女性に多い冷え症:冷えと飲酒の関係性

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世の中にはさまざまな嗜好品があります。このような嗜好品の中でも、お酒は身体に悪影響を及ぼしやすい部類に入ります。厚生労働省は健康寿命を短縮する要因の9.2%がアルコールであり、少なくとも60以上の病気の原因になっていると発表しています。

一般的に、お酒は女性よりも男性の方が消費量は多いです。ただ、男性の飲酒率や飲酒量が年々低下しているのに対して、女性の飲酒率・飲酒量は増加傾向にあります。

前述のように、アルコールの摂取はさまざまな病気のリスクを高めます。実は、女性に多い冷え症も飲酒によって起こりやすくなります。そこで、ここでは冷え症と飲酒の関係性について解説していきます。

冷え症と飲酒の関係性:末梢血管の拡張

通常、飲酒をすると身体がポカポカしてきます。これは、アルコールのエネルギーが即座に消費されて身体を温めるためです。

また、ビールや日本酒などには、原料に糖質が含まれています。糖質はエネルギーとして消費されやすいため、摂取すると体温が上昇します。そのため、ビールや日本酒などを飲んだときは、ウイスキーなどを飲んだときに比べて体温が上がりやすいです。

ただ、アルコールが分解される際に生成されるアセトアルデヒドには、末梢の血管を拡張する作用があります。末端である皮膚表面の血管が拡張すると、空気に触れる面積が大きくなるため体温が外に逃げやすくなります。

アセトアルデヒドは、肝臓で酵素によって分解されます。ただ日本人は、この酵素を持っていなかったり少なかったりする人が多く、アセトアルデヒドの影響を強く受けやすい傾向にあります。つまり、日本人はアルコールによる熱産生量よりもアセトアルデヒドによる熱放出量が多くなることが多いため、飲酒によって身体が冷えやすいのです。

実際に、深酒をしたときや二日酔いのときに寒気が起こることがあります。これは、このようなアセトアルデヒドの放熱作用によるものです。

冷え症と飲酒の関係性:尿回数の増加と脱水症状

お酒を飲むとトイレが近くなるということは、多くの人が知っています。これは、アルコールによる「体内の水分を尿として外に出す作用(利尿作用)」によるものです。排尿すると水分とともに熱が体外に放出されるため、体温が低下して体が冷えます。

さらに、アルコールを分解するときには水分を消費します。そのため、飲酒後の体内は水分が不足した状態になりやすいです。

体内の水分が低下すると、血液がドロドロになって流れが悪くなります。血流が悪くなると、血液の酸素や栄養素、熱を運ぶ能力が低下するため、末端が冷えたり熱を産生しにくくなったりして身体が冷えます。

冷え症と飲酒の関係性:冷えたお酒の摂取

日本では、外気温にかかわらず冷えたお酒を飲むことが一般的です。冬でもビールは冷やして飲み、居酒屋などのメニューには温められたお酒が数種類しかないことが多いです。ただ、冷えた飲み物の摂取は体の内側をダイレクトに冷やして体温を下げます。

冷え症を防ぐ飲酒方法

これまでに述べたように、飲酒はさまざまな作用によって身体を冷やします。そのため、アルコールによる冷え症を防ぐためには、飲酒を控えることが有効です。

ただ実際には、付き合いなどで飲まなければいけないケースもあります。そのため、禁酒が難しいときは、飲酒機会を減らしたりアルコールの量を減らしたりなどの工夫が大切です。

男性に比べて、女性はアルコールの影響を受けやすいです。これは、身体や肝臓が小さいことに加えて、女性ホルモンがアルコールの分解を抑えるためといわれています。そのため、女性が男性のペースに合わせて飲酒すると、アルコールの害が強く出ることがあります。

過度な飲酒は冷え症の原因になるだけでなく、肌や髪を荒れやすくして老化を招きます。そのため、女性が男性と飲酒をするときは、このような事実を認識して飲酒量を減らすことが賢明です。

また、アルコールによる冷え症を防ぐには、お酒の種類を工夫することも有効です。当然、アルコール度数が高いお酒はアルコールの害を起こしやすくします。

これに加えて、ビールや日本酒などの「醸造酒」と呼ばれるものは、焼酎やウイスキーなどの「蒸留酒」に比べて悪酔いしやすいといわれています。これは、醸造酒には蒸留酒に比べて不純物が多く、これらがアルコールの分解を阻害するためと考えられています。

これらの理由から、アルコールの悪影響を防ぐためには、蒸留酒を水やジュースで割ったものを飲むことをおすすめします。特に、果実に含まれる「果糖」や「ビタミンC」には、肝臓でのアルコール分解を助ける働きがあります。そのため、果実を絞ったチューハイやスクリュードライバーなどのカクテルが悪酔い防止に有効といえます。

ただ、バーで出されるカクテルはお酒の比率が高いため、あまりおすすめしません。このようなときは、アルコール度数の低いものを頼むようにしましょう。

また、太ることを気にして飲酒時に何も食べない女性は多いです。ただ、空腹時の飲酒はアルコールの害が強く出やすいです。そのため、飲酒の際には、少しでも食事を摂ることが大切です。特に、豆類やガーリック、ナッツなどにはアルコールの代謝を高める成分が含まれているため、飲酒とともに食べることをおすすめします。

過度の飲酒は健康を損ねます。また、飲酒による冷え症も、健康や美容に悪影響があります。そのため、これまでに述べたようにお酒とのつきあい方を見直すことで、原因不明の不調や肌荒れなどのトラブルを改善できるはずです。