。そのため、日常生活で運動量を増やす工夫が大切といえます。

例えば、出退勤や通学時にはひとつ遠くの駅を利用したり、歩行スピードを上げたりすることで運動量を増やすことができます。また、あえて遠いお店で買い物をするのも有効です。

自宅から出るのが困難な人は、足踏みや台の昇降運動がおすすめです。足踏みを行う際は太ももを床と並行になるまで高く上げることがポイントです。また、昇降運動は30cmくらいの台を使用すると続けやすいです。どちらも、軽く息が切れるくらいのスピードで5分程度行います。

冷え症を防ぐための筋力トレーニングは、継続することが何より大切です。そのため、これまでに述べたような空いた時間を有効に活用する工夫を行うことが大切です。

冷え症防止のための貧血対策

前述のとおり、女性は毎月鉄を失います。そのため、日頃から意識して鉄を摂取することが大切です。

鉄は、吸収しづらい栄養素です。ただ、植物性の鉄に比べて、動物性のタンパク質は比較的吸収しやすいという特徴があります。特に食肉は、鉄だけではなく鉄の吸収を助ける成分も含んでいます。そのため、鉄欠乏性貧血を防ぐためには食肉の摂取が最適です。

一方で、お茶やコーヒーなどの「タンニン」を含む食品は、鉄の吸収を妨げます。そのため、少なくとも食後1時間はこれらを摂取しないのが賢明です。

貧血や冷え症は、どちらもさまざまな身体的不調や美容的損失の原因となります。そのため、これら症状の自覚がなくても、普段から対策を行って予防することが大切です。